10月29日午後一時過ぎ、参議院は「参戦法」(「テロ特措法」「改正自衛隊法」「改正海上保安庁法」)をあっさりと可決、成立させてしまいました。このような重要な法案が何の波乱もなく、わずか3〜4週間で「予定通り」成立するところに、わが国が陥っている政治状況のかつてない深刻さがあります。今朝からアメリカは空爆地域を拡大し、アフガニスタンでは民衆の頭の上に爆弾の雨が降り注いでいました。戦火を逃れて難民がパキスタン国境に押し寄せる一方、難民になる金も力もない最貧の人々は市街を逃げまどい、家を焼かれ、多くの犠牲者が出ています。そのようなさなかに成立したのです。
病院、モスク・寺院、バザール、バス、民家、国連機関事務所、国際赤十字倉庫等々が爆撃され、現在ではすでに1000人を超える市民が犠牲になっているといわれています。これはもう誤爆ではありません。無差別殺戮です。アフガニスタンの民衆は、成立した法律が自分たちを援助するものではなく、アメリカの侵略を援助するものだということを信じられるでしょうか。GDP世界第一位と世界第二位の国が結託して、最貧国に襲いかかるということを想像できるでしょうか。民衆そっちのけで「タリバン後」が語られています。私たちはこのような暴挙を絶対に許すことはできません。
平和憲法を蹂躙する「テロ特措法」
戦時下において戦地に自衛隊の派遣を可能とする法律は戦後初めてです。世界の平和を愛する人々から賞賛される日本国憲法のどの条文が、1万キロも離れた国の国民に銃口を向ける権利、飢餓や貧困で打ちひしがれる国民に対して援助を与えるのではなくて、制裁を加え爆弾の雨を降らせ絶望に追いやる権利、アメリカがほとんど地球の裏側でする戦争に日本が加担し参戦する権利、物資や弾薬を運ぶ権利を認めていると言うのでしょうか。これがなぜ「国際社会で名誉ある地位」なのでしょうか。名誉ある地位とは「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利」を守ることです。それは報復戦争に徹底して反対すること以外ではありえません。
小泉首相は、薄ら笑いを浮かべながら、ちぐはぐな答弁を繰り返し、「答えに窮しちゃう」「憲法ではなく常識だ」と、まともな憲法論議を一切していません。「靖国参拝」も、「つくる会」教科書も小泉首相が常識と考えたものは、国民によって手厳しい判断を下されたはずです。「戦争放棄」、「戦力の不保持」が日本国憲法の常識です。
参戦法の発動を許すな
参戦法が発動され、自衛隊が現地に派遺されるというような事態を阻止するために一人でも多くの人が声をあげなければなりません。私達が「侵略国家」の一員となってしまうことを絶対に防がなければなりません。是非署名にご協力下さい。
2001年10月29日
アメリカの「報復戦争」と日本の参戦に反対する署名運動 事務局
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