私たちは国際的な反戦平和運動の呼び掛けに応え、10月6日午前中、街頭での対イラク戦争反対のビラまき・メッセージカードキャンペーン、署名活動を行い、午後「10.7一周年 ブッシュの対イラク戦争に反対する大阪集会」を開催しました。 東京では10月7日に、「ピース・ニュース」や「基地はいらない!女たちの全国ネット」の方たちが、米大使館前で抗議行動を行いました。最後にブッシュ宛ての抗議文や要請文とともに、3820名分の署名を大使館に提出しました。 10月8日、大阪でも午後3時から在大阪アメリカ領事館に対して署名の提出行動を行いました。当日、デモで押しかけてと言うわけにはいきませんでしたが、3609名分のブッシュ大統領宛署名と10月6日の集会で採択された「対イラク戦争の中止を求める要請文」を提出しました。 なお、残りの2000名の署名は沖縄の領事館に提出の予定です。
10/6 梅田でのビラまき、署名行動
10/7 東京米大使館前の抗議行動
アメリカがアフガニスタンへの無法な爆撃を開始した日を翌日に迎える10月6日、大阪で70名の参加を得て、署名事務局主催の上記集会が開催されました。午前中、梅田、天王寺、京橋での対イラク戦争反対のビラまきを終えた後、参加された人もありました。 ブッシュ米大統領はアフガン攻撃1周年にあたる7日、またまた新たな侵略戦争を、何が何でも行う決意を全国民の前に表明すると伝えられています。事態は切迫しています。イラク侵略は早ければ11月末とも言われています。今集会はそうしたブッシュの強行姿勢に立ち向かう反対運動準備の一環でもありました。 経済制裁下で死にゆくイラクの赤ん坊、韓国で米軍に轢殺された女子中学生、イギリス、ハイド・パークで気勢をあげる人々、といった、あるいは衝撃的なあるいは勇気づけられる映像の数々――集会は、パソコンによるプレゼンテーションを駆使した説得力に満ちたものとなりました。以下、盛り沢山な集会の構成を次の6点に分けて報告します。 (1) ビデオ『劣化ウラン』上映――イラク人民とりわけ子どもたち、米軍人に不治の病を押しつけた「核兵器」 アメリカは先のイラクとの戦争、すなわち湾岸戦争ですでに如何に犯罪的な戦争を行っていたか。それを知ることは今準備されている戦争の犯罪性を別の角度から暴露することでもあります。その一つは「劣化ウラン弾」を途方もない量使用し、未曾有の被害、遺伝的に深刻な被害を、イラク南部の人民そして自国兵士にも与えたことです。ビデオの大部分は米退役軍人(従軍看護士)の証言でつづられています。彼女の体にも黒い斑点、言語への障害など劣化ウランの影響があらわれています。そして何より衝撃を受けるのは先天性の欠損症を持って生まれたイラクの子どもたち、それに米退役軍人の子どもたちの姿です。彼らの痛ましさを、何としても来る対イラク戦争不戦の誓いとせねばなりません。ビデオ上映に続き、基調報告が行われました。 (2) 基調報告――査察妨害と決議ごり押しで戦争の強行目論むブッシュ・ブレア、途方もない犠牲を予測させるバクダッド市街戦 報告の前半では、イラクが国連の無条件査察を受け入れ、国連とイラクの査察の調整が進んでいる下で、何が何でもイラクへの攻撃を目論む米英の動きが暴露されました。米英は査察妨害と強行決議をごり押ししています。米英の決議草案はイラク政府が最初の要求段階で拒否したり、30日以内の情報提供を遵守しなかった場合、「必要なあらゆる措置を取る」と武力行使を容認しています。またイラク当局の意向を超えて査察を実行できるよう、査察官に大きな権限を持たせ、軍部隊か武装警護を同行させるというきわめて挑発的なものです。草案に対して今のところフランスとロシアは反発し、反対していますが、10/7のブッシュ演説次第では態度が変わる可能性は十分あります。既に湾岸への兵力集中が進み、年内攻撃の可能性も否定できません。 後半ではプレゼンを十分に活用し、イラン侵攻が大規模な市街戦となり、膨大な犠牲者が予測されるという戦争の性格を暴露することによって、反対の決意を固める試みが行われました。すでに実質的な空爆が行われていること、また10年にわたる経済制裁が湾岸戦争の被害をはるかに上回る規模でイラク人民、とりわけイラクの子どもたちに犠牲を強いていることも暴露されました。そんな疲弊したイラクに米英は再び襲いかかろうとしているのです。ブッシュはどうしてそこまで執拗に戦争を追求しようとするのか。その衝動力の源泉が次の報告で暴露されました。 (3) 報告『ブッシュの戦争で誰がもうけるのか――「ブッシュ政権と兵器ロビー」』――石油・兵器産業幹部が占める政権による、自己の権益・利潤のための戦争を暴露 最初に署名事務局発行予定の冊子『ブッシュ政権と兵器ロビー――先制核攻撃戦略と核・軍産複合体の復活――』の中の主要掲載翻訳論文『回れ右:20年間にわたる米核政策のブッシュ政権による根本的転換、そこにおける兵器ロビーの役割』の紹介を通して、ブッシュ政権のイラク攻撃への固執と異常なまでの侵略欲を理解する一助となる素材が提供されました。またこの論文はブッシュ政権の全体像、カネの流れを明らかにしているものだとの説明がなされました。 ブッシュの核戦略は「核兵器を最終手段の兵器としてのカテゴリーに格下げしてきたほぼ二十年間にわたる長期の流れを反転させる」ものであること、「エネルギー産業と結びつく21年と比較して32人の主要な政策決定者が、政権に加わる前に兵器産業との重大な金銭的結びつきを持っていること」、ブッシュ政権が「一部の強硬派保守派、「新保守主義者」のシンクタンク(特に安全保障政策センター(CSP)と全米公共政策研究所(NIPP))との強固な結びつきの上に形成されていること」、「CSPは、一貫して国際的な軍縮協定への反対とミサイル防衛の配備促進を訴えてきた」こと、NIPPは1980年の設立以来、核戦争を遂行し勝利することを目指した政策提言を行」っていること、等が明らかにされました。 