5/23・24 有事法制を止めよう! 全国リレー国会行動 戦争を止めよう!平和を運ぼう!全国リレー行動 in東京 |
■ 5月23、24日の両日、2月から約4ヶ月にわたって全国各地で進めてきた「戦争を止めよう!平和を運ぼう!全国リレー行動」の大きな集中点として、「5/23・24有事法制を止めよう!
全国リレー国会行動」が行われました。2回の有事法制の継続審議を勝ち取った昨年と比べ、全国的な動員と大衆的な広がりはまだ発展途上という感じでしたが、しかし民主党の裏切りの直後であったこともあり、参加者はそれぞれの怒りを胸に結集しました。 ■ 2月2日東京での集会を皮切りに始まったこのリレー行動は、「イラク戦争止めよう」「有事法制を止めよう」を合い言葉に、全国各地の反戦、反基地、日韓連帯の運動をつなげようと、北は北海道から、南は沖縄まで、延べ20数カ所で様々な取り組みが行われてきました。2月2日と言えば、まだ対イラク戦争に向けて、国際反戦運動と米英と日本を含むその追従者たちとの正面からの対決が進行中でした。2月当時は私たち自身が、その歴史的な闘いの真っ只中で活動しているという実感を持って集会を準備したことを思い出します。 ■ そしてこのリレー行動の真っ最中に、ブッシュ政権は、全世界的な反対運動を押し切って無法極まりない対イラク戦争を開始し、多大な犠牲者を生み出しました。阻止できなかった挫折感より、眼前で繰り広げられている侵略・虐殺・破壊行為に精一杯糾弾をすることが関心事でした。戦争下のリレー行動は憤りと腹立たしさで緊張感みなぎるものとなりました。 そして4月初旬のバグダッドが陥落以降、大規模な戦闘は終わり、米英の無法な占領統治の段階に入りました。リレー行動でも、イラク戦争での戦争犯罪の告発や、占領下での米英による残虐行為に反対することが新たな目標となり、課題も訴える中身も変化していきました。 ■ そんな中、国内では、イラク戦争の米英の勝利に乗じて、小泉政権が突如有事法制をごり押しし始めました。そして5月15日、有事法案は民主党の裏切りで国民が何も知らされないまま、議会内の「談合」であっという間に衆院での採決が強行されてしまったのです。私たちは決してこの日を忘れることがないでしょう。 ■ 今回の行動は、4月〜5月にかけてイラク情勢も有事法制をめぐる国内情勢も激変する中で行われました。また5月23日とは、参院でまさに個人情報保護法が可決・成立した日であり、参院特別委では有事法制特別委が開かれ審議されるという非常に緊迫した雰囲気の中で行われました。 23日の有事法制反案を求める参院議員要請行動には20数名が、院内集会と国会前行進には40数名が参加しました。また、各地でのリレー行動を担ってきた人々が結集した24日の全国交流集会には60名が参加し熱い意見交換と交流を行いました。 私たちは、この行動を日本の新たな反動化・軍国主義を阻止するための私たち自身の新たな闘いへの出発点としていきたいと思います。 ■ 23、24日の行動の呼びかけ団体、賛同団体は以下です。 呼びかけ団体:「基地はいらない!女たちの全国ネット、心に届け女たちの声ネットワーク」(沖縄)、「在日韓国民主女性会」、「無防備・非核ネットワーク北海道」、「湯布院女性ネットワークひまわりの会」、「ピース・ニュース」(東京)、「ローカルNET大分・日出生台」、「NO!レイプNO!ベース女たちの会」、「アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局」(大阪)、「一坪反戦地主会・浦和」、「『知ろうよ!学ぼうよ!“沖縄”を』実行委員会」(埼玉)、「わかば塾」(埼玉)が呼びかけた。 賛同団体:「『女性・戦争・人権』学会」、「『日の丸・君が代による人権侵害』市民オンブズパーソン」
