土曜、日曜の2日にわたって行われた高校の文化祭で、教員有志主催で「イラク戦争パネル展」を行いました。以下はその報告です。 例年、文化祭には、教員が劇などで参加している学校なので、今年は、写真パネル展示もやりたいということを申し出て、教員有志主催の写真パネル展開催となりました。 パネルを借りたり、展示作業等の大部分は私がしましたが、展示用パネルの運搬や展示に適した場所を確保してくれるなど、多くの教員の協力を得ることができて、うまくことが運び、文化祭でイラク戦争の問題を取り上げることに対して、好意的な教員が多数いるように感じられました。 <展示内容> 1.アルジャジーラ等による被害写真とイラクボディカウント 2.「NO DU ヒロシマプロジェクト」森瀧春子さんの 2003年6〜7月のイラク訪問の写真 3.その他 (劣化ウラン弾の解説、湾岸戦争時の被害、小泉政権の加担と沖縄米軍基地) <ビデオ上映> 「劣化ウランの恐怖」 <アンケート> 以下の項目で実施(集計結果は後に記載) 〇アメリカが始めたイラク戦争をどう思いますか? 1.反対 2.賛成 3.やむを得ない 〇日本がイラクに自衛隊を派遣することについてどう思いますか。 1.反対 2.賛成 3.やむを得ない 〇イラクに劣化ウラン弾が使用されたことをご存じでしたか。 1.知っていた 2.知らなかった ○あなたは以下のどれに該当しますか。 A. 1.男性 2.女性 B.1.15歳以下(小・中学生) 2.15歳から18歳(磯島高校生) 3.15歳から18歳(その他の高校) 4.18歳から29歳. 5.30歳から39歳 6.40歳から49歳 7.50歳から59歳 8.60歳以上 ○今回のパネル展についてご感想をお聞かせください。 <展示当日の様子> 展示場所は、生徒のクラス展示教室のすぐ横だったので、比較的人がよく通るところでした。常時展示場所にいることはできないので正確にはわかりませんが、さっと見て通るだけの人を含めると、100人以上は見ていると思います。土曜の10時から2時、日曜の10時から1時の間では、常時2〜5人の人が見ていた状態でした。両日とも、外部から保護者、地域の中学教員・中学生、在校生の友人(他校生)、卒業生が来校しているので、来場者はその人たちと在校生および本校教職員でした。 文化祭全体は生徒のクラスの企画は、劇等が盛んで、展示では、模擬店等が多く、文化クラブの発表はあまり多くはないので、「写真パネル展」は展示の中では、堅い企画として、目立っていたためか、外部からきた人たちは、わりあい丁寧に見てくれていました。 <アンケートの結果> アンケートの回収数 40人 回答者年齢構成: 15歳以下(小・中学生) 7.5% 15歳〜18歳(高校生) 35 % 18歳〜29歳 12.5% 30歳〜39歳 0 % 40歳〜49歳 32.5% 50歳〜59歳 10 % 60歳〜 2.5% 〇アメリカが始めたイラク戦争をどう思いますか? 反対 75% 賛成 2.5% やむを得ない 22.5% 〇日本がイラクに自衛隊を派遣することについてどう思いますか。 反対 65% 賛成 10% やむを得ない 25% 〇イラクに劣化ウラン弾が使用されたことをご存じでしたか。 知っていた 40% 知らなかった 60% ○感想意見: ★15歳以下 「戦争は怖いと思った」 「かわいそう」 「戦争のことで、すごく怖いと思った。世界が平和になればいいと思います。」 ★15歳から18歳(高校生) 「かわいそう・・・泣」 「かわいそうと思った」 「今、イラクがどんな状態にあるかわかることができました。来年もできれば(このようなことはないほうがいいですが)またこのような展じをしてほしいです。」 「みてて痛々しかった。もうこれ以上写真のような人たちが増えてほしくないです。」 「戦争による被害が、何も関係のない子供にまでおよんでいることがゆるせない!!!」 「とてもかわいそうだった。」 「かわいそう。(戦争が)無だなことが多い。」 「いいかんじ!!来年もしてな」 「むごかった」 「いたいたしくみていられなかった。」 