□世はブロ−ドバンドの時代というが
ブロ−ドバンドとは「広帯域」の意味でインタ−ネットなどの通信ネットワ−クで高速で大容量の情報をやりとりするには、現行の通信システムでは料金が高くネックが多いので新しいやり方に変えましょう、というのがブロ−ドバンド待望の背景です。
<図:2005年のブロードバンド人口試算(2)>
(「よくわかるブロードバンドの意味と仕組み。中野明著、秀和システム発行」より)
□ブロ−ドバンドの種類と将来予測
右図は2005年後の一つの普及予測です。あくまで皮算用でありこの図のようになるかは誰もわかりません。「FTTH」は光ファイバ−通信網で「超高速インタ−ネット環境」のことです。「CATV」はケ−ブルテレビ網のことで、「DSL」はデジタル加入者線の意味で従来の電話線を利用する高速デ−タ通信です。「FWA」は加入者系無線アクセスシステムの意味で、「無線LAN」は小電力デ−タ通信システムを意味し、FWAも無線LANも共に「無線アクセス」の仲間です。「電力線通信」がいわゆる「電灯線インタ−ネット」のことで、電話線でなく通常の電気を運ぶ電力線を利用してインタ−ネット通信しようというものです。
□無線アクセスの問題
前ペ−ジの「北海道電磁波問題を考える会」の皆さんが反対している通信会社ワイコムの無線を利用した高速インタ−ネットサ−ビスは「無線アクセス」の内の無線LANで2.4ギガヘルツ(1秒間に24億回の周波数)を使います。2.4ギガヘルツは電子レンジと同じ周波で水の分子を最も振動させる周波数です。人間も70%は水分でできていますから、特に電磁波過敏症の人はたまりません。こんな危険な高周波アンテナ基地局を北海道内に3年間で千基も建てようというのです。
□直進性が強いからたくさん基地が必要
次世代携帯電話もそうですが、周波数が高くなると電磁波の直進性が高くなり障害物を回りこんで届くことが難しくなるため基地局をそれだけ多くつくらなければならなくなります。そこで千基もつくるのです。もう一つの「FWA」は、ソニ−が力を入れているシステムで、22ギガヘルツ、26ギガヘルツ、38ギガヘルツ、といった極めて高い周波数の帯域を利用した高速の無線システムです。これは準ミリ波と呼ばれる帯域で“マイクロ波兵器”に使われる高周波ですからより危険なものと予想されます。
□電灯線インタ−ネットってなんだ?
上図で電力線通信となっているのが電灯線インタ−ネットのことで、電柱上のトランスから電力計やコンセントまでの低電圧配線に高周波を乗せてインタ−ネットの通信路にしようというものです。つまり、電気を運ぶ既存の電力線網をインタ−ネットに利用しようというものです。
□低周波用のものに高周波を入れると
本来は50もしくは60ヘルツというごく低い周波数の電気を流している電力配線に、2〜30メガヘルツ(200万から3000万ヘルツ)という高い周波数の電気を流せば空中の電線からより電磁波が漏れますし、コンセントから電気器具に混入したこの電磁波が様々な影響を与えます。
アマチュア無線家は、ノイズが入るとして反対していますが、一番問題なのは人体への影響と電気器具等への電磁干渉です。
□なぜこの国は健康より便利さを追うの?
総務省や経済産業省は「経済効率」や「便利さ」を第一義的に追求するが、人間あっての経済です。本来は、生体への影響を最初にアセスメント(影響評価)して、しかるのちに利用が検討されねばならないのです。
予防原則のない国は真っ先に滅びる!