■ 23日には参院議員に対する廃案を求める要請活動、院内集会、国会前行進を行いました。議員要請活動を予定していた午後2時前には、飛び入り参加も含め全国からかけつけたそれぞれの団体やグループを代表する市民約20名数名が集まり、参加者全員で参議院の有事法制特別委員会の委員の議員事務所を中心に有事法制の廃案を求める要請活動を行いました。 とりわけ反戦・非戦の世論を裏切った民主党の有事法制特別委のメンバーを説得活動の中心に据えたのですが、多くの民主党議員は「衆院が決めたのなら仕方ない」「再修正はない」と全く“やる気”なし。議会外の市民や世論に訴えることの意義を強く感じました。 ■ 午後3時から衆議院第2議員会館第四会議室で開催した「院内集会」には、全国リレー行動に参加した全国のグループの中から東京、湯布院、新潟、埼玉、そして大阪などから参加しました。 集会参加者は40名を越え、会場はほぼ満席。リレー行動のそれぞれの企画で「有」「事」「法」「制」「反」「対」「戦」「争」「や」「め」「ろ」が書かれた1メートル四方の布に寄せ書きされたものが会場に大きく張り出されました。イラク戦争で犠牲になった民間人や子どもたちの写真の新シリーズも張り出されました。若さあふれる高知からの飛び入り参加者は、高知市内の街頭で道行く市民に寄せ書きをしてもらったという10m以上の大きなロール紙を張り出しました。 ■ 集会では「アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局」(大阪)からのイラク戦争と有事法制に反対する緊急署名活動の報告、「湯布院女性ネットワークひまわりの会」からのピースウォーク、ピースキャンドル行動の報告、新潟キリスト者平和の会からの報告、「ピースライブin高知」の街頭寄せ書きなどの報告、高知「草の家」についての在日三世からの報告、在日韓国民主女性会からの朝鮮半島で戦争を起こさせないというアピール、韓国と日本の通訳をしている方からの6.13中学生れき殺事件一周年にむけた韓国での取り組みの紹介、ピースボートからの北朝鮮訪問の活動紹介、横須賀からの原子力空母母港に反対する署名運動の紹介、埼玉浦和での一坪反戦地主の活動紹介などが続きました。 ■ 集会には、社民党の山内恵子、北川れんこ両衆院議員が駆けつけ、それぞれ最悪の戦争法案が衆院を通過したことを弾劾しました。また福島瑞穂議員の秘書と阿部とも子議員の秘書の方も参加しました。民主党の裏切りで一気に有事法制が国会で成立した日、「5・15は絶対忘れない」、「賛成した議員の顔は絶対忘れない」との発言が印象に残りました。 ■ 最後に、この行動を企画した主催者の一人が、「今が戦前でないと誰がいえるのか」という沖縄の人の発言を引用し、「子どもたちのために絶対に有事法制を成立させてはならない」とアピール。参院段階での闘いを強めようとの意志一致がなされました。 ■ 集会後参加者全員で議員会館から国会議事堂へと行進。一人一人が一文字の布を持ち、「有」「事」「法」「制」「反」「対」「戦」「争」「や」「め」「ろ」の幕が歩道に連なりました。高知の参加者は全長10メートル近くになる寄せ書きを持ち練り歩きました。 議事堂の参議院会議室の前にさしかかると、立ち止まってコール。「参議院は有事法制を廃案にしてくださ〜い。」「戦争に協力しないでくださ〜い」「子どもたちを戦争に送らないでくださ〜い」「朝鮮半島で戦争を起こさないでくださ〜い」等々。腹の底から思い切り大きな声で訴えました。この行動は有事法制反対で座り込みをしている労働者・市民などからも拍手を浴び、国会行動は成功裏に終了しました。
■ 国会行動後、6:30より明治公園で行われた「STOP!有事法制5・23大集会」に合流。集会は3万人の労働者や市民の結集で熱気あふれたものとなりました。この集会は、陸海空港湾20労組をはじめ、宗教者、作家、学者、音楽家、弁護士など、98氏の呼びかけ、多数の賛同者の支持を得て開催されたもので、政党の枠を超え、各界・各層から様々な人々や団体が、有事法制反対の一点で統一し結集したものです。 ■ 社民党の土井党首、共産党の筆坂政策委員長など政党代表を皮切りに、日本弁護士連合会、日本青年団協議会、仏教者の僧侶、キリスト者の牧師、元気のいい全建総連の大工さんなどから力強い挨拶がありました。