「世界平和を望みます」 ★18歳から29歳 「核のむごさを知ることができた。」 「テロもする方もする方だが、ほう復が来る事がわかっていながらすることになんの意ぎがあるかわからん。」 「もっといろいろみんなに伝わるよう多くの機会を設けた方がいいと思う。僕自身はこんなむごい事があるとは知りませんでした。平和に興味がわきます。」 ★30歳から39歳 なし ★40歳から49歳 「ちょうど私の中学校の職場でも、人権部でパネル展とビデオ上映を文化祭でする予定でしたので、興味を持ち、見せていただきました。パネルが充実していて、参考になりました。豊田直巳さんというカメラマンの講演会のビデオ(20分)を上映し、パネルをお借りする予定です。」 「戦争の現実(TVで見れない)を見れてよかった」 「高等学校の文化祭なので、問題提起という意味でも意義ある事だと思います。よく頑張って下さいました。」 「どのパネルも非常にショッキングな物ばかりです。戦争と一口に片付けてしまえば、とても簡単な事かもしれないけれど・・・。その犠牲者が自分の子供であり、身内であるならば、誰もが考えるでしょう。何事の関しても、自分さえよければいいという考えをかきすて、相手の立場に立って考えていけば、地球(?)は変わるのでは・・・?このようにしてたくさんの資料を集めたあなた方がいるり・・・。 もっともっと、この世の中に訴えていく限り・・・。まだまだ、よくなると思います。あきらめず、挫折することなく、若いあなた方にもっともっと頑張ってほしいです。ありがとうございました。」 「戦争は反対と、ひしと思った。」 「今のイラクの現状がよくわかった。」 「心が痛みます」 「血なまぐさい感じまで伝わってきてよかったです。戦争は絶対にだめだという気持ちがまたわいてきました。ご苦労様でした。」 「あまりにもひどい現状を知りました。人間として何かできる事があればと思っています。」 「戦争がバーチャル的に報道され、実際に被害にあった市民の痛みがなかなか伝わらない現状において、このパネル展は、意義があったと思う。どの戦争もそれを正当化する理由なんてない。その基本に立ちもどさせる取り組みだった。ほとんど協力できなかったことすまなく思っています。」 「テレビ等で報道されない映像を見ることができて、大変よかったです。改めてこの戦争の罪悪を思い知りました。」 ★50歳から59歳 「事前にTVで見ました。怒りと悲しみのみ。」 「現実はきびしい。争いは常に市民の犠牲の上に成り立っている。」 「新聞などでは見ますが、実際、写真で見たのは初めてです。写真でも、すごい状況ですが、実際はもっとひどい事だろうと思います。」 ★60歳以上 「極めて今のこと。皆の意識も強いときです。改めて写真を見て、深く思うときでした。なぜ、イラクが攻撃されたのかの意味が、ややわかりにくい。イラクの何が問題なのか、戦争は反対です。でも、なぜ攻撃されたのか、原因ももっと出してほしかった。」 <開催してみての感想> 組合などの企画として展示をやろうとすると、通りにくい面がありますが、教員有志ということで、企画はすんなり通り、教員の協力もそれなりに得られたと思います。 多くの人はイラク戦争の問題を取り上げる企画自体には好意的で、自分に可能な協力は惜しまないような印象を受けました。管理職も、ほかから苦情が出ないように腐心はしますが、企画自体には反対というわけではないようでした。 公民館などで行った場合とは違って、様々な意識の人が来場したように思います。 公共の会館などの展示の時は、それなりに関心のある人が来たのだろうと思われますが、今回は高校の文化祭という事もあり、ことのついでに見た人も多く、アンケ−トの結果は、ある意味、現状の市民意識を、より反映しているかもしれません。 高校生の保護者の世代でもあり、教員もその世代が多いので、学生以外では、40代が圧倒的に多く、30代が皆無だった点は共通しています。
大阪府立高校教員A
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