7月5日、グリーン・アクション、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会と共に、「劣化ウランの危険性とアメリカでの反対運動」「アメリカの劣化ウラン反対運動と連帯しよう」を掲げ、アメリカの独立系科学者ルーレン・モレさんをお招きし、講演会を開催しました。約100名の席は参加者であふれ、会は成功裏に終了しました。 前日衆院本会議で「イラク特措法」が市民の反対を押し切り可決され、また審議の過程で川口外相の「アメリカは(劣化ウラン弾を)使ったといっていない」という、とんでもない米擁護発言が暴露された中で開かれた本講演会は、きわめて意義のあるものでした。 「先住民族のための科学者」会長でもあるモレさんは、ホピ族の二人が、自分の住む土地で行われる核実験に抗議する人間を世界中からかき集め、ついに断念させた話をしました。「小さな」人間でも大きな事ができることを例示したのです。講演は米がすでに1943年より「放射性兵器」の開発を考えていたことの暴露から始まりました。微粒子を使った兵器はその小ささゆえにすべてのものを透過し、人間の全身を犯すのです。これが劣化ウラン兵器として実現されたのです。激しく燃え、ガス状になるこの兵器は、イラク・アフガン・ボスニアの大地、水を汚染(半減期は実に45億年)し、人々に取り返しのつかない被害をもたらしています。圧巻は湾岸戦争から帰還した兵士の中に障害を持った子どもたちが生まれ、またある兵士が体中をガンに侵され、精神に異常をきたして亡くなっていったさまの暴露です。勲章、年金、保険を奪われるがゆえに告発さえできない彼らの姿です。この兵士が死後の自分の体の提供を申し出て、UMRCのドラコビッチ氏がその細胞を、軍に先んじて採取してゆくさまは米における、ことの深刻さを表しています。 講演の後半でモレさんは、米国の原発、核兵器関連施設周辺での、乳歯サンプルより得られるストロンチウム量からわかる死亡率、ガン発生率の推移の話をされました。どの地域でも各施設の稼働と共にそれらの率は上昇しています。それは大気中の核実験が実施されていた時代と同様でした。この中でモレさんは黒人地域に、原発周辺の酪農から大量の乳製品が出荷され死亡率、ガン発生率を高めているという「環境レイシズム」を暴露しました。 質疑では会場からの質問に答え、放射能・放射能汚染の話がタブーの米国会で「劣化ウラン反対」を掲げ果敢に闘っている議員たちの様子や、先住民居住地近くに建設予定の中間貯蔵施設との闘い、原発閉鎖要求等を紹介されましたが、ここでも一貫して市民が声を上げていく事が最も重要だと強調されました。自らの闘いも踏まえ「小さい小さいものでも何かを動かすことができる」との力強い言葉でモレさんは講演を結びました。 続いて短い時間でしたが、署名事務局から「アフガニスタンにおけるウラニウム汚染」と題されたUMRCの分析結果の紹介がされました。「カブールの尿サンプル 200倍」など衝撃的な結果が紹介され、UMRCがイラクでの調査を望んでいること、私たちもどう協力できるかが提起されました。次いで美浜の会から「関西電力の劣化ウラン兵器転用疑惑」が報告され、この問題について引き続き関電交渉を持ち、責任追及を進めることが決意されました。 また署名事務局から「自衛隊派兵のための『イラク復興特措法案』廃棄を求める緊急署名」の依頼がなされました。実質10日程度の審議で与党によって衆議院で強行採決された法案ですが、参議院での廃案めざし引き続き活動を強化していく、衆議院段階での国会行動から、引き続き行動を行うという協力要請がなされました。 最後に「特別アピール 米軍の劣化ウラン弾使用を認めない川口外相と日本政府を追及しよう」が全員の拍手で採択され、講演会はモレさんに対する感謝と連帯の拍手で締めくくられました。 闘う科学者、徹底的に弱い者・虐げられた者に寄り添う市民派科学者の力強い言葉に激励される講演会でした――「市民が連絡しあい、真実を知り、(世界を)動かす」。 ルーレン・モレさん紹介 【ルーレン・モレさん紹介】 LEUREN MORET ルーレン・モレ氏は世界中のコミュニティーレベルで放射能と公衆衛生の問題に取り組んでいる独立系科学者である。