2009年2月24日、南アフリカの電磁波問題活動家であるカ−ル・ミュラ−(Karl Muller)さんのお話を聞きました。同氏は南アフリカのEGA(Electromagnetic Action Group)で活動されており、友人の結婚式に出席するために来日したので、その機会に、日本の携帯基地局問題で活動している市民団体と意見交換したいというのです。当会の事務局長も参加させていただきました。
同氏は2000年から活動されていますが、その前は大学の理科の先生でした。
人口4千万人の南アフリカでは、4千万台の携帯電話が普及していますが、1人で何台も持っている人もいるので、約7割の人が所有しているということです。
南アフリカでは携帯電話は高価であり、しかも失業率が異常に高いので、簡単に入手出来ません。しかしながら、携帯電話で仕事を見つけるのが常態化していますから、携帯電話泥棒が異常に発生します。犯罪の5割は携帯泥棒であり、ピストルで脅して携帯電話を奪う事件が頻発しています。盗んだ携帯電話を安く売る商売も盛んだそうです。
90%の学校に携帯基地局が建っていますが、その理由は、基地局を建てると学校に月300ドル(約3万円)入るからです。一方、携帯会社は、1基地局あたり月20000ドル(約2百万円)かかります。
携帯会社としては、MTNとボ−ダ−コムが大手です。ボ−ダ−コムはボ−ダフォンの子会社であり、MTNはアフリカで手広く事業している会社です。
旧宗主国の英国では、学校に基地局を建設させないのに、南アフリカでは逆です。英国で学校に基地局を建てさせないのは、子供に電磁波が良くないからですので、同氏たちは反対運動し、いくつか学校に基地局を建てさせないことに成功しています。
現在、学校(特に小学校)ではADHD(注意欠陥・多動性障害)の子供たちが異常に増えています。アパルトヘイト政策時代は、貧しい黒人たちの居住地は携帯電話な無かったので、黒人のADHDはほとんどありませんでした。アパルトヘイトが廃止されてから、携帯基地局があちこちに建てられ、ADHDが多発したのです。小学校では、多動性を抑える薬を子供たちに飲ませないと、授業が成立しない学校もあるそうです。基地局周辺では、大人にも様々な健康障害が起こっています。基地局建設を止めさせないと大変なことになるでしょう。