海外情報

(抄訳 TOKAI)
マイクロウェ-ブ・ニュ-ス2001年5〜6月号より

男性乳がんはEMFが一つの原因と訴訟へ

ニュ−メキシコ州アルバカ−キで3人がオフィスで乳がんに

◎EMFと化学物質の複合汚染が原因
 ニュ−メキシコ州アルバカ−キ(Albuquerque)の同じオフィスで働く3人の男性が、乳がんになったがそれはEMF(電磁場)と毒性化学物質の複合汚染のせい、と3人のうち2人が5月29日、州裁判所に提訴した。
 訴えたのはア−サ−・スレイタ−(Arthur Slater)とジェイムス・モンタノ(James Montano)。乳がんになった3人のオフィスは電気供給施設と同じ地下1階にあり、電気供給施設とオフィスは隣接していた。
 依頼されたブレッグマン法律事務所のサム・ブレッグマン(Sam Bregman)弁護士は「同じオフィスで3人も乳がんになるのはめったになく原因は明確だ」と語った。

◎被告は郡と市
 訴えられたのはベルナリ−ジョ(Bernalillo)郡とアルバカ−キ市だ。オフィスの入っているビルは郡と市の共同所有であり3人は郡の職員だからだ。ブレッグマン弁護士は「このオフィスでは1988年以来、14人ががんになり内4人が死んでいる。以前から磁場干渉問題で訴えられていた」と語った。オフィスの中心部の磁場は15mG以上あると市が1991年実施した調査では測定されていたし、1996年実施の2回目の測定ではもっと数値は増大していた。

◎複数の化学物質でも汚染
 またブレッグマン弁護士は、揮発性の有機化合物を含む多くの化学物質に繰り返し汚染されていたと述べている。
 スレイタ−(78歳)は85年から98年までこのオフィスビルで働いていたし、モンタノ(52歳)は96年から98年まで働いていた。
 ジョン・ホプキンス大のジュネヴィ−ヴ・マタノスキ−博士がEMFと男性乳がんについて1989年に初めて報告した。最近の3つ(90年、91年、92年)の研究はその関係を確認した。米がん学会によると、1999年に米国で1千3百人の新たな男性乳がんが報告された。


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