1968年、カルフォルニア大学Davis校にて地質学の修士号、1978年、カルフォルニア大学バークレーにて校にて中近東問題で修士号を得ている。さらにカルフォルニア大学Davis校にて、地質科学分野で卒論以外のすべての博士課程を修了している。 ローレンスバークレー国立研究所で5年、リバモア核兵器研究所で2年間働いた後、リバモア研究所を去り、実際の放射線被爆の健康への影響について明らかにし理解することをライフワークとしている。また、原発と核実験による公衆衛生への放射能の影響と放射能が環境中にどのように循環しているかについて幅広く取り組んでいる。 モレ氏は、低レベル放射能と公衆衛生の関係について10冊の本を出している独立系の科学者たちの団体である放射能と公衆衛生プロジェクト([http://www.radiation.org])と共同研究をしている。 モレ氏は劣化ウラン弾の違法性を調査している国連小委員会に劣化ウランの科学的報告書を書いたこともある。彼女はマンハッタンプロジェクトの元科学者とリバモア研究所の放射性降下物の専門家である元職員から放射能問題の指導を受けている。またHari Sharma博士とともに、イラクのバスラ地方で湾岸戦争での劣化ウランによる体内被曝により70人の体組織から高レベルの劣化ウランが検出されたことを調査した。 モレ氏は戦闘において、劣化ウランが高温で燃えたときに粒子がどのくらいの大きさになるかという重要な研究も細かに行っている。高温での大気内劣化ウランの粒子の生成は無視されているが、DU被爆による健康被害の大きな原因となっている。 [see Letter to Congressman McDermott - http://www.mindfully.org/Nucs/2003/Leuren-Moret-Gen-Groves21feb03.htm] 劣化ウラン関係の活動としては、広島のジャーナリストである田代明氏著書であるDiscounted Casualties: The Human Cost of Depleted Uranium の序文を執筆。 The book can be read online at: [http://www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/index_e.html]. 2002年2月には Martin Meissonier’s 氏の映画 The Invisible War: Depleted Uranium and the Politics of Radiation をバークレー市のアラブ映画フェスティバルで紹介。 最近では、森住卓氏の写真展 A Different Nuclear War: Children of the Gulf War to the United States in October 2002, where the first US exhibit was in the city of Berkeley.を米国で2002年の10月に紹介するのを手伝い、バークレー市が米国で始めての写真展の開催地となった。 モレ氏は核兵器プログラムによって放射能汚染されている先住民族やアメリカや海外での関連事業により被爆している地域、および原発からの放射能によって影響を受けている地域で多岐に渡る取り組みをしている。またイラク戦争反対の日本の国会議員の会のサンフランシスコベイエリア代表であり、バーバラ・リー下院議員と密接に活動している。モレ氏の宇宙兵器開発に反対する決議案は2002年9月10日に可決。この決議案は、宇宙の低区域の軌道が、ウラニウムやその崩壊生成物などの人工的な物質で汚染が起きていることを知ってから提案されたものである。 ルーレン・モレ 先住民族のための科学者会長 女性地質科学者連盟元会長 バークレー市環境委員 イラク戦争反対の日本の国会議員の会のサンフランシスコベイエリア代表 Help URL : http://help.yahoo.co.jp/help/jp/groups/ Group URL : http://www.egroups.co.jp/group/no-du/ Group Owner: mailto:no-du-owner@egroups.co.jp
