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(抄訳 TOKAI)
マイクロウェ-ブ・ニュ-ス2001年11〜12月号より

女性の夜間労働は乳がん率を増大させる

〜メラトニンホルモン抑制と関係する〜

二つの新研究出る
 夜間シフトで働く女性に乳がんが増えるという二つの新研究が発表された。
 一つは米シアトルにあるフレッド・ハッチントンがん研究センタ−のスコット・デイビスとダナ・ミリック、およびコネチカット大学のリチャ−ド・スチ−ブンスの研究だ。
 その研究によると、一週間に一回夜間働く女性の乳がんリスクは14%増加する。また10年間で少なくとも一度深夜勤務シフトで働いた女性は乳がん率が60%高まる。この研究は『国立がん研究所(NCI)ジャ−ナル』10月17日号に掲載されたが、741人のコントロ−ル(標準母体群)と763人の乳がん女性(対象群)を比較対象としたものである。
 対象群の「起きた回数」や「照明をつけた回数」と乳がんリスクに関連はなく、「夜間の照明時間」や「寝室内周辺の照明レベル」も乳がんリスクに関連しなかった。

看護婦に高いリスク
 もう一つの研究は『国立がん研究所ジャ−ナル』の同じ号に載ったもので、マサツセッチュ州ボストンにあるハ−バ−ド医学校チ−ム(エバ・シャ−ンハマ−が率いる)のものだ。それによると30年以上夜間シフトで働いていた閉経後の看護婦の乳がん発生率は有意で36%高くなる。また夜間シフトで少なくても20年働いている閉経前の女性はリスクが66%増加するし、15年以上ではリスク増加率は34%だ。しかしデ−タの基になった対象数は少ない。
 コペンハ−ゲンのデンマ−クがん学会のジョニ−・ハンセンはこの研究所見として「夜間の照明(light at night)について間接的にいろいろ測定して行なわれたこの間の乳がん疫学調査はコンスタントにリスク増大という結果を示している。夜間の照明・夜間労働とがんの関連についてさらなる研究の緊急必要性がある。それはメラトニンによる影響と関係するからである。」と書いている。
 「光(照明)とホルモンとがん」の関係については、2002年5月2〜3日、ドイツ・ケルン大学で開催されるシンポジウムで取り上げられる。


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