□住民に内緒で携帯鉄塔建設計画
北海道小樽市に、Jフォンが高さ30メ−トルの携帯鉄塔を建てることを知ったのは昨年(2001年)8月のこと。ところが町内会の役員にはその1年以上前から建設協力依頼に来ていたのです。
8月中旬突然、Jフォンから工事委託された会社の社員が「建設開始のあいさつ」の意志表示をしましたが、まったく相手にされませんでした。ここから闘いは始まったのです。
□すぐに電磁波研の会員に
すぐに行動を開始しましたがどこに相談していいかもわからず、あちこち関係団体に問い合わせところ、NGO「日本子孫基金」から電磁波研を紹介され、さっそく会員になりました。電磁波研から資料を取り寄せ、運動の進め方を聞きすぐに行動を開始しました。Jフォン、市、道、国への働きかけと住民組織の立ち上げです。「運動の初期に電磁波研から得た情報が大いに役立ちました」と謙虚に語っています。
□住民を味方につけ小樽市も敵に回さず
中継鉄塔建設反対の理由として(1)電磁波の安全性は証明されていない(2)周辺住民に対し業者は民主主義のル−ルに則った適切な説明会をせず合意ないままに建設工事を進めようとしている、を挙げました。つまり現段階で電磁波のシロ・クロが決着していない以上、建設側(Jフォン)が安全性を証明するのが筋、としたことと、民主主義的か非民主主義的かという誰でもが納得する主張を全面に出して取り組みました。それと小樽市を敵に回すのは得策でない、と住民側に引き寄せました。
とくに住民説明会の結果報告をていねいに小樽市に文書で報告しているのには感心します。その報告のなかで「質疑応答」の部分をいくつか紹介します。
(Jフォン)総務省の「防護指針」よりはるかに発信電磁波は弱いから安全。
(住民側) 「防護指針」は熱効果しかみていない。非熱効果に関して様々な報告が出されており、安全性は保証されていない。
(Jフォン)家電製品より1万〜10万分の1の強さなので安全。
(住民側) 家電製品は極低周波で、携帯電話は高周波で違う。高周波の人体への吸収率はケタ違いに大きいし、エネルギ-も1千万倍違う。
(Jフォン)総務省の中間報告(2001年1月)では携帯電磁波は安全としている。
(住民側) 総務省の研究は「ネズミ6匹づつを4日間実験して得た結果」だ。私たちは4日しか住まないネズミでなく、何年もここに住むのだ。
(Jフォン)WHOや過去50年の研究でも安全としている。
(住民側) ICNIRPはマイクロ波の影響を示した論文を採用せず結論づけている。WHOの中にも危険性を指摘した論文がある。しかし総務省は都合の悪い論文は無視している。
(Jフォン)私にも子供がいるが電磁波の中で元気に暮らしている。
(住民側) 子供に影響出た時、Jフォンはどう保証するのか?
(Jフォン)不動産評価は鉄塔できたからといって下がるとは思わない。
(住民側) 土地評価が下がったり、売れなくなった場合の保証はするのか?
<資料:初めて町内各戸の配布したビラ>
<資料:Jフォンに出した要望書>