次に、対イラク戦争が兵器産業幹部のための戦争であると同時に、石油のための戦争であることが暴露されました。石油の再分割、すなわちロシア・フランスがアメリカから取った石油権益を奪い返す戦争、それが今回の戦争準備を理解するカギだということです。 アメリカの権益を一方で確保してきた対イラク「経済制裁」はもはや破綻しました。アメリカのエネルギー危機は差し迫っています。石油の可採年数は7年とも言われています。アメリカは対外依存=湾岸依存を強めざるを得ません。そこでアメリカは石油を買わずに取りたい、文字通り略奪したいというのです。それも石油埋蔵量2位と称されるイラクの石油をです。ところがフセインはその権益をアメリカでなく、ロシア、フランスに与えています。イラクと周辺地域との貿易も活発になっています。このままイラクが自由な発展を遂げると、反米の大国が中東で力を持つことになってしまいます。それはアメリカにとってきわめて不都合なことです。だからといってイラクが親米になるとサウジが倒れかねません。石油を通じてドロドロした利権・権益関係にあるサウジとの関係を清算し、中東を何とかしたい、これがアメリカの戦争への衝動なのです。ブッシュによる対イラク戦争は、石油の権益を分捕るために計画された権益と利潤のための、本当に汚い戦争としか言いようがありません。 ブッシュのアメリカが世界中でいかに非道なことを行っているか、いかに嫌われているか、それはお隣の韓国ででも同様です。反米基地闘争を続ける梅香里を訪ね、また女子中学生轢殺事件糾弾闘争に身近に接してきた事務局員から特別報告を受けました。 (4) 特別報告『基地視察報告と9.14「追慕文化祭」』――韓国の反米反戦闘争の層の広さを実感 この報告はプレゼンを活用して参加者の視覚にも訴える効果的なものでした。報告者はまず追慕文化祭に参加して、その呼びかけのポスターが国中の至る所に貼ってあることに驚いたと言います。いかに運動が進んでいることか。女子中学生の悲惨な礫死体の写真が人々の怒りを掻き立てました。集会参加途中、駅で出くわした暴行米兵に対する民衆の糾弾行動、そして「追慕文化祭」の盛り上がり、韓国有名歌手たちの参加と若者たちの集合、深夜にわたる集会と労働者たちの結集、そのすべてが韓国の運動の層の広さ、厚さを示しています。それは95年10月の沖縄集会を想起させたそうです。 韓国では通告も何もなく普通の道を米軍車輌が行き交っています。そんな中、中学生たちは災厄に見舞われたのでした。梅香里では15分のうちに10回も爆弾を投下する訓練が行われています。1日に実に600発。住宅密集地に近い小島に爆弾が打ち込まれ水煙が上がっている写真は衝撃的なものでした。反米反基地を闘う韓国そして沖縄の運動との連帯闘争は11月の「満月まつり」に引き継がれていきます。 以上の報告を受けた後討論に入りました。討論は今後、いかに運動を進め広げていくかという関心から行われました。 (5) 運動を作るための討論――新たなパネル作成など様々な方法・手段で、欧米の反戦運動、国内の諸運動と連帯して闘おう ここでは運動を進めるための様々な討論がなされました。劣化ウランや経済制裁、湾岸戦争の犠牲を映像で訴え、戦争が起こった時の被害の大きさを暴くためのパネル展運動を進めること。イギリスで40万人、ローマで10万人、また全米各地でイラク戦争反対の運動が高揚していることの映像を交えた報告。10月26日には米国のANSWERが、10月31日には英国の「ストップ戦争連合」が「街を止めよ!戦争を止めよ!抵抗デー」の呼びかけを発していること、等々。また様々な団体からの共に闘おうとのメッセージも紹介されました。ことにNION(NOT IN OUR NAME)からメッセージが寄せられたのは特筆すべきでしょう。集会は最後にパレスチナ連帯およびブッシュ大統領向け署名と共に米国総領事館に届ける「対イラク戦争の中止を求める要請文」を採択しました。 (6) 集会決議採択――シャロンはイスラエル軍を完全撤退させよ。アメリカは対イラク戦争を中止せよ。パレスチナ連帯と対イラク戦争反対を結合して闘おう。対イラク戦争の中止を求める。 9月21日深夜、夜間の外出禁止令を破ってパレスチナ全域で街頭行動が繰り広げられました。27日、28日のインティファーダ2周年には対イラク攻撃反対のスローガンが高々と掲げられました。パレスチナは今きわめて厳しい状況に置かれています。例えばナブルスでは6ヶ月で外出禁止令が解かれたのはわずか80時間だと言われています。そんな中でもパレスチナ人民は対イスラエルの闘いを継続しているのです。イスラエルがこれほど居座り続けられるのはアメリカの庇護と援助があるからに他なりません。 今や対イラク戦争反対とパレスチナに自由を、のスローガンは世界の反戦運動の合言葉になりつつあります。私たちもそうした問題意識から「シャロン政権は国連安保理決議を遵守しイスラエル軍を完全撤退させよ!」との特別決議を満場の拍手で確認しました。 私たちは10月8日にこれまで集めた対ブッシュ向けの署名をアメリカ領事館に提出する予定です。提出行動は東京、沖縄でも同時に行われており、私たちはこれを国際的な反戦行動の一環とも位置づけています。したがって領事館行動に携行する「対イラク戦争の中止を求める要請文」を同時に採択しました。この文は以下のことをアメリカ政府に要求しています。すなわち、@何よりもただやりたいだけの、国際法違反の対イラク戦争をやめること。A戦争開始の口実作りのための「国連安保理決議」を取り止めること。Bイラクへの爆撃を即刻中止すること。イラク周辺諸国への軍隊の集結、作戦司令部の移転、軍事物資の集積等、戦争準備を即刻止めること。C継続された戦争である「経済制裁」を直ちに解除すること。 集会は特別決議と要請文を採択し、満場の拍手のうちに幕を閉じました。