違法な劣化ウラン兵器の使用に関連してイラクで起こりうる、低レベル放射線疾病を記録する独立監視団の呼びかけ 国連に派遣された非政府組織である「人道的法律家連合」によって出されたプレス・リリース(詳細な連絡先は下記を参照) 2003年4月25日 病院の野放しの略奪、および公衆衛生記録を保管しているほとんど全ての省や他のセンターの破壊は、イラクにおける公衆衛生システムを見る影もなく解体し、世界の人々を当惑させている。これは「作戦上の失敗」か?あるいは慎重に仕組まれた出来事か?「劣化」ウラン兵器の使用を永久に禁止するキャンペーンに取り組んでいる活動家達にとっては、病院や基準線となる健康データの破壊は、明白な法的な目的をもつものとなる。略奪は病院が現在機能することを不可能にしており、そして、米英軍によって使用された「劣化」ウラン兵器や他のもっと実験的な兵器に結びつく症状について記録したり報告する能力を妨害している。 疑いが強まることには、米国国際開発局(USAID)が、1000万ドルの費用で、世界保健機構(WHO)を住民の直面するニーズを確認するために、雇ったのだ。これは、利害衝突に対する懸念を引き起こす。「劣化」ウランの早期健康傷害についてのあらゆる資料収集が、米国によってその代金を支払われているが、米国は、これらの傷害に関係するコストを支払わなければならないであろう中心的存在なのである。この利害衝突は、法案H.R.1483の行き先を危険にさらすかもしれない。連邦下院議員ジム・マクダーモット(ワシントン州の民主党)によって提出されたその法案は、劣化ウラン弾の健康影響に関する研究を要求している。 略奪と燃焼の目標にされたところ(計画省、情報省、健康省など)は、取り決められた企てが、重要なデータを破壊するために作られたという推測を裏付けている。略奪を阻止するための米国の戦車と兵士による石油省や内務省の厳重な警備と、略奪され放火によって破壊された他の公的施設における軍事的警備の明白な欠如は、イラクのインフラのより一層の意図的な破壊を示唆している。 第二次湾岸戦争前の健康記録のデータは、第二次湾岸戦争後のイラクにおける癌およ び先天的欠損症のレベルの増加を示す基準線を確立するために、決定的に重要であ る。予想通りに、「劣化」ウラン兵器によって第二次湾岸戦争での都市部への直接爆撃は、「劣化」ウラン兵器がバスラ南部の戦場で使用された第一次湾岸戦争におけるより、より大きな[癌等の]増加を引き起こすだろう。使用された量の増加と都市が標的であることは、劣化ウランへの被曝による疾患や死亡の始まりを加速しその人数をおおきなものにするだろう。 「劣化」ウラン兵器、集束爆弾および燃料気化爆弾は、人権保護と促進に関する国連小委員会の国連専門家会議によって、国際法違反であると宣言されている。 第一次湾岸戦争の期間中、1991年に米国および英国によって「劣化」ウラン兵器がもたらされて以降の高いレベルの癌および先天性欠損についての報告に、国連事務局長および小委員会による報告書や研究が続いている。 カレン・パーカー弁護士は、1996年以来、国連において劣化ウランの違法性を訴えてきているが、次のように述べている:「国連小委員会が劣化ウラン兵器が現在の法律を破っていることを最初に明らかにしてより、劣化ウランに反対する証拠はより一層強くなっている。アメリカは、一部にはイラクにおける劣化ウランの影響をできるだけ隠ぺいする必要のために、イラクに対する制裁体制を維持するために激しく戦ったと、私は以前から考えていた。今、病院および劣化ウランに関するイラクの科学者によって収集された記録の破壊は、アメリカの目的が劣化ウランに関する真実を隠ぺいすることであるという結論を一層支持している。また、赤十字国際委員会が述べたように、病院を保護することは米軍の義務である。それの完全な不履行は、ジュネーブ条約の重大な違反である。」 ルーレン・モレは、独立した劣化ウランの専門家でリバモア核兵器研究所の元科学者であるが、第一次湾岸戦争における「劣化」ウラン兵器の使用は戦場での放射線兵器の軍事利用に対する46年間のタブーを破ったとコメントしている。