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2002年9〜10月号より
(抄訳 TOKAI)
電磁波から健康を守りそして電磁波研究を促進させる目的で、欧州と米国の研究者により「国際的委員会」を創立するための第一歩が始まった。
この「国際的委員会」は、以下で紹介する、イタリアのシシリ−島のカタニアで開催された会議で採用された決議(カタニア決議)に依拠した予防原則見解を基本的立場にしている。
カタニア会議に参加した人たちの多くは低レベルでも高周波でも人体影響は起こることは確かなこと、とした「ウィ−ン決議」にも署名している。
カタニア決議
イタリア国立予防労働安全研究所(ISPESL)とウィ−ン大学とカタニア市の3者が共催した国際会議「電磁場(EMF)・科学及び法律規制問題に関する研究状況」が2002年9月13日〜14日、イタリアのカタニア市で開かれたが、その国際会議に参加した科学者たちは下記のことを合意した。
<決議文署名者>(16名)
- 疫学調査・生体実験・生体外実験のどの証拠も、EMF(電磁場)が健康になんらかの影響があるとする実在(existence)を立証している。
- 我々は、弱い(低強度の)EMFは細胞に作用を及ぼさないとする主張に異義を唱える。
- 現行のICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)やIEEE(米国電気電子技術者学会)のガイドラインあるいはEU(欧州連合)の曝露勧告値より低い値で、EMFが人体に影響するとする構造的(mechanistic)にも説明のつく解明がなされている。
- 証拠の重要性は、予防原則に基づく予防的方策(preventive strategy)を要求する。時として、予防原則には慎重なる回避(prudent avoidance)や慎重なる使用(prudent use)も範疇に入る。
- 我々は、EMFと関係する生物学的影響や物理学的影響あるいは健康リスクに関して、認識上のギャップがあることを承知している。したがってこの認識上のギャップを埋めるため、今後独立した研究が求められていることも承知している。
- 下記に署名した科学者は、EMFに対する健康保護を目的とする研究や、予防原則に基づくリスクの評価・予防・管理・情報伝達を図るための科学的基盤づくりや科学的方策の確立、に向けた国際的科学者委員会を設立することに合意した。
◎フィオレ−ラ・ベルポッジョ(Fiorella Belpoggi) ラマツィ−ニ財団(イタリア・ボロ−ニャ)
◎カ−ル・ブラックマン(CarlBlackman) 米環境保護庁(米・ノ−スカロライナ州、リサ−チ・トライアングル・パ-ク)
◎マ−ティン・ブランク(MartinBlank) コロンビア大学(米・ニュ−ヨ−ク市)
◎エミリオ・デル・ギウディッチェ(Emilio Del Giudice) 伊国立核物理学研究所(イタリア・ミラノ)
◎リヴィオ・ギウリア−ニ(Livio Giuliani) カメリノ大学(イタリア)
◎セチミオ・グリマルディ(Settimio Grimaldi) 伊国立研究協議会 (イタリア・ロ−マ)
◎レナ−ト・ハ−デル(Lennart Hardell) エレブロ大学(スウェ−デン)
◎マイケル・クンディ(Michael Kundi) ウィ−ン大学(オ−ストリア)
◎ヘンリ−・レイ(Henry Lai) ワシントン大学(米・シアトル)
◎アブラハム・リボフ(Abraham Liboff) オ-クランド大学(米・ミシガン州、ロチェスタ-)
◎ウォルフガング・レッシャ−(Wolfgang Loscher) ハノ−バ−獣医学研究所(ドイツ)
◎クジェル・ハンソン・ミルド(Kjell Hansson Mild) 国立労働生涯研究所(スウェ−デン・ウメオ)
◎ウィルヘルム・モスゴエラ−(Wilhelm Mosgoeller) ウィ−ン大学(オ−ストリア)
◎エリフ・リヒタ−(Elihu Richter) ヘブライ大学(イスラエル・エルサレム)
◎ウンベルト・スカバグニ−ニ(Umberto Scapagnini) カタニア大学(イタリア)
◎スタニスラワ・スミジルスキ−(Stanislaw Szmigielski) 衛生疫学軍事研究所(ポ-ランド・ワルシャワ)