2002年10月6日
問題意識 発行予定の冊子『ブッシュ政権と兵器ロビー −先制核攻撃戦略と核・軍産複合体の復活−』の中の主要掲載論文『回れ右:20年間にわたる米各政策のブッシュ政権による根本的転換、そこにおける兵器ロビーの役割』の紹介を通して、ブッシュ政権のイラク攻撃への固執と異常なまでの侵略欲を理解する一助となる素材を提供したい。キーワードは、ブッシュ政権を取り巻く人脈と核・兵器複合体との癒着・融合。 1.ブッシュの新たな核戦略−先制核攻撃戦略 ・ロサンゼルス・タイムズ3月10日の論説において、ペンタゴンの秘密核戦略態勢についての初めての詳細な公の分析を提供した軍事専門家ウィリアム・M・アーキンは、ブッシュの新たな政策を次のように要約した。「核戦争に関する、統合され著しく拡大された計画中のドクトリン」を練り上げることによって、「核兵器を最終手段の兵器としてのカテゴリーに格下げしてきたほぼ二十年間にわたる長期の流れを反転させる」ものであると。(第一章) 1−1 先制核攻撃を含むブッシュの核戦略の転換 (核態勢見直し報告(以下NPR)の危険内容) 1. 核攻撃対象リストの拡大:ペンタゴンは、広範な仮想敵国に対して核兵器を使用するための「不測の事態対策計画」の策定を指示された。それは、その対象国が核兵器を保有しているか否かにかかわりないのである。新たな核攻撃対象リストには、中国、イラン、イラク、リビア、北朝鮮、ロシア、シリアが含まれている。 2. 核使用の敷居の引き下げ:核兵器の使用が考慮される状況は、米の国家存亡に脅威を与える事態を越えて拡大されて、化学・生物兵器の使用に対する報復、イラクのイスラエルあるいは近隣諸国への攻撃、台湾をめぐる軍事紛争、北朝鮮による韓国攻撃、あるいは単に「突然の軍事的新事態」への対応のようなものまでを含むものとなった。 3. 「より使いやすい」核兵器の開発:堅固な地下掩蔽壕のような「非核攻撃に耐える能力を有する標的」に対して使用するための新たな低出力核兵器の開発を、この見直し報告は支持している。報告が発表されて以来、ペンタゴン防衛科学委員会(Defense Science Board)は核弾頭を備えたミサイル防衛迎撃体開発の可能性を研究することになると公表した。 1−2 核戦略転換の具体的内容 「旧い」三本柱は、核先制第一攻撃に対する米軍の脆弱性を小さくする手段として冷戦期に開発されたもので、地上、海上、空中発射の核兵器運搬手段を組み合わせたものであった。すでに述べたように、新たな三本柱は、1)攻撃的一撃システム(核ならびに通常兵器による)、2)戦略防衛、3)再生された防衛インフラ、を含んでいる。三本柱のおのおのの構成要素は、兵器研究、製造、インフラへの莫大な新規の投資を必然的にともなうのである。 2.すでに巨額の予算が新たな三本柱に投入されている。 ・ペンタゴンは、おそらく2004−2008年の間に少なくとも330億ドルの追加的な支出を行うとともに、さらに新たな三本柱に関連したプロジェクトのために2002年および2003年の予算に83億ドルをすでに追加したと見積もられる。(第二章) 2−1 攻撃的一撃へ投入された予算 ・ペンタゴンはすでに、2002会計年度と2003会計年度だけで、新たな三本柱の攻撃的一撃の要素に対して31億ドル以上を割り当てた。 ・2004−2008年までの期間における長距離攻撃システムへの支出は、少なくとも800億ドルにも達するであろう。これらのうちで最も大きな支出が振り向けられているのは、トライデントUミサイルの追加(30億ドル)、トマホーク巡航ミサイルを搭載するためのトライデント潜水艦改修(30億ドル)、改修した潜水艦に装備する約450発の追加された巡航ミサイルに12億ドル、そしてそれぞれ2億5000万ドルにもなるさらなる新型空対地長射程巡航ミサイル(JASSM)、新型GPS誘導爆弾(SDB)、無人戦闘機(総計7億5000万ドル)である。 2−2 ミサイル防衛システムへ投入された予算 ・2002年度と2003年度の追加的なミサイル防衛システムへの支出総額は59億ドルとなるであろう。 2−3 防衛インフラに投入された予算 ・2003年度予算を基にした核兵器関連事業に関するおおまかな見積もりが示唆しているのは、ブッシュ政権が2003年度予算に、核兵器の開発、実験のための約3億ドルの支出を増加しており、2004−2008年を通して恐らく60億ドルの追加的支出となるであろう、とういことである。 3.ブッシュ政権における核・軍産複合体との癒着、融合の実態 3−1 兵器産業との人的結合(第三章) ・ブッシュにおいて重要な役職に任命された人々に対するワールド・ポリシー研究所の調査結果は、エネルギー産業と結びつく21人と比較して32人の主要な政策決定者が、政権に加わる前に兵器産業との重大な金銭的結びつきを持っていることを明らかにしている。 ・ブッシュの核政策遂行から利益を受けるであろう企業は、かつての幹部、コンサルタント、株主の多くが、核兵器とミサイル防衛政策を実行する重要な役職につくという形で、政権内部と特に深く結びついている。 ・ロッキード・マーチン社。他のどの米兵器企業と比べてもこの企業は、核兵器とミサイル防衛事業により大きな利害を持っている。米最大の防衛契約企業にふさわしく――2000会計年度と2001会計年度において、トータルで約300億ドルに相当するペンタゴンとの主要な契約を含め――ロッキード・マーチン社もまた他の米兵器製造企業以上にブッシュ政権との深いつながりを持っている。