第一次湾岸戦争での劣化ウランの使用は「・・・第4世代の核兵器の使用を導入する軍事的前例を確立した。」 米連邦下院議員ジム・マクダーモット(ワシントン州の民主党)によって提出された、劣化ウラン弾の健康影響に関する研究を要求する法案H.R.1483では、これらの放射能兵器からの汚染にさらされた後に人が示すであろう初期のあらゆる兆候を、医師が記録するために直ちに働かなければならないことになる。この最近の紛争では、米国/英国によって以前の湾岸戦争での5倍の量の「劣化」ウランが使用されたことを情報源は示している。 巡航ミサイルおよび他の兵器中の「劣化」ウランは衝撃でエアロゾル化し、放射性超微粒子の大量吸引をもたらし、また、バターをスライスするナイフのように身体を通ってウランの小さな破片が送られる。初期の症状はほとんで神経学的なもので、頭痛、衰弱、めまい感、筋肉疲労等として現れることになる。長期的影響は、ガン、先天的欠損症および他の放射線に関連した疾患―慢性疲労症候群、関節および筋肉痛、発疹、神経学的なまたは神経の損傷あるいはその両方の損傷、気分障害、感染症、肺および腎臓障害、視覚問題、自己免疫不全症、感覚損失などである。 この現在の湾岸戦争では、低レベルの放射線病の徴候を持ったいかなる軍隊も、それらの部隊に報告するだろう。それらの兆候は、劣化ウラン被ばくに結びつけることを軍によって否定されるだろう、なぜなら米国の政策は、劣化ウラン兵器が病気を引き起こすことができるということをずっと否定しているからである。軍および民間の医者は、第一次湾岸戦争で神経系の病気を外傷後ストレス障害[PTSD]として定義し、かつ帰還兵の体内の放射性の破片を放置するように訓練された。軍がこの政策を繰り返すことが予測される。 米軍劣化ウランプロジェクトの前の責任者であるダク・ロッキは、劣化ウランの使用に反対してキャンペーンを続けている。彼は、一連の湾岸戦争症候群で米軍兵士が既に発病していると報告している。 政治評論家であり長年の反劣化ウラン活動家であるフィリッパ・ウインクラーは、即時の独立した研究を要求している:「劣化ウランへの被ばくや可能性のある新型兵器の使用に結びつく症状について、独立した健康科学者が、第二次湾岸戦争兵士、イラク市民、イラクの医師、ジャーナリスト、人間の盾、および他のボランティアの人々を、観察し、検査し面接することが緊急に必要である。」 人道的弁護士連合の連絡先: カレン・パーカー:劣化ウランに関する国際法の専門家 フィリッパ・ウインクラー:政治評論家、「ペルシャ湾岸戦争の隠された犠牲者(Hidden Casualties)、環境・健康・政治的帰結」(1994年、amazon.com参照)の編集者、またビデオ・ドキュメンタリー「放射性鉱山(Radioactive Mines)から核兵器(Radioactive Weapons)まで」の共同制作者 先住民のための科学者達の連絡先:ルーレン・モレ:独立の科学者であり劣化ウランの専門家、「先住民のための科学者達」の議長 <ページの先頭に戻る>
「問題である大切なことに私たちが沈黙してしまう日は、私たちの生命の終わりが始まる日である」 マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師 ペンタゴンは、「衝撃と畏怖」−第1次湾岸戦争の際に使用された10倍の爆弾やミサイルを投下する−が第2次湾岸戦争の戦略になると発表した。それでは、劣化ウランは10倍に使われるのだろうか? 今日、劣化ウランの塵や破片が、イラクの戦場で400トン以上、コソボとセルビアの戦場で40トン、アフガニスタンの戦場で1000トンが残されている。ダグ・ロッキのような米退役軍人の体にどれくらいの−ゆっくりと殺し、体を傷つけ、体を使えなくする−量が持ちかえられたのだろうか? どれだけの量が、イラクの人々、イラクの子ども達、まだ生まれていない将来のイラクの人々を殺し、体を傷つけ、体を使えなくしているだろうか?そして、いままさに、私たちはこれを10倍もひどい状況にしようとしているというのか?