海外情報
マイクロウェーブ・ニュース
2002年11〜12月号より
(抄訳 TOKAI)
□米軍が開発するとNAS−NRCが予測
無線電波を扱う世界では「非熱作用(nonthermal effects)」は本当にあるのかどうか論争しているが、米軍は次世代型の非致死兵器として電磁波の非熱作用を利用したマイクロ波兵器(microwave weapon)を開発する計画をしている。
これはNAS−NRC(全米アカデミ−・学術研究会議)が11月4日に発表した報告書で“予測”として書かれている。
□非熱作用の兵器としての効果は?
非熱作用とは電磁波の刺激作用でも熱作用でもない生体への影響・効果を総称したものでその実体は明確ではない。したがってその実在を巡って国際的な論争が行なわれている。
兵器としての非熱作用効果としては、失神・発作・ショック刺激・自発的行動の抑制が考えられるし、超短波・超広域帯・超ピ−ク出力信号などの様々な電磁波による人間の感受性への影響に関する研究が続けられている。
□委員長は国立研究所のミリアム・ジョン
この報告書を作成したNAS−NRCの小委員会は、共同非致死兵器理事会によって委嘱された。責任者はカリフォルニア州リバ−モアにあるサンディア国立研究所のミリアム・ジョン(Miriam Lohn)である。またテネシ−州にあるオ−ク・リッジ国立研究所のクレイ・イ−スタリ−(Clay Easterly)も小委員会に参加している。
□現在開発されている技術も使う
次世代型技術だけでなく現在開発中の技術も扱われる。たとえば2002年に米空軍が開発中の群衆鎮圧用に使うマイクロ波兵器も含まれる。この兵器は群衆の行動力を一瞬にして奪う。
小委員会では目を傷つけたり至近距離で不用意に曝露されることで生じる危険も同時に指摘されている。