経済産業省が国連保健機関(WHO)勧告を見越して磁場規制の動き

検討ワーキンググループに電磁波関係の市民団体を入れないとは

□第1回会議が開かれた
 経済産業省が設置した、電力設備電磁界対策ワーキンググループ(WG)第1回会議が2007年6月1日に開かれた。この会議は公開なので、傍聴して様子を見た。
 このWGは、世界保健機関が電磁界に関する環境保健基準について検討を進めているので、磁界に関する規制のあり方を検討する必要があると語っているように、WHOの環境保健基準で磁場規制が出ることをにらんで、「日本でも国際的に批判されないように磁場規制をしよう」という目的で設置された。

□わずか4回の会議でしか開かれない
 WGは秋までに報告出すので、それまでに会議は4回だけしか開かない。しかも、各会議は1時間40分の開催時間であり、資料を小出しにして一部の委員が質問するだけで、それに事務方(経済産業省の職員)と学者が答えるというスタイルである。これで、実効的は討議ができるというのであろうか。

□電力設備のみの規制
 最も驚いたのは、討議対象を電力設備(送電線・配電線・変電所など)に限定してしまっている点だ。WHOの環境保健基準は、すべての電磁波発生源を対象にしているにもかかわらずである。その理由として、日本では扱う法律が異なるとだけしか示していない。
 電力設備はもちろん大事だが、電気製品や医療機器や交通機関など、身近で電磁波を出す発生源は多くある。しかも、電気製品だけでなく医療電子機器も企業が生産するので、企業を指導監督する経済産業省が関与すべきではないだろうか。


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