<海外情報>
The Sun
2007年10月10日
(抄訳:TOKAI)
□バッキンガム州の小学校
英国バッキンガムシャ−(イングランド中南東部の州)のチャルフォント・セント・ピ−タ−地区にあるセント・ヨセフ・カトリック小学校は、いくつもの携帯電話基地局に囲まれている。最も近い基地局は、学校から750メートルの地点に建っている。
11歳以下の児童2人とその小学校卒業生で、現在14歳と21歳の計4人が、脳腫瘍と診断された。また、近くの別の学校でも、1人の子供が脳がんで死んだ。5人とも男子だ。保護者たちは、携帯電話基地局とがんの多発がリンクする、英国で初の例ではないかと心配している。地域の公衆衛生責任者も調査に乗り出した。
脳がんで亡くなった男の子は、ジェラ−ドクロスにあるソ−プハウス独立学校(公的補助を受けない私立学校)に通っていたが、セント・ヨセフ・カトリック小学校と運動場を共有して使っていた。
□マイケルの腫瘍発生の原因はなにか
現在、マイケル・ピディングさんは21歳だが、セント・ヨセフ小学校の事務職員として勤務しており、この学校出身だ。彼は2級段階の腫瘍に苦しんでいる。マイケルの母アンジ−は「息子の腫瘍は重い。治るかどうかわからない。ただ祈るだけだ。携帯基地局と腫瘍発生は、関係あるらしいと聞く。とにかく本当のことが知りたい。息子以外の人も腫瘍とのことだ」と語った。
セント・ユセフ小学校の南にある2基の基地局は、ボ−ダフォンのものだ。ボ−ダフォンは、「基地局からの電磁波は弱く、健康に影響を及ぼす可能性は低い」との研究結果を引き合いに出した。しかし、リ−ズ大学のパトリシア・マッキンネ−教授は、「このような腫瘍の集中発生は尋常ではない。腫瘍が子供にできるのはきわめてまれだ。その一方で基地局からの電磁波は、携帯電話からの電磁波に比べて弱いこともたしかだ(だから原因とみるのも難しい)」と語っている。
基地局の認可料として、政府には220億ポンドの収入とみられている。今週発表された世界規模の研究によれば、携帯電話を10年以上使用すると、脳腫瘍リスクは増大するとしている。