80人が訪れた写真展「イラク戦争・占領下の子どもたち」
参加者、口々に真実伝えぬ大手企業メディアの報道のあり方を問う
「ありのままのイラクのひどさに心締め付けられ、
ありのままの報道が少なすぎる日本を感じた。」

2004年3月30日〜31日
大阪市阿倍野区民センター
主催 イラク写真展の会(大阪市)


 今回のイラク写真展には、3月30日だけで40人の参加者があった。ウィークデーの上、さらに朝から雨・・・。3・20反戦行動も終わって雰囲気は盛り上がっていない。どうなるか、本当に心配なスタートだった。翌31日、2日目のイラク写真展は昨日と同様に40名ほどの参加者、合計80名となった。
 
 ほとんど来られないのではないかという私たちの予想をこえて、準備中にもかかわらず見たいというので入っていただいたことも。あらゆる年齢層の男女を問わず、子供を連れたお母さんも熱心にじっと写真を見入ってくださった。中にはわざわざ電車に乗って大東市からやって来られた方、ぜひ見たいと思っていたとか。テレビでは真実を報道してないのではないか、本当のイラク戦争を知りたかったという声も聞いた。子供連れのお母さんが、時間をかけ写真を一つ一つ我が子に説明しながら見て行かれたのも印象的だった。『劣化ウラン』のひどさに驚かれ心を痛められた方が多かった。またドラコビッチ博士の調査が進むようにと、カンパを置いて行かれた方もあった。

 湾岸戦争の前日までバクダットで仕事をしていたという人が来られ、「今のようになるとはその時思いもしなかった。」「川口外務大臣が劣化ウランのことを認めていないのはおかしい」とはっきり言われた。その方はアンケートには書けないからと言って話だけして帰られたのが残念だった。こういう人たちの声を集める方法はないものか。

 小泉首相が何とごまかそうと、自衛隊を派兵してまでアメリカと結託して進めているイラク戦争・占領が、多くの被害を出し、特に子供が犠牲になっているにちがいないと思っている人達が真実を知りたいと思うのは当然である。−−イラク報道を自己規制し真実を隠そうとする大手マスコミの現状に失望している人たちに、私たちのこのささやかな試みが少しでも役に立てばと思う。

 見られた後必ず「ありがとう」と言われた。配ったビラを見て来てくれたのがうれしかった。今回、広島の森瀧春子さんの写真集『ヒロシマアピール』にもとずく写真展を開催でき、また広島の学校から撤去された「平和カレンダー」を送ってもらい展示できたことに対して「ありがとう」と言いたい。2日間の写真展を終え、参加者の皆さんから改めて教育現場で平和教育をやり続けようとするエネルギーをもらったと思っている。ある参加者の方から「ほかの所でもされていますか」と聞かれた。ぜひぜひいろんな所で写真展をしてほしいと願っている。参加していただいた方、ご協力いただいた方、本当にありがとうございました。

(イラク写真展の会 教員M)




