海外情報
(抄訳 TOKAI)
マイクロウェ-ブ・ニュ-ス2001年3〜4月号より
☆5歳以下の子どもがリスク高い
『国際がんジャ−ナル』(International Journal of Cancer)3月1日号でドイツのマインツ(Mainz)大学とブラウンシュバイヒ(Braunschweig)工科大学の両大学研究者による新研究が発表された。
共同執筆者のヨアヒム・シュ−ツ(Joachim Schuz)は「小児白血病と磁場の関係は24時間の平均磁場被曝では弱いが夜間の被曝だとより関係が出る」と書いている。それによると、リスクは5歳以下の子どもで最も高かった。シュ−ツは「私たちの今回の研究は一般的にアンダ−ス・ア−ルボム博士研究チ−ムとサンダ−・クリ−ンランド博士研究チ−ムによる最近の二つの分析の結果とよく似ている」と語った。
☆夜だと有意で2mG以上で約3倍
24時間、2mG(0.2μT)以上の磁場を被曝した子どもの白血病オッズ比(OR)は1.55で、4mG以上だとオッズ比は5.81である。ただし、統計的には有意ではない。しかし夜の10時から朝6時までの平均被曝は同じく白血病オッズ比で、2mG以上で3.21、4mG以上で5.53でどちらも有意だ。
☆4歳以下ではさらにリスク高い
4歳以下に限った場合は、2mG以上で夜の被曝オッズ比4.48で、4mG以上で同じく夜だと14.9に跳ね上がる。しかもともに有意だ。
過去にNCI(米国立がん研究所)が夜に磁場被曝を調査し「小児白血病は夜だとわずかリスク高くなる」としている。
シュ−ツは「比較的低い参加率と磁場被曝と症状の間に長い間隔がある」ことが今回の研究結果に多少影響すると戒めている。ドイツで2mG以上被曝する子どもの数は米国の1/5だが、不必要な被曝は減らせ、と用心を勧めている。