総計で8人もの現役政策立案者が、政権に参画する以前にこの企業と直接あるいは間接的なつながりを持っていた。この企業と間接的なつながりを持つ高官たちの中には、副大統領ディック・チェイニーもいる。彼の妻であるリーネ・チェイニーは1994年から2001年1月までロッキード・マーチン社の役員として勤めており、重役としての報酬とは別の形で、50万ドル以上を蓄積したとみられる。また国家安全保障問題担当次席補佐官スティーブン・ハドレーもその中に含まれる。彼は、(他の巨大な企業取引先とともに)ロッキード・マーチン社の代理を務める最強チームであるDC法律事務所シェア・アンド・ガードナーで働いていた。 3−2 核兵器複合体における人的結合 ・三つの国立核兵器研究所−ロス・アラモス、リバモア、サンディア国立研究所−は、米の核兵器プログラムの継続、拡大を目指した既存のロビー活動者として歴史的にも立ち振る舞ってきた。三つの研究所は、2003会計年度の連邦予算の中から兵器開発として合わせて約33億ドル(ロス・アラモス:12億ドル、サンディア:11億ドル、リバモア:9億4300万ドル)を受け取る予定である。1950年代のエドワード・テラーが提唱した1950年代の水爆、1980年代のスターウォーズの推進から始まり、1999年秋の包括的核実験禁止条約(CTBT)を批准しないとの上院決定に先立ちこの条約に疑問を投げかけた研究所の人々の役割に至るまで、核兵器研究所は、組織としての要求されている規模を越える大きな政治的、政策的影響力をしばしば保持してきた。さらに最近では、核兵器研究所とかつて所属した職員たちは次の大きな問題に焦点を当てている。 1)核兵器複合体の広範囲にわたる近代化と拡大の促進 2)新しいだけでなく、それ以上に「より使いやすい」核兵器の構想と設計 これの両課題は、ブッシュ政権のNPRの中に盛り込まれている。 4.「新保守主義」シンクタンクとの結びつき ・ この強硬派の保守的なネットワーク−−CSPやNIPPのような企業によって支援されたシンクタンクをぐるぐると循環している−−は、最近顕著になったジョージ・W・ブッシュ政権内に対する影響力をともなって、再び姿を現わした。安全保障政策センターは、ミサイル防衛に関するブッシュ政権の政策の形成過程で顕著な役割を果たした。(第四章) ・ ブッシュ政権は、一部の強硬派保守派、「新保守主義者」のシンクタンク(特に安全保障政策センター(CSP)と全米公共政策研究所(NIPP))と強固な結びつきの上に形成されている。例えば政権とCSPの密接なつながりは極めて深く、ブッシュ政権内の重要な地位を占めるCSP関係者は22人にものぼる。国防政策、安全保障政策、国防科学委員会、政権内の様々な部門に関係者を持っているばかりではなく、国防長官ラムズフェルド自身、CSPと古くからつながりを持つ最有力の人物である。ブッシュ政権のNPRは、これらのシンクタンクの意見が随所に反映されている。1988年の設立以来CSPは、一貫して国際的な軍縮協定への反対とミサイル防衛の配備促進を訴えてきた。その成果としてCSPは、ABM条約の破棄、核拡散防止条約の骨抜き、新たな多層防衛システム開発の促進へと、自らの政策を着実に反映させてきた。CSPとそのネットワークは、富裕な保守的な個人層のみならず、巨大軍需産業からの莫大な献金を受け取っているのは当然のことである。もう一つの有力シンクタンクNIPPは1980年の設立以来、核戦争を遂行し勝利することを目指した政策提言を行い、そして今日では柔軟核戦略の主要な提唱者となっている。使用可能な核兵器の開発に向けた動きには、NIPPの存在が大きな影響力を及ぼしているのである。このように「イデオロギー的に駆り立てられたネットワーク」が軍産複合体と結びつき、米核政策の策定に支配的な役割を担っている。 5.結論 ・ハートゥング氏は、政権内部のこのような実態を踏まえ、次の言葉で最後を締めくくっている。「政策決定者のトップの大多数が長年にわたり、ミサイル防衛"盾"と新世代の核兵器開発から利益を得るであろう企業と結び付いているとするならば、誰が公益を代表するであろうか」。そして論文の要約とも言える別の論説でズバリ言う。「要するに、核兵器産業はブッシュ政権に対してロビー活動をする必要がないのである。つまり、かなり重大な程度にまで、彼らはブッシュ政権そのものなのである。」
全国各地で運動を闘っている方々や団体から熱い連帯のメッセージを頂きました。10/6の行動などを呼び掛け、全米で反戦運動を展開しているNot In Our Nameからも力強いメッセージが送られてきました。 苦しい、苦しいと叫んでいる人たちが世界中にあふれ、 それを何とかしたいと頑張ってきたはずの私の心も 気がつけば苦しい、苦しいと叫んでいます。 自らの内面に平和を!その波動をたくさんの人に届けられますように・・・ 連帯のアピールに代えて・・・沖縄タイムス01年11月22日の記事より $権力は常に弱者の犠牲の上に 権力は常に弱者の犠牲の上にあります。ゆえに多くの人々が苦しみの中にあるのです。アフガニスタンでは、冬の訪れとともに、家も食料もない何百万人もの人々が、寒さと飢えで死に追いやられる危機的な状況にあると聞いています。このような戦争の犠牲者に対し、テロ事件の報復攻撃だ、正義の戦いだと声高に叫びながら武力攻撃を続けているアメリカは、まさに権力そのものでしょう。それに追従する日本も、世界中の富をむさぼろうとする病んだ国のようです。 ゆえに、国家・民族の違いを超え、新しい出会いと民衆の交流を広げていくことが、戦争をなくし、命輝く未来を創造するカギとなっているのです。 