海外情報
(抄訳 TOKAI)
マイクロウェ-ブ・ニュ-ス2001年5〜6月号より
◎ノキア株、23%下がる
フィンランド最大の企業でかつ世界の携帯電話メ−カ−で最大の市場シェア(占有率)を誇るノキアの業績がここにきて伸び悩んでいる。
ヘルシンキ発の情報では、ノキアは売り上げと利益の予測を共に下降修正した。理由は消費者が携帯電話購入を控えているからだ。ノキア株は23%下落し他の米国や欧州の通信株を押し下げる働きをしている。 一株当たりの収益は当初20ユ−ロセントだったのが15〜17ユ−ロセントに第2四半期で修正した。売り上げは当初20%だったのに対し10%以下になろう、とノキア社は発表した。
◎希望の星の企業にも陰り
ファンド・マネ−ジャ−のヨハン・ランネボ(Johan Lannebo)は「ノキアは、われわれにとってテクノロジ−産業での最後の希望の星的存在だ。ノキアの収益は他のライバル携帯会社に比べて確実だし、そのことが株価に織り込まれている。」と語った。
ノキア自身、携帯電話販売予想は他メ−カ−より楽観的だった。だが今、収益は景気鈍化で悪化している。消費者はインタ−ネットアクセスがより速い新型が出るのを待っている。そのためノキアも後半期の見通しを下降修正している。
◎昨年は好調だったが…
ノキアは、第2位のメ−カ−・米モトロ−ラ社のシェアの2倍にあたる35%のシェアを占めている。昨年2000年は売り上げが55%上昇し、昨年の第2四半期は一株当たり21セント稼いだ。
ところがノキアの米国での「保管受領高」(depositary receips=一株値に相当)は、ニュ−ヨ−ク市場で5.45ドル、換言すれば19%下落して23.26ドルに下がった。欧州でも、ノキア株は7.87ユ−ロ下がり26.26ユ−ロに下がった。これは過去10年間で最大の下げ幅である。今年に入って44%もノキア株は下落した。
◎エリクソンもモトロ−ラも大幅下落
ノキア社スポ−クスマンのロ−リ−・キビネン(Lauri kivinen)は[業績悪化はノキアだけではない。ノキアのライバル社でも同じように業績は悪化している」と語っている。
実際、スウェ−デンのエリクソン社は株が5.7%下がり57.5クロ−ネに下落した。米モトロ−ラ社は86セント下がり、つまり、5.8%下がり1株14ドルに下落した。携帯電話用の半導体メ−カ−のRF・マイクロデバイス社は61セント下がり25.80ドルに下落した。ちょっと前に21%も下がり20.80ドルになり、ようやく値を戻したのにまた下がったのだ。RF・マイクロデバイス社はノキア社の携帯電話の半分を賄っている、とアナリストは分析している。
(ブル-ムバ-グ・ニュ-ス 20001年1月13日)