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マイクロウェーブ・ニュース
2003年5〜6月号より
(抄訳 TOKAI)

携帯電話の電磁波が航空機の電子機器に影響

英国民間航空局がテスト内容を発表

□4月30日に発表
 携帯電話から発信する電磁波をきちんととした条件下でテストしたところ、航空機の電子機器に様々な影響を与えることが明らかになったと英国民間航空局(CAA)が4月30日に発表した。
 一つの機器から出る電磁波が他の機器に干渉し誤作動を与えるという「電磁干渉」(EMI)は問題になっている。航空機への電磁干渉は大事故に直結するため特に問題である。電磁干渉により、航空表示機器や各種指示機器に誤った読取りをさせ、ジャイロスコ−プコンパスを停止させたり、誤った挙動を示す原因となる。そして着陸装置の無線レシ−バ−の感受性を鈍らせるという。

□CAAは機内の携帯電話禁止を勧告
 CAAは、出発準備で航空機のドアが閉まったら機内で携帯電話の使用を禁止するよう英国政府に勧告した。そして航空会社に対しては荷物内の携帯電話も必ず電源をオフにするよう追加的予防措置をとるように勧告した。
 さらにCAAは小型航空機の電磁干渉の危険性についても民間航空業界が注意するよう勧告した。テストでCAAは、誤作動は30V/m以上の電磁波で起こるとした。この電界強度は携帯電話を最大出力にしたり感受性の鋭い機器の30センチ以内に携帯電話を近づけたり、配線の30センチ以内のところだと検出される値だ。

□テストではケ−タイ周波数領域をカバ−
 テストは、900メガ(百万)ヘルツのGSM(欧州携帯電話統一システム)や1700メガヘルツ、あるいはTETRAハンドセットの412メガヘルツをカバ−するものである。電磁干渉は1700メガヘルツのところで大きく表れた。3年前にCAAは何台かの携帯電話を同時にキャビンで使うと、コックピットで4.5V/mの値を測定したことがある。この数値は電磁干渉を起こさない基準値である1V/mを超えている。
 民間航空機の乗員は大分前から携帯電話の航空機への電磁干渉を疑っていた。そして携帯電話が他の電子機器やナビゲ−ションシステム等の誤作動の原因だと考えていた。今回の報告書でCAAは、1996年から2002年までの間、乗員が携帯電話が原因で起こった安全問題と関わる35件の事故について認めた。


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