「満月まつり」は、遠く海を隔てていても世界中で仰ぎ見る月はひとつ、「照り輝く満月を接点にすれば、共に平和を祈り、歌い踊る祭りが同時開催できる」との思いで、1999年12月23日、133年に1度の大接近だった神々しい満月の祝福を受けて沖縄、韓国・日本各地でスタートしました。 沖縄では、海上軍事基地が建設されようとしている名護市東海岸にある「瀬嵩ヌ浜」で開催され、県内外のプロ・アマなどたくさんのミュージシャンが参加しました。会場には、農作物や手作りのマーサムンがならび、若者のダンス、タライを頭に載せた一人芝居、そして、地元の神人による祈りも捧げられました。満月のエネルギーを受けて、自然とともに、喜びとともにあるとき人は解放されるのだということを実感した夜でした。 2001年4月の3回目で、中国、フィリピン、ハワイにも広がり開催地が60ヶ所を超えました。満月の下に集い、歌い踊りながら平和を祈るまつりは、人々の心の奥底に眠っていた「マブイ」を呼び覚ましたのでしょう。会場に集うみんなが共鳴したその「何か」こそ、自然への畏敬の念であり、命どぅ宝、人間の尊厳、愛する心だったのではないでしょうか。祈りは、宗教や迷信にかかわりなく、私たちが日常生活の中で、平等を願い、平和・人権・環境の問題を強く意識し生きていくという点において重要なのです。小さな事のようですが、大きな違いを生む大切な要因だと思っています。 そして、もっと大切なことは、自分にできる行動を起こすことでしょう。「心に届け女たちの声ネットワーク」では、全国の友人たちと、「アメリカの『報復戦争』と日本の参戦に反対する」署名運動を展開しています。10月16日には、参戦法案成立に危機感を募らせ少しでも歯止めをかけたいという一心で、緊急国会請願行動を行いました。 国会内の緊迫した情勢の中、女性議員の呼びかけによる超党派の院内集会があり、私たちが呼びかけた議員会館内での緊急集会にも土井たか子党首をはじめ6人の議員を含めた70人の参加がありました。参議院議長あてに請願署名提出行動後、デモ行進を行いましたが、あまりの暴挙に怒りと無力感を感じずにはいられませんでした。 それでも、アフガンの人々へ思いをはせた時、命が大切にされる真に平和な社会の実現を目指して、ひやみかちうきりです。 高江洲あやの
10・6集会にご参加のみなさま方へ
昨年の10月7日にアメリカ合衆国がアフガニスタンへ、9・11のテロ報復攻撃を開始して1年を迎えます。私たち平和を願うものたちにとって、何と重い1年だったことでしょう。 外では、相変わらずアフガニスタンへの武力攻撃が続けられ、アメリカに後押しされたイスラエルによるパレスチナへの武力による侵略攻撃は甚だしく、ミンダナオ島ではフィリピン政府によって受け入れられた米軍によって、かの地の民衆は見境ない米軍の武力制圧に身を晒されています。 内では、テロ特措法が成立され、先の国会で継続審議となった有事法制3法案や個人情報保護法案が、10月中旬から始まる臨時国会でまた出されようとしています。海上自衛隊は、インド洋に継続して出かけていますし、日本の各海域で頻繁に実弾射撃演習が繰り返されています。沖縄や本土の米軍基地は、米軍の武力攻撃の発進基地となっています。私たちの憲法が、まさに生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされています。 私たちは、なんとしても有事法制3法案や個人情報保護法案の廃案を目指し、アメリカの武力覇権主義をやめさせ、イスラエルに武力侵略をやめさせ、平和な21世紀の社会造りを目指していくために、知恵を出し合い、連帯していきましょう! 平和を願って参加された皆様方、そして主催者の方々に敬意を表し、連帯のメッセージをお送り致します。 2002年10月6日
基地はいらない!女たちの全国ネット
加藤賀津子 「10.7一周年 ブッシュの対イラク戦争に反対する大阪集会」への連帯メッセージ 集会参加のみなさんへ 7月11日、私たち253人の原告は、テロ対策特別措置法とこれに基づく海外派兵は憲法違反であると、国を相手にしてさいたま地方裁判所に訴えを起こしました。 日本は平和憲法があるゆえに、戦後50数年の間、国家の名において他国の人を殺すことはありませんでした。しかし、昨年10月5日、小泉内閣は憲法の根幹をゆるがすテロ特措法案を国会に上程、与党の数に物言わせ、10月29日にはいとも簡単に成立をさせました。その間、9・11事件が発生した原因究明、憲法に基づいた対応措置はなおざりにし、憲法論議は「常識論議」でごまかし、従来の政府見解も踏み越えて成立させると、11月20日、自衛隊を遠くインド洋・ペルシャ湾に派兵し、アメリカ主導の戦争に加担しました。 アフガンでは最先端技術を駆使する米軍等の猛空爆により、何の罪もない子ども、民衆が9・11の同時多発テロ犠牲者よりはるかに多数殺戮されており、日本がそれに支援協力していることに、いたたまれぬ思いです。 さらにアメリカは、「対イラク戦争」を起こそうとしており、小泉内閣はそれを視野に入れた新たな支援策が必要になると見て「第2のテロ特措法」を検討中と新聞は報じています(9月9日、朝日紙)。一方、国内の有事体制づくりも着々と進めようとしており、これを合わせ考えるとこのまま日本がアメリカに全面同調して、平和憲法にまったく逆行する道を突き進んでいくことを、どうしても阻まねばならないと考えます。 今このような危機感から、平和憲法の立場に立つさまざまな運動が行われていますが、私たちはこの事態に対し、司法権から歯止めをかけさせるべく、提訴いたしました。もちろん、法廷内のたたかいとその勝敗だけを問題にしているのではありません。有事法案を廃案にする運動をはじめ、さまざまな市民運動の中にこの訴訟を位置づけ、この訴訟を意義あらしめるものにしたいと思っています。どうぞ皆さん、ご参加・ご協力くださいますようお願い申し上げます。 様々なアプローチはあっても、ブッシュの戦争政策とそれに加担している小泉政権の好戦姿勢、憲法違反を止めさせる共同の闘いを大きく発展させて行きましょう。 2002年10月5日
