駅の隣接地に東急が鉄道変電所建設を計画
30メートルの至近距離に新設マンション
□こんな住民を無視した話はない
東急田園都市線「すずかけ台」駅は、渋谷駅側から見ると、急行停車駅「長津田」の2つ先の駅。そのすずかけ台駅前に、13階建・96戸の瀟洒な大型マンションが、2007年6月に竣工し、2007年7月から入居を開始しました。
分譲住宅は一戸建であれ、マンションであれ、一生涯で最大の買物です。入居時というのは、どこの家族も、夢一杯、希望一杯の幸せム−ドに包まれている時期です。ところが、入居してまもない2007年10月11日に、駅ホ−ムに小さな「すずかけ台変電所」を建設する旨の貼り紙をマンション住民が見つけてから事態は一変します。そんな話は事前に不動産会社からなにもありませんでした。
急いで住民は、その貼り紙に記載されている東急建設に問い合せると、当該工事は2007年8月29日にすでに住民説明を終了しているという返事。しかし、計画変電所に一番近いそのマンションには、まったく説明はありません。2007年8月29日の住民説明とは、地域自治会役員のみを対象とした説明で、変電所に一番近い、したがって一番影響を受ける、当該マンションを抜きにした説明だったのです。
<東急すずかけ台変電所建設工事計画>
- 工事箇所:東急すずかけ台駅構内
- 面積:443.74u
- 工事期間:平成19年9月〜21年3月末
- 建設理由:田園都市線への電力安定供給
- 概要:東電の地下高圧送電線66000ボルト線を変電所建物内に引き込み電車用の1500ボルトに落とす高圧変電所
<本変電所計画の問題点>
- 事前に建設中のマンション居住予定者への説明なし(変電所が計画されていたなら、購入しない人もいる)
- 事前説明会をマンション管理組合が要求するまで行なう気なし
- 電磁波発生量含めて、変電所内容の資料提供いまだになし
- なぜ、この地でなくてはいけないかの理由説明なし
- 建築許可が下りた移行も「計画内容示す看板」なし
- 「地区建築協約」の中に「秩序ある快適な住環境の維持、創設」の項目があるが、変電所建設はこの協約目的に反する
□東急は昨年2006年2月に計画つくっていた
その後判明したことは、東急は、2001年に田園都市線田奈変電所で起こった落雷事故を受けて、変電所の増設が必要と考え、2006年2月に、すずかけ台駅隣接地に変電所を建設することを、社内決定していました。そして2007年2月2日に町田市に建築確認申請を出し、2007年5月2日に許可が下りました。したがって東急は、当該マンション建設会社に鉄道変電所を計画していることを、速やかに伝えるべきでした。もし至近距離に鉄道変電所が計画中なら、マンション購入契約を結ばなかった人もいたでしょう。また分譲マンションの重要事項説明書にもそのことを書くべきでしたが、建設不動産会社は、東急から事前に変電所計画は知らされませんでした。
□2007年11月25日電磁波学習会に70名以上参加
当該マンション住民の不安・不満点は、(1)事前になにも知らせようとしない東急電鉄側に不誠実さ、(2)変電所の電磁波による健康不安、(3)変電所建設による資産価値低下、に集約されています。
このうち、電磁波についてはマンション住民もよくわからないので、2007年11月25日に開催された住民協議会の場で、電磁波問題市民研究会から講師を招き、緊急学習会を開きました。
この住民協議会は主要には、直近の東急とのやりとりや経過を住民に報告することと、市議会議員や周辺商店会役員にも協力要請することが目的でした。当日は、市議4名や周辺の商店会役員や老人会役員等を含め70名以上が参加しました。電磁波学習会は講演と質疑応答を含め1時間半近く行なわれ、参加者は今回の変電所計画の白紙撤回をあらためて確認し合いました。
□2007年12月12日まで工事凍結
マンション住民たちの素早い対応で、すでに顧問弁護士も決まり、東急との話し合いで、(1)日時は未定だが住民説明会を開催する、(2)当面12月12日までは工事はストップする、ことが決まっています。
今後、マンション住民は、変電所建設の問題点について、より多くの人たちに知らせ、町田市やマスコミを含め、東急の姿勢の不当性と住民の止むに止まれぬ気持を訴えていくことで、計画の白紙撤回を目指していくことにしています。
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