今度は、米兵士たちはどうなるのだろう? 放射能に国境はない。コソボで投下された際、風下に運ばれ、遠くハンガリーやギリシャで、放射能がエア・モニターで検知された。クウェートでは、大気中のレベルが季節毎に変化している。劣化ウランは永久的なものである。半減期が45億年である。 劣化ウランは、ラドンのような、ウランよりもかなり強い放射性同位体に壊変する。劣化ウランは、供給されつづけ、殺しつづけている。劣化ウランは、ペンタゴンが人々を殺し、様々なものを破壊するための完璧な兵器である。この厄介物は、除去することができず、生命の生存を不可能にする。劣化ウランは地球すなわち、大気や水、そして生命に対する全面的殺戮戦争になる。 1グラムの劣化ウランが1秒間に12000個以上のアルファ粒子を放出する。劣化ウランはひじょうに細かい放射性の粉じんとして吸いこまれ、血管に入り、体中に運ばれる。劣化ウランは、ほとんど溶解しないので、血液に留まり、あるいは体の組織や臓器や骨に蓄積する。これら「ホットパーティクル」から放出されたアルファ粒子は、核弾丸のように細胞や細胞膜を引き裂き、核爆弾のような巨大エネルギーを免疫機能、神経機能、筋肉、そして脳の破壊を引き起こす。放射能は、ゆっくりと生命を維持する細胞を殺し、病気の複合体である湾岸戦争症候群がゆっくりと兵士達を殺す。 劣化ウランは胎児をだめにし、出生時欠損を引き起こしている。湾岸戦争後に生まれた赤ん坊にはおそろしい出生時欠損が出ており、目、脳、臓器、腕、足がない。ミシシッピ−の湾岸戦争退役軍人251家族を対象とした退役軍人局による研究において1、戦争後に妊娠し生まれた子どもの67%が深刻だと評価される病気や障害を持っていた。出生時欠損をもって生まれたイラクの子ども達2は、湾岸戦争帰還兵の子ども達と同じく、「砂嵐作戦の小さな犠牲者」なのだ。3 ロッキ博士と彼の軍事専門家チームが劣化ウラン弾でエイブラムス戦車を爆破し、戦車周辺の放射能を研究するためにネバダ実験場に送られた。このチームは、劣化ウラン塵からの防護としてマスクのついた「モップ・スーツ」を支給された。このエア・フィルターが微粒子には機能しない−超微粒子はマスクのフィルターを通りぬけて肺に入る−ことを彼らは知らなかったし、エネルギー省は彼らに知らせなかった。最良のHEPAフィルターを使った場合、24時間で、直径0.1ミクロンの粒子が2800万個が肺に入る4。最終的にはその期間に、その大きさの10億個の微粒子が吸引されたであろうダグ・ロッキの白内障や腎臓障害は湾岸戦争症候群の典型的なものである。1月に、1週間の講演ツアーで私たちが行動をともにした。私は彼が息苦しそうで、ひじょうに疲れやすいことに気づいた。彼は、指の感覚がなく、関節にひどい痛みがあると訴えた。 カナダの湾岸戦争帰還兵で、公式には1999年に湾岸戦争症候群によって亡くなったテリー・ライオデン隊長が、彼の体を調査に提供した。彼が戦争に行く前は、彼の目は赤褐色だった。目の色は、帰ってきた際に青色になり、そして灰色になり、死ぬ間際にはほとんど濁っていたと、彼の妻は私に話した。高レベルの劣化ウランが彼の骨や組織や脳から検出された。彼は骨ガンにかかっていた。彼女が夫の死について法律委員会の前に証言している間に、彼女の家は強盗に入られた。高レベルの劣化ウランが彼の体に取り込まれていることを示す彼の医療記録が盗まれた。 ペンタゴンの灼熱地獄戦争では、ダグ・ロッキやテリー・ライデオンや数万人の兵士をわざと防護しなかった−ベトナム戦争で、イラク戦争で、そして未来の戦争で。湾岸戦争における劣化ウランの使用は、戦闘で放射能兵器を使用しないという46年間のタブーを破り、軍事的、法的先例を作り出した。これは、未来の戦争で、核兵器の使用をより可能にしようとする計画的な戦略である。5 しかし、この図版上には、さらに多くのものがある。ドナルド・ラムズフェルドは「スーパー・ソルジャー」を作るために、全米の「連邦研究所や私立大学の調査炉」6に数十億ドルをつぎ込んでいる。脳を刺激する薬や電磁的器具を作るためのこの研究は、5回の犯罪を犯しているジョン・ポインデクスターのもとで、次期防衛調査プロジェクト機関(DARPA)によって指揮されている。