テロ特措法・自衛隊海外派兵は違憲市民訴訟の会 第1回口頭弁論を前に、大集会! 「アフガン参戦、有事法制、イラク攻撃を考える」 日時:10/20(日)14:00〜16:30(開場:13:30) 会場:埼玉会館2階ラウンジ室(JR浦和駅西口下車5分) 内容:T部 報告(弁護団、原告代表等) U部 山内敏弘氏(一橋大学教授)講演会 第1回口頭弁論、決定! ぜひ傍聴に来てください! 日時:10/30(水)16:00〜 会場:さいたま地裁第4民事部法廷 アメリカが壊そうとしているのは、イラクのフセイン政権だけではないように思います。攻撃される「おそれ」があれば先制攻撃が許されるという論理によって、国際法の秩序そのものを壊すことにあるように思います。 アフガンでは、「テロ」という刑事犯罪に対して「戦争」で応えるという国際秩序破戒をすでに行いましたが、イラク攻撃によってアメリカは、戦争への反省の上に築きあげてきた戦後の世界秩序の根幹そのものを壊そうとしています。 その結果は、罪もないイラク市民に降り注ぐ空爆や地上戦の嵐であり、その陰で喜ぶのは、アメリカの武器商人たちと石油資本たちです。アメリカが「ならずもの国家」として世界に君臨することの始まりです。 民衆が、これ以上無残な死を体験しないために、アメリカの不条理な支配を世界の人々とともに許さないために、イラク戦争に反対します。 上杉 聰 ブッシュの対イラク戦争に反対する大阪集会」に連帯するメッセージ 「ブッシュの対イラク戦争に反対する大阪集会」に参加された全ての皆様に、東京・神奈川で活動するピース・ニュースの仲間から固い連帯のメッセージを送ります。 私たちは、本日、同時刻に、神奈川県でフィールドワークとイラク戦争反対の学習討論会を行っています。 フィールドワークは神奈川県寒川町にある旧日本軍の相模海軍工廠を訪ねるものです。相模海軍工廠は広島県大久野島にある旧陸軍の毒ガス工場と同様に、旧海軍の毒ガス工場が存在した場所です。私たちが、過去の日本の戦争犯罪や侵略戦争の実態を学ぶことにこだわるのは、今日の戦争を起こそうとする権力者のプロパガンダに徹底して闘う為に、なによりも歴史に学ぶことが大きいと考えるからです。 最近の国内マスコミの拉致問題をテコにした異様な反「北朝鮮」キャンペーン、9.11テロ以降のアメリカでの戦争拡大のキャンペーンなどを見ても、過去の戦争の歴史を踏まえた冷静で客観的な視点がいかに重要かを示しています。 ブッシュとブレアは、イラクと国連が合意した査察再開を強引にストップさせ、国連安保理へ新決議案を提出しました。ブッシュとブレアは是が非でも戦争を始めるための口実をつくるために国連決議を利用しようとしています。 アメリカ、イギリス、イタリアなどで、ブッシュとブレアのイラク戦争開始に反対する力強い運動が起こりつつあります。日本の反戦平和運動は、こうした世界の運動に連帯して、小泉にイラクへの戦争に反対し、戦争協力をさせない状況を作り出せるかどうかが問われています。 私たちは本日の学習会で、イラク戦争開始をストップさせるために、署名運動を軸にして、全力で闘って行くことを確認します。 明日10月7日には「基地はいらない女達の全国ネット」その他の仲間とともに、米大使館に署名提出行動も予定しています。 大阪の署名事務局を中心とする運動と連帯して、東京・神奈川でも、イラクをはじめとするアメリカの戦争拡大に反対し、日本の有事法制廃案に向け闘っていきます。 共にがんばりましょう。
2002年10月6日
ピース・ニュース アメリカによるアフガニスタンへの攻撃開始から、わずかに1年。今度は、何が何でもイラクへの攻撃を開始するつもりです。ブッシュ政権にとって、対イラク戦争を開始することができさえすれば、理由は「どうでもいい」ようです。そのことが余りにも明らかにも関わらず、小泉政権はブッシュの戦争政策について行こうとしています。 アフガニスタン空爆の時、戦争がどれほど無惨な死と悲惨な生活を人々に強要するのかを、私たちは垣間見ることができました。イラクの首都、バグダットには300万人の市民が生活しています。アメリカは、そこを爆弾で破壊し、市街戦にまで持ち込もうとしています。核兵器の使用まで想定していると聞きます。アメリカが爆弾を投げ込もうとしている、その下では、何百万人が生活しているのです。人々が働き、子どもたちが学校に通う日常生活があるのです。 何百万人の生活と命を奪い、罪もない子どもたちを無惨な死に追いやることを「是」とするほどの、「戦争目的」を語ることなどできないはずです。 アメリカによる対イラク戦争に、強く強く反対します。 「日の丸・君が代による人権侵害」市民オンブズパーソン事務局 井前弘幸
