海外情報

(抄訳 TOKAI)
マイクロウェ-ブ・ニュ-ス2001年3〜4月号より

イタリア環境省、ラジオ塔電磁波で「国規制守れ」とバチカンと対立

☆バチカン放送塔周辺にがん多発
 ロ−マ郊外セサ−ノ(Cesano)のサンタマリア・デ・ガレリア教会内にあるバチカン放送局用ラジオ塔から発信される電磁波は強力でイタリアの国内基準を超えており、かつ周辺住民にがんが多発しているのと関係しているのではとの住民の心配もあり大きな問題になっている。
 自治体の健康担当者は、ラジオ塔から6q(4マイル)以内で8人の小児白血病が発生していることを認めた。これはロ−マと比べると約2倍の発生率である。周辺住民は「エレクトロスモッグ」とがんの多さが関係しているのではと心配している。

☆基準の3倍もオ−バ−
 3月16日の英BBCによれば、ラジオ塔近くの放射線(電磁波)レベルは、電界強度18V/m(電力密度85μW/cm2)でイタリアの基準値6V/m(ラジオ波基準)を超える。
 バチカン(教皇庁)は、ロ−マ法王のメッセ−ジを全世界35ヵ国に放送するため12本の放送アンテナを持っている。しかしイタリアの基準値に縛られない。なぜならば放送塔はバチカン市国の領土内にありイタリア国ではない、と教皇庁は強く主張している。

☆環境大臣は教皇庁に反論
 ウィラ−・ボ−ドン(Willer Bordon)環境大臣はこの教皇庁の主張をはねつけた。「もし、誰かが大使館の窓から物を投げたら(たとえば冷蔵庫を)、下の人を守るためにあらゆることをするのは当たり前であろう。」と大臣はロイタ−に語った。
 現在、告訴はペンディングとなっているが、環境省は場合によってはラジオ塔への給電を止めると脅している。


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