この「戦闘兵士高度化プログラム」は「若い男女にホルモンや神経系や遺伝子上の組替がほどこされ、内蔵機能や脳機能を管理するために体内にマイクロチップや電極が埋め込まれ、普通の人間性−睡眠欲求や死への恐怖や仲間である人類を殺すことへの抵抗−を殺すためにドラッグを使う」6ことに関連するものである。 しかし、本当のテロリストはだれなのか?米兵士を無慈悲な帝国戦争に送り出すためにマインドコントロールし、ドラッグで突然変異体を作ろうとしたがっている人々は、自らを「愛国者」、「崇高な指導者」、「キリストの信徒」として描いている。そして、これらの戦争で戦う男女−愛国者ダグ・ロッキやテリー・ライデオンのような−を尊敬することを望む私たちがいる。私たちは、貪欲で強欲なエリートに反対しているので、−私たちは「反逆者」であり、「反戦扇動家」であり、「民主主義の敵」である。私にとって最も嬉しいことは、私たちが多く、もっと多くなっていることである。これは「私たちがあまりにも何度も見てきた」戦争7である。 (ルーレン・モレは独立系科学者であり、カリフォルニア州バークレー市の環境委員である。彼女は、劣化ウランと低線量放射能の公衆衛生への影響の専門家である。彼女は「放射能と放射線および公衆衛生プロジェクト」とともに活動している。http://www.radiation.org) 1. Depleted Uranium: Metal of Dishonor International Action Center http://www.iacenter.org/depleted/mettoc.htm 2. A Different Nuclear War: Children of the Gulf War by Takashi Morizumi http://www.savewarchildren.org 3. LIFE Photoessay "The Tiny Victims of Desert Storm" http://www.life.com/Life/essay/gulfwar/gulf01.html 4. Letter to Congressman McDermott: Declassified 1943 memo to General L.R. Groves - a blueprint for depleted uranium http://www.mindfully.org/Nucs/2003/Leuren-Moret-Gen-Groves21feb03.htm 5. "Depleted Uranium Weapons: the Whys and Wherefores" A. Gsponer http://arxiv.org/PS_cache/physics/pdf/0301/0301059.pdf 6. "Monsters Inc." The Ecologist http://www.theecologist.org/article.html?article=372 7. Photoessay "This is War" http://www.thememoryhole.com/war/thisiswar/ <ページの先頭に戻る>
「小さな狐はじっとしている。戦争の犬達が彼らを殺してきた。」これらは戦争に関してコメントしている、有名な黒人の詩人であり作家のラングストン・ヒューズの言葉です。彼がそれをもっと巧く言ったなんてとうてい考えられません。 ハンターズ・ポイント以上に戦争の衝撃を感じた地域はほとんどありません。 戦争の衝撃は、遠く離れた国での、海の向こうでのことに過ぎないとは感じらませんでした。それは、自分自身の裏庭のまさにここにあります:放射線被曝からの、化学物質による汚染からの、および軍隊が移動し混乱を後に残す時に続いて起こる経済荒廃からの、死と病。 合衆国政府軍によるアフガニスタンへの爆撃は、ハンターズ・ポイントに直接結びついています。アフガニスタン攻撃で最近使われた劣化ウランと呼ばれる放射性物質が、海軍によって最初にテストされたのは、ハンターズ・ポイント海軍造船所でした。 