IHクッキングヒ−タ−ってなんなの?

その陰に電力会社の「オ−ル電化」戦略あり

□『暮しの手帖』が批判キャンペ−ン
 雑誌『暮しの手帖』が2号連続でIHクッキングヒ−タ−と電磁波の特集を組んでいます。商品を徹底分析することで定評のある雑誌だけあって、内容も充実しています。IHクッキングヒ−タ−は「電磁誘導原理を利用した調理用加熱器」で、「IH」とは「Induction Heater」の略で直訳すれば「電磁誘導加熱器」です。
 最近、「きれいで、(炎を使わず)安全」な調理器というので派手にコマ−シャルしている商品です。売れ行きも好調のようですが、この商品に『暮しの手帖』が真っ向から批判を加えているのです。

□電磁波を開放系で使って「安全」か?
 IHヒ−タ−の原理はトッププレ−トの下にある渦巻き状の磁力発生コイルに電流を流し強力な磁力線をまず発生させます。そしてその磁力線が鍋底に“うず電流”を起こし鍋底を発熱させ調理する、というものです。いわば、電磁波を開放系で使う電気器具でかなりの電磁波を周辺にまきちらします。説明パンフに「心臓ペ−スメ−カ−従事者は医者と相談するように」書いてあることからもこの商品が“安全でない”ことを示しています。

□使用できる鍋の金属に制約あり
 鉄やステンレスは電気抵抗が大きく電流を流すと発熱しやすい。だがアルミや銅は電気抵抗が小さいため発熱しにくいため、一般的にIHヒ−タ−にアルミや銅の鍋は使えません。また鍋の外側がステンレスでも間にアルミや銅をはさんだ多層鍋も同様に加熱できません。

□欠点を補ったオ−ルメタルIHも欠陥
 そこで電機メ−カ−が開発したのがアルミや銅の鍋でも加熱できるという「オ−ルメタル加熱方式」の新型IH。しかしこれも一部の料理はメ−カ−指定のあっせん品以外使えないという制約があります。オ−ルメタル加熱方式IHは従来型より磁力線を強力に発生するよう工夫されており、それだけ電磁波は出るし新たに「鍋が動く」という問題も出てきました。磁力線とうず電流が激しく交差して鍋底を持ち上げる力がそれだけ大きくなったからです。

□コストや沸く時間といった効率も悪い
 『暮しの手帖』の商品テストだと「お湯の沸く時間がおそい」「鍋底はだんだん火力が落ちる」「コストもガスより高い」等のマイナス面も指摘されています。気になるのは新型IHヒ−タ−を使うと「不快感を感じる」ことです。これは明らかに電磁波による影響ではないでしょうか。

□オ−ル電化は要注意
 いま電力会社は電力自由化の流れの中で「生き残り策」として「ガス製品を駆逐してオ−ル電化にし電力消費量を上げる」大作戦を展開しています。その先兵役が「ガスコンロから安全できれいなIHに」という販売戦略です。
 どの商品を売るかは営業活動の自由ですが、「IHヒ−タ−はきれいで安全」はウソですし、「オ−ル電化」はそれだけ暮らしが電磁波だらけになることを消費者はきちんと判断すべきではないでしょうか。電気って決して安全ではないのです。


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