はじめまして。きくちゆみと申します。 違憲訴訟の原告の一人です。なかなか集会とかへは足を運べないのですが、メールで参加します。 10.7一周年 ブッシュの対イラク戦争に反対する大阪集会 へメッセージを送らせていただきます。集会の準備、大変だと思います。沢山の方が集まるといいですね。 10月はイラク攻撃を回避するための山場ですね。いろんな知恵を捻って、創造力と想像力を働かして、世界中の平和を願う人々とつながって、なんとか戦争を防ぎたいものです。 この地球上の誰の上にも爆弾が落ちることがないように、 この地球の誰もが飢え死にすることがないように、 この地球の多様な価値観が尊重されるように、 この地球の誰もが愛する人と共に生き、安心して眠れるように、 この地球の誰もが安全で、幸せで、健康で、平和であるように、 自分のできることを喜んでやります。 「地球は平和と愛の星」 きくちゆみ グローバルピースキャンペーン www.peace2001.org Thank you so very much - please at your rally, let people know there are many people in the U.S. opposed to what the U.S. government is doing in our name! Let us know how your rally goes Not In Our Name どうかあなた方の集会で、人々に知らせてください。 アメリカには、米政府が私たちの名において行っていることに反対する、多くの人々がいるということを。 アメリカ大統領 ジョージ W. ブッシュ 様 在大阪−神戸 米国総領事館 御中 イラクのフセイン政権は、9/16に「国連査察の無条件受け入れ」を声明しました。今回の受諾が、湾岸戦争停戦のためにイラクが受け入れた「国連安保理決議687」と98年の国連との「覚え書き」に基づくものである以上、アメリカは即時無条件に、かつ全面的に戦争準備を中止すべきです。 しかしアメリカは、あくまでイラクの「査察受け入れ」を無視しています。国内では、イラクへの武力決議を認める米上下両院決議を追求するとともに、国際的には、大義名分作りのための「国連安保理決議」への支持取り付けを関係諸国に強要しています。さらにこの中に「大量破壊兵器の査察」に必要もない「大統領関連施設査察」等をねじ込み、イラクがこの査察を拒否さえすれば、一気に軍事侵攻を開始する準備を整えています。しかも自分の思い通りの「国連決議」を通さなければ、面倒な手続きを抜きにして単独でイラク侵攻へと突き進むこともあり得ると言われています。ブッシュ大統領は、「査察によってイラクの核兵器と大量破壊兵器の開発をくい止める」ことに関心などなく、あくまでもフセイン大統領の暗殺と政権の打倒だけを追い求めているのです。 時を狙って9/20に“ブッシュドクトリン(国家安全保障戦略)”が発表されました。この中で、アメリカの国益を侵す恐れのある「敵(=イラク)」に対しては“先制攻撃”で、国家・個人を破壊・抹殺する意志を居丈高に打ちだしました。問答無用の、これほど傲慢な思い上がった態度の国家は他にはありません。 そもそも、あなたの国は何のためにイラクと戦争をするのですか? 約10,000km離れた国のイラクがアメリカに戦争を仕掛けてきたというのですか? あなたの国と比べて、人口で1/16の国、国土面積で1/22の国、GDPで1/75の国のイラクが、一体、あなたの国にどのような差し迫った脅威を与えてきたというのですか? また現在与えているというのでしょうか? あなたの国が今やろうとしている戦争は、石油略奪のための戦争であり、軍需産業の金儲けのための戦争に他なりません。こんな汚い戦争のために多くの人々の犠牲が払われることを私たちは黙って座視している訳にはいきません。事実に基づかない架空の脅威を煽り、繰り返すことによって、自国の軍事的支配を貫徹させようとするやり方をアメリカは止めるべきです。 私たちは、以下の理由でアメリカの対イラク戦争に断固反対します。 第1に、そもそも主権国家イラクの大統領を抹殺する何ら正当な論拠も権限もブッシュ大統領にはありません。アメリカとイギリスの持ち出した「イラクの大量破壊兵器開発の証拠」は何ら事実に基づくものではありません。一例を挙げるなら、元国連査察官であり米軍諜報部員でもあったスコット・リッター氏は、「我が政府は、真実と事実に基づく現実ではなくて、恐れと無知からイラクに対する戦争を始めようとしている。‥‥継続的な国連査察によって90〜95%のレベルで大量破壊兵器は武装解除されてきた。」と証言しました。にも関わらずアメリカにイラク侵攻の暴挙が許されるなら、アメリカの都合次第でいつでも世界中で戦争が起こせることになります。これは、二度の世界大戦のよる民衆の生命と流血の計り知れない犠牲の上に打ち立てられた今日の国際法と国際原則――「武力不行使」と「内政不干渉」を覆すことになり、平和への願いに真っ向から敵対するものです。20世紀初頭までの「帝国主義と植民地の時代」に時計を逆回しさせる行為に他なりません。 第2に、「国連安保理決議」と「国連査察」を自国の利害のために利用し、不当にも国連をスパイ活動の場にしたり戦争の口実ににするなど国連を侵略の道具にしてはなりません。このままでは唯一の超大国の力をかさに着た「国連の私物化」と指弾されても仕方がないのではありませんか。 第3に、万が一、イラクへの空爆のみならず地上戦となった場合、罪のない一般市民に想像を絶する被害を及ぼすことは必定です。すでにイラクの人々は、「国連査察」を受け入れてきたにもかかわらず「経済制裁」を91年の湾岸戦争以来10余年も強いられ、飢餓と貧困、衛生状態の極度の悪化、劣化ウラン弾による放射線被害等、戦争状態以上の悲惨な生活を人為的計画的に余儀なくさせられています。アメリカはこの責任ををどう考えているのですか。イラクの人々のこの絶望と苦悩をさらに倍増しようというのでしょうか。 20世紀は“戦争の世紀”でした。今世紀は平和、地球環境保護、人権と社会正義、貧困の根絶の希望の世紀として期待を込めてスタートしました。決して“新しい戦争の世紀”にしてはなりません。 以上より、10・7アフガニスタン爆撃開始一周年にあたり、「ブッシュの対イラク戦争に反対する大阪集会」参加者は、次のことを強くアメリカに要請します。 一、国際法と人道に反する対イラク戦争を止めること。 二、戦争開始の口実作りのための「国連安保理決議」を取り止めること。 三、イラクへの爆撃を即刻中止すること。イラク周辺諸国への兵員の集結、作戦司令部の移転、軍事物資の集積等、戦争準備を即刻止めること。 四、継続された戦争である「経済制裁」を直ちに解除すること。