中学2年の女の子の発言には脱帽。「子どもたちが手を取り合って世界を変える」というアピールに参加者全員が聞き入りました。 「私たちは、ほんとうに怒っています。日本中の多くの人々が、何度も何度も反対の声をあげてきたのに。それを無視して、有事法制の採決を強行した与党に対して、ほんとうに起こっています。」で始まる「集会宣言」。「怒っています」のフレーズが強く印象に残りました。 ■ 最後に、イラク戦争反対の市民統一行動で一躍有名になった「ワールド・ピースナウ」の方から、「挫折禁止!」マークを高く掲げた発言があり、全員で「NO WAR」「NO YUJI」をシュプレヒコールし廃案まで闘うことを誓いました。「NO WAR」「ON IRAQ」は、対イラク戦争反対の運動から生まれた新しいスローガンです。「イラクと北朝鮮とは違う」と思わされている国民と世論に対して、このスローガンの連呼は、「イラク戦争と北朝鮮への戦争挑発は同じ」という事を訴えたのです。そう、同じブッシュ政権による戦争政策の餌食なのですから。 そして3コースに分かれてのデモ行進。有事法制廃案の声は夜遅くまで都心に響きました。
■ 24日は、午後1:30より渋谷区笹塚区民会館で「全国リレー交流集会」。全国各地でリレー行動を担ってきた諸グループ・諸個人が集まって交流を行いました。基本テーマは「有事法制、イラク戦争と在沖・在日米軍基地」。これを2つのテーマ、基地問題をメインにした第1部「有事法制、イラク戦争と在沖・在日米軍基地」、朝鮮半島問題をメインにした第2部「朝鮮半島の平和と日韓・日朝交流」に分けて、2部構成で交流と議論を深めました。 ■ まず、「リム・ピース」という在日米軍基地監視行動で奮闘されている相模原市の金子ときお市会議員から「イラク戦争、有事法制と在日米軍基地」と題して、厚木、座間、横須賀を中心とした米軍基地の動向について報告を受けました。9・11以降の米軍基地の警戒態勢の強化ぶりとアフガン・イラクへの戦争に向けた演習の激化ぶりがリアルに伝わる報告でした。米軍の低空飛行訓練、民間空港や民間港湾への米軍の相次ぐ強制使用の実態をつぶさに聞く中で、「今や日本全体が米軍の基地になっている」と言っても過言ではない状況に衝撃を受けました。 ■ その後、各地から集まったリレー行動参加者からのアピールが続きました。湯布院、横須賀の反基地の取り組み、高知や新潟からの反戦行動の取り組み、署名事務局からのイラクでの劣化ウラン弾使用についての報告、在日韓国民主女性会や東京在住の沖縄一坪反戦地主の訴え等々。各地からの活気に満ちた取り組みと連帯のアピールは、4ヶ月間続いてきたリレー行動の広がりを実感させるものでした。 と同時に、交流と討論の中身は、自然と収斂していきました。(1)まず最初に、何としてもブッシュや米日韓軍事同盟による北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)への戦争を阻止しようとの思いが参加者全員の一致した願いになりました。 (2)次に、対北朝鮮戦争に反対するだけではなく、積極的に、創造的に、どうすれば朝鮮半島の安定と平和を実現していくことができるのか、日本の世論を変えていく努力や日韓の市民レベルの交流を追求することなど、様々な提案がなされました。 ■ 最後に、参院での有事法制の可決強行に反対していくことを謳った「集会アピール」を採択、それとともに、朝鮮半島での平和を市民のレベルで創り出していくために、日韓・日朝の市民運動の連帯を追求する取り組みを強めようとの提案がなされました。 またここに集まった全員で、有事法制反対の闘いを6月にもう一度やりきろうとの発案が出され、至急行動案を検討することが提起されました。リレー行動を作ってきたそれぞれの人々が一つの場所に集まって連帯を確認し、今後の共同の取り組みを追求するための新しい第一歩となった集会でした。
2003年5月28日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局 |