米、アフガン空爆開始の日に
なぜ
石川逸子
なぜ わたしたちを攻めにくるの
幾たびも「文明国」の軍隊に荒らされ
ずたずたになったわたしたちのところへ
異国の軍隊の侵入に
幾たびも鍬を捨て 銃を握らねばならなかった
わたしの国の 男たち
あなたたち「文明国」はただ覇権のために
わたしたちを取りこみ たがいに戦わせ
今また 爆撃してくるという
金持ちは逃げていくこともできる
このけわしい山野から出るすべもない
わたしたちはどうしたらいい
テロをいいこととも思わない
でも こんな貧しい土地に攻めてくる「文明国」が憎い
わたしたちは この土地から出たこともなく
生涯 つつましく 畑を耕し
ただ 日々のたつきを得たい
子どもたちが無事に生きていてほしい
そう願うだけなのに
「正義」と「自由」のためといって
きっと星条旗が置いていくのは
おびただしい地雷と死骸 憎悪と飢えだけ
その尻馬に乗ってなぜニッポンまで
軍用機を飛ばしてやってくるの
なぜ わたしたちを攻めにこようとするの
2001年10月8日