<海外情報>

インデペンデント
2009年1月11日
訳:安間武

フランス政府が子供向けの携帯電話広告を禁止

 携帯電話を使用するとがんやその他の疾病を引き起こすかもしれないという恐れが高まる中で、フランスでは、子どもの携帯電話使用に厳しい措置をとる法律が、導入されることになった。

 12歳以下の子ども向けの携帯電話の広告は、法律の下に、全て禁止されることになると先週、フランス環境大臣ジ−ンルイス・ボルロ−は発表したが、彼はまた、6歳以下の子どもが使用するために設計された、携帯電話の販売を禁止するであろう。

 フランス政府は、また、携帯電話からの放射レベルに新たな制限を導入し、頭と脳に曝露するのを使用者が回避するために、ハンドセットを、イヤホ−ン付きで販売する義務付けをする。そして、先月、フランスの最大都市のひとつで、子どもの携帯電話使用をやめさせるキャンペ−ン広告が始まった。

 世界中のどこの国の政府も、このような包括的な強い措置をとったことは、今までにない。それは、16歳以下の子どもには携帯電話の使用をやめさせ、産業側は、携帯電話の子どもへの販売促進をやめさせるべきとする、9年前の公式報告書の勧告を、ほとんど無視しているイギリスの大臣らと、際立って対照的である。それ以来、若者らの使用は倍増し、イギリスの16歳の若者10人のうち9人は携帯電話を持っている。

 スウェ−デンの研究は、子どもと10代の若者は、携帯電話を使用すれば、脳腫瘍に5倍もかかり易いことを示しており、ある専門家らは、今日の若者らの人生の後半における、この病気の“集団発生”を予測している。しかし、携帯電話が彼らに及ぼす脅威への考慮は、携帯電話によるがんリスクについてのイギリス政府の310万ポンド(約4億円)の調査から除外されている。

 フランスの大臣は、“携帯電話の使用が若者の間で急速に増加している”ことを警告し、“若者の体はまだ発達中なので、若者はより感受性が高いかも知れない”と警告している。子どもたちの頭は小さいし、頭蓋骨は薄い。

 フランスの第二の都市であるリヨンは、子どもたちへのクリスマスプレゼントとして携帯電話を買うことを人々に思いとどませるために、携帯電話を遠ざけて、子どもたちを健康にしようというスロ−ガンを掲げて、クリスマス前に広告キャンペ−ンを打ち上げた。

 一年前、フランス環境労働安全衛生局は、両親は小さな子どもに携帯電話を与えるべきではないと述べた。そしてフランス環境省は携帯電話の使用を控え目にするよう促した。

 フランスのこの法律制定は、携帯電話の使用によって引き起こされる電磁波の危険に対する公式の警告が増大していることを示す最新の証拠である。9月には欧州議会が、522対16で全ヨ−ロッパの大臣に厳格な放射制限を行うよう強く促し、また欧州環境庁も警告を発した。

 トロントの公衆健康省は8歳以下の子どもは、緊急時のみに携帯電話を使用すべきであり、10代の若者は通話時間を10分以下にすべきであると助言した。ロシアの環境保健大臣は18歳以下の若者は携帯電話を使用すべきではないと述べ、イスラエルの保健大臣もまた注意を喚起した。


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