写真展「イラク戦争・占領下の子どもたち」のアンケート結果

*写真展を観て思うこと−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

●テレビなどのメディアではなかなか放送されない事を、詳細な部分をとらえた写真で観ることは戦争の悲惨さを感じられるよい機会であったと思います。報道規制がひかれているようでこのような事実の映像を見せるべきだ。もっと言っていかないと、みんなに知らせていかないといけないと思う。ありがとう。
●劣化ウランによって遺伝子を傷つけられた子どもたちが、白血病にも苦しめられている現実。でもそれは、湾岸戦争によってであるということは、今回の戦争でもさらなる被害が拡大しているということを考えると、一体いつになったら、本当の幸せが、平和が訪れるのでしょう。産まれる前から健康でいられないように遺伝子に傷害を受け、産まされてきた世界は、毎日戦争におびえる日々、本当にかわいそうでなりません。
●ビンラディンもフセインも金正日氏も権力を持つ人は「民」がよく監視し賢明にならなくてはいけません。日本も同じ。各政党も同じです。誰のために「権力」をもつのか!それは「民」を安心の人生に導くためです。そのことを忘れた権力者たちは唾棄すべき「人種」にすぎぬ!!民主主義というが質を高めない限り主権在民は実現しないでしょう。日本は与えられた民主主義なので弱いのでしょうね。写真展ありがとう!!
●これまでアジアにおける日本の侵略戦争の写真や最近のパレスチナの写真を見てきたのと同じぐらい衝撃的な残虐な写真でした。写真を写す側、観る側もこんな「むごい」ものを多くの人に見せていいのかという視点も重要だということはもちろんですが、写真を撮られる側の立場に立って考えたい。大けがをした人、白血病で膨張した身体を人にさらしたくない気持ちより、「多くの人に伝えたい」気持ちがよく伝わってきました。テレビや新聞の報道では伝えられないところを身近な区民センターで見られるのはよかったです。子供や戦争に無関心な人たちもこのような写真を見たら良心が痛まずにはいられないと思います。
●焼かれた顔と顔に戦争という無惨なことを、60年前の事が思い出されます
●テレビや雑誌等でいろいろなメディアが取り上げるイラク戦争のことは、本当に一部だけで、流れる映像のように記憶からも流れていきがちでした。あらためて占領下で苦しんでいる大勢の人たち、子どもたちの写真を見て、涙が出ました。「私には、何ができるんだろう。」そう考えるのは、私だけではないでしょう。そういう考えを忘れずにいること、小さなことでも少しづつでも協力・理解していくこと、正しい情報に耳を傾けようと思いました。人間にとって、世界の人々にとって、何が幸せなのか・・・。テロをした国の人々、された国の人々、当事者でない者たちが傷つき、殺され、戦争に行かされる。悲しい現実です。
●同じ地球で本当にこんな悲しいことが起こっているということを現実問題として受け止めました。いつの世も戦争は絶対にしてはならないと強く思います。弱いものが犠牲になるなんて・・。人間として生まれ限りない可能性を持っている子供たちを大人である私たちは見守っていく立場にあるのですから、もっとできることを探して行かなくてはならないと思います。
●子供たちが犠牲になるのは可哀想。
●マスコミで取り上げられた時には、主人とも話し、戦争・核といったことについては、少し考えることもありますが、自分の身に迫っていないと、一体どうすればよいのか、突き詰めることはありませんでした。世界で、日本でこういった争いが起こらないよう、未来の子どもたちを守るため、あらためて考えるいい機会になればと思います。
非常にむごい感じを受けました。戦争のないことを祈ります。
●戦争ほど悲しく、グロテスク(政治家の)な物はないと思った。
●この写真展を見て改めてイラク戦争は正当性がないと、また正当性があったとしてもしょせん戦争とは人類が行う最大の犯罪であると思った。
●新聞の報道だけでは伝わってこない事実、現実を感じました。
●まぎれもない侵略に対し、米国のやり方に対し怒りを感じます。それに追随する日本は何を大切にしていかなくてはならないのかと考えます。戦争反対!!
●(人間を死なせて)戦争で解決できるのでしょうか。戦争のない世界になって欲しい。
●内外での様々な対立の故でしょうが、歴史の一幕とするには当事者には痛ましい人生でしょう。人間の生きている証の苦しみ、喜びは内にあってしかるべきものだと思いますが、人間性とは関わらないそれらの経験は迷惑なものです。生きる本性を営み続けたいのもだと思います。本日の展示ありがとう。
●ありのままの状態のひどさに心締め付けられるような思いと、ありのままの情報がまだ少なすぎる日本を感じた。
●TVなどでは報道されない、イラクの真実の一端を見て衝撃を受けた。
●以前、テレビで湾岸戦争による劣化ウラン弾により大きな被害を受けた子どもたちのことを見ました。今回のイラク攻撃でも、またこのようなことが繰り返されていることを知り、腹立たしく思います。
●劣化ウラン弾の危険性を訴えている写真展は、多いです。が、日本政府がどんな態度をとったかを訴えてい点など、学びました。
●イラク戦争、世界のあらゆる戦争の即時中止を、心から叫ばずにはいられません。何か私たちにも、出来ることを考え、見つけようと思う。
●6才の子どもが、白血病におかされて老人のごとく・・・。大変な衝撃を受けました。
●劣化ウラン弾については、テレビで見て、ひどいと思っていた。アメリカは、自国の兵士までたくさん被爆しているのに覆い隠して、まだ使い続けようとしている。本当に怒りを感じる。
 アメリカに言われるままに従う小泉政権にも、腹が立ってしょうがない。1996年の劣化ウラン弾の国連決議で、日本は棄権したと言われているが、それが日本もクラスター爆弾を持っていたからだとは知らなかった。私たちの税金が、そんなものを買うのに使われているとは、あんまりだ。もっと多くの人にこのようなことを知ってほしいが、一番大量に情報伝達できるメディアであるテレビは、政権よりで反政府の内容を取り上げてくれるところが少ない。こういう地道な写真展で人々に訴えることは大切だと思う。がんばってください。
●このような写真をじっくり見たのははじめてだったので、すごく悲しくなりました。今のイラクの状況を少しでも知れたことは良かったと思うのですが、私には何も出来ないのが辛いです。
●写真を見てニュースや新聞では見られないものを見せていただきました。
前から思っていたのですが、アメリカ側の被害はよく見ますが、イラクの一般市民のことはあまりしられていなくて・・・。でもアメリカ側が攻撃するのは一般市民では決してないはずです。一般市民の方はアメリカ側を憎む前にどうしてその人たちのことを何もしないのでしょうか?不思議です。
●人間であるということがつらい。
●気持ち悪かったです。
●びっくりしました。
●メディアは政府に管理されている。新聞社の記者やテレビもエリートで固められた同じ穴のムジナどうしの中で真実を伝えられるのは、誰なのか?逮捕される覚悟で取材・報道しているマスコミ関係者はどれほどいるというのか?
●何の意図があって、私たちは本当のことを隠されて生活させられるのでしょうか?殺人を犯したのに、さも自分には正当性があるかのように振る舞う人たちを、いつまで私たちはTVで見なければいけないのでしょう?「嘘つきは泥棒のはじまり。」殺人者で、嘘つきで、どろぼうやん。
●あまりに悲しすぎて、目を覆いたくなります。
●あまりのむごさ、同じ地球上の同じ時代に、このようなことが今起こっている。大変な悲しみと怒りを感じました。