以上 2002年10月6日 10・7 一周年 ブッシュの対イラク戦争に反対する大阪集会 参加者一同 [特別決議]
(1) イスラエル軍は9月18、19日の連続自爆テロを口実に、パレスチナ自治政府議長府を再び攻撃・破壊し、アラファト議長の殺害または追放を企てました。度重なる暴挙を私たちは断じて許すことができません。圧倒的な軍事力で全てを廃墟にするやり方、あたかも人間狩りを楽しむかのようなやり方に、全身がうち震えるような怒りを感じないではいられません。 (2) 9月24日の国連安全保障理事会決議は、イスラエルが2000年9月時点の位置まで軍を撤退させることを要求しています。イスラエルは安保理決議に従って即刻軍を撤退させるべきです。 イスラエル軍は国際的な圧力によって議長府の直接的封鎖を解除しましたが、わずか数十メートル後退しただけで軍事包囲をしたままです。西岸・ガザ地区を含むパレスチナ全域の軍事監獄的封鎖は続けられたままです。 西岸・ガザ地区では、食糧事情をはじめとする生活条件全般の悪化によって、特に子供たちの栄養事情が極度に悪化しています。小規模な軍事侵攻と殺戮が繰り返され、パレスチナ人活動家の暗殺作戦も続けられています。 私たちは要求します。イスラエルは西岸・ガザ地区の全域の軍事封鎖を解除せよ。パレスチナ人民の殺戮をやめよ。生活破壊をやめよ。パレスチナ自治区への一切の軍事行動を止めよ。そして全占領地から完全撤退せよ。 (3) シャロンの対パレスチナ全面戦争はブッシュの対イラク戦争と結び付こうとしています。シャロンは、対イラク攻撃を積極的に支持し煽ってきました。イラクからの攻撃に対しては必ず報復すると繰り返し言明し、迎撃ミサイルの配備を強化してきました。シャロンはイスラエル=イラク戦争、新たな中東戦争を勃発させようと目論んでいるのです。 イスラエルは核兵器使用の可能性も示唆しています。たとえ威嚇であっても核の脅迫は断じて許せないことです。私たちは、パレスチナ人民と連帯してシャロンの戦争拡大を断固阻止しなければなりません。 (4) ブッシュとシャロンの共謀は益々露骨になっています。今回の安保理決議でもアメリカは棄権しイスラエルを擁護しました。シャロンが安保理決議を無視し続けることができるのは米の支援があるからです。 ブッシュのイラク攻撃に邪魔になる。だたそれだけの理由で今回の議長府攻撃は中止されましたが、ここにも彼らの共謀は如実に示されています。 何よりも米は、イスラエルを軍事的経済的に支援し続けてきました。1970年代以来アメリカの対外援助の最大の受け手はイスラエルです。イスラエルのあの凶暴な軍事力は米によって作り出され維持されているのです。 「危険性」ではなく現に侵略と大量虐殺を行っている国、「可能性」ではなく現に200発もの大量破壊兵器=核兵器を持っている国、「疑惑」ではなく現に化学兵器を保有している国、そして、16回ではなく数え切れぬほど国連決議を破ってきた国。−−これは、今それを理由に粉砕されようとしている国、イラクではありません。イスラエルそのものなのです。 こんなバカなこと、こんな理不尽なことが許されてはなりません。このような侵略国家がなぜアメリカと西側諸国全体から庇護され好き放題を許されているのか。アメリカとイスラエル、ブッシュとシャロン、この2つは同じもの、同じ侵略国家以外の何物でもありません。 (5) パレスチナ人民による大衆的反撃が開始されています。西岸・ガザ地区全域のあらゆるパレスチナの都市、村、難民キャンプで、数千人から数百人の大衆的抗議デモが、外出禁止令を破って一斉に敢行されました。まさに命がけの闘いです。イスラエル軍の度重なる大規模侵攻に蹂躙されても、街を家を公共施設を破壊されても、無差別殺戮と大量拘束にさらされても、パレスチナ人民の独立国家獲得のための反占領闘争は屈しないことを改めて証明しました。 特に9月27、28日にはニュー・インティファーダ2周年の大衆行動が、パレスチナのあらゆる都市、村、難民キャンプで、イスラエル内で、アラブ諸国全域で行なわれ、イスラエル軍による議長府破壊攻撃に対する抗議、そしてアメリカによる対イラク戦争反対が結合されて闘われました。 (6) イスラエル国内でも素早い反撃が行われています。グッシュ・シャロムや女性連合をはじめとする先進的な反占領・平和運動が、パレスチナ人民の新たな闘いにいち早く呼応しました。9月22日にはテルアビブで国防省への抗議デモが行なわれ、24日にはナザレでイスラエル国内のパレスチナ人が大衆的に参加した抗議行動が行なわれました。その後も連続的にパレスチナ人民とイスラエル内の反占領・平和運動の連帯した抗議行動が行なわれています。 (7) 私たちは、切迫するブッシュの対イラク戦争を阻止する闘いを、パレスチナ人民の大衆的闘い、イスラエル内の反占領・平和運動に連帯する闘いと結合させて闘います。アラブ諸国民衆と全世界のパレスチナ連帯闘争および反戦平和運動に連帯して闘います。 パレスチナが占領から解放され自由が訪れるまで。 イラクと中東に平和が訪れるまで。 21世紀を戦争の世紀とするのではなく、平和の世紀とするために。
2002年10月6日
10・7 一周年 ブッシュの対イラク戦争に反対する大阪集会 参加者一同 |