*自衛隊派兵について思うこと−−−−−−−−−−−−−−−−−

●難しいです。国際国になるためには「人道的に!!」との派遣は大切です。要は国民が現政権を信用していないのですよ。自社共政権80年のツケでしょう。
●派遣すべきではないし、自衛隊自体の存在意義を考え直すべき。自衛隊は(侵略)占領軍であることは間違いなし。自衛隊ではなくNGOなどがインフラ整備や人道支援に関わっていくべきだと思う。
●経済の立場から見て参加しないといけない状況なのかもしれませんが、賛成してはいけないと思います。違った形での参加はできなかったのでしょうか。・100%間違っているし、日本の国民にとっても他国の人にとっても何らプラスにならないと思う。国よりも、自分と家族を信じている。
●日本が自衛隊を派遣する意図はアメリカに取り入ろうとしているだけだと考えている。またイラクのアメリカ軍ではストレスや不安が原因となり20人以上のアメリカ兵が自殺しているという。派兵が長引いた場合自衛隊内でも自殺者が出ることもあるだろう。そのとき政府はどう責任をとるつもりなのだろうか。
●反対です。いつでも反対したいです。
●反対です。
●無事帰国されればよいと思います。
●名誉の意味をはき違えている。
●戦争をしないという日本国憲法を改正してまで派兵を正当化しようという動きはあってならないことであり、日本唯一の憲法を守っていかなければいけないと感じます。
●日本はアメリカに寄りすぎだし日本人はどっちつかずな態度がよくないと思う。
●テロを卑劣だといいながらそれ以上の力でイラクを制圧しようとしたアメリカ。でも世界一の国だから各国が表立って非難しなかったのは不思議でなりません。国と国は人対人の心とは少しかけ離れいろんな計算や駆け引きが入るのでしょうか。日本も相手がアメリカでなければきっと派遣ということはないでしょう。いろんな理屈をつけてアメリカに服従しているのは情けないものです。
●戦後復興のみの派兵はその国民のためになるので賛成です。
●個人的にはイラク支援のために日本人として何かをするべきだとは思っていたが、それが自衛隊である必要性はなかったのではないかと思う。NGOでも何でも間接的に支援を行った方がよかったのでは?
●イラクの人々の復興のために日本が力を尽くすことに異論はありませんが、国連の要請もなくこのような形で派兵されたことには反対です。
●派兵はもっと慎重に考えて行うべきだと思う。
●イラク人が占領軍を攻撃することを「テロ」と呼ぶのか「レジスタンス」と呼ぶのか。侵略されたら抵抗するのが当たり前。イラク人から見れば日本も侵略軍の仲間入りと思われても仕方ない。その国から要請もされていないのに軍が入ることは侵略と思われてもしようがない。すぐに撤退すべきです。自衛隊員は劣化ウラン弾の影響で健康を害するのも心配だ。
●一人でも多くの子供たちや人々の命を助けてあげて欲しいと思います。
●反対です。「行きなさい」と命令する政治家が1年でも半年でもいけばいい。そして身をもってどれだけ大変なことか知ればいい。自分たちなら行かないでしょう、劣化ウラン弾にまみれた土地に。
●自衛隊派兵は賛成です。
●もし国会議員の身内の人がイラクに行く隊員の中にいたら(小泉・石破・安倍・福田も含めて)彼らは積極的に賛成しただろうか?所詮は他人事!自分たちはテロの可能性がある中2重・3重・4重に守られている!そんな人たちに死んだ人、傷ついた人の気持ち及び身内の人の悲しみがわかるわけがない!日本に住んでいる大勢の人もほとんど同じだ!
●反対です。日米同盟のために、さらに多くの被害者を作るために、民主主義と言いながら軍閥主義の見えかくれするのを考えます。きれい事のみ語られる。だいたいアメリカからにらまれるのをいやだからといって人の命(もしかしたら殺す方にも殺される方にもまわるような)差し出すなよ?と思います。
●派兵は絶対反対です。
●兵器を持たずにふつうのためだけに行くことはできないのでしょうか。