合衆国は現在、エネルギー省の設備で、屋外に積まれた何十万トンもの劣化ウランを保有しています。それは最も核分裂を起こしやすい同位体(3のうちの1つ)が天然に存在するウランから抽出される時に、後に残るものの99.5パーセントを占めます。抽出されたウランは、核兵器や原子炉の核燃料として使用されます。廃棄される99.5パーセントは、それが出て来た鉱山に戻すことができません、なぜなら、粉砕し処理した後に、それが鉱山から取り除かれたより量が大きくなるからです。「劣化ウラン」は、それが放射性ではないことを意味しません。それは非常に放射能が強く、すべての生き物にとって、非常に危険です。 国防総省は、兵器の中で劣化ウランを使用するうまい考えを思いつきました、なぜなら:それは非常に密度が高く、そのことは戦車等を破壊するより大きな貫通力を与えるからです;それは「自燃発火性」であり、命中した瞬間に、それは炎と煙をともなって爆発し、非常に微細な放射性粒子を生み出し、大気中で「雨に流される」まで、それは長距離を移動し、浮遊し続けることができることを意味します。それは安く、そして処分のための責任をエネルギー省から民間人(それは私達を意味する)と環境に引き渡します。 劣化ウランは非常に放射能が強いため、それは戦場が片付けられた後も、生き物の内部に長く作用し続けるでしょう−遅発性の影響のため、人生の残りの期間、兵士や民間人に影響を与えます。ウランの半減期は45億年です。半減期の10倍の期間で放射能は些細な量になります。450億年で、それはもはや危険ではなくなるでしょう。言いかえれば、それは国防総省にとっては「楽し」く、それは武器メーカー(彼らはそれを作ることによりよい利益を手にする)にとっては「安」く、そして(480,000トンの在庫を抱えている)エネルギー省は「よい厄介払い」だと言います。 海軍は、ハンターズ・ポイントで1977年に劣化ウラン弾の初めてのテストを行いました。米艦船ビゲローから、ファランクス兵器システムが、毎分3000発の劣化ウラン貫通弾を発射しました。そのテストは予想を超えて、そして23の米国海軍と14の外国の軍事システムの注文を満たすために、1978年に製造を開始しました。 「イボイノシシ」という愛称で呼ばれた軍のA-10サンダーボルトIIは、湾岸戦争で300〜800トンの内、最も多くの劣化ウラン弾を発射しました。エイブラムス戦車、海兵隊のM-60、米国のF-16、および米国のアパッチ・ヘリコプターは、劣化ウラン兵器を発射できるようにしていました。多くの巡航ミサイルは劣化ウランのバラストを含んでいます。 劣化ウランの使用は隠されていませんが、健康被害は隠されてきました。湾岸戦争症候群は、兵士を殺したり不具にしたり病気にしただけでなく、彼らはそれを家族にもたらしました。ミシシッピーの251人の湾岸戦争帰還兵の家族に関する研究では、彼らの子供の67パーセントが目、耳あるいは脳のない状態で生まれ、指の融合、血液感染症、呼吸器障害、甲状線と他の内蔵奇形を持っていました。 合衆国は、劣化ウラン弾を製造し、39の州でテストしました。インディアナ州のジェファーソン性能試験場(Jefferson Proving Ground)での除染費用は、78億ドルになるでしょう。 劣化ウランは除染されませんでした、しかし、国防総省はその地域を閉鎖しました。これらの試験区域の近くに住んでいる地域の人々は、被曝し続け、健康問題に苦しむでしょう。 40年間、北カリフォルニアのシエラ陸軍倉庫(Sierra Army Depot)は、数百万トンの古い弾薬を燃やしてきました−それは湾岸戦争全体で使用されたより20倍の劣化ウランを含んでいます。重金属、ホスゲン・ガスおよびダイオキシンでいっぱいの放射性の煙と灰は、風下に住んでいる多くのアメリカ先住民と同様に地元の人々をも汚染しました−特にピラミッド・レイク・パイユート族の特別保留地(Pyramid Lake Paiute Reservation)。 それらの地域社会での健康問題はすさまじいものになってきています。シエラ陸軍倉庫は、覆いのない穴で古い弾薬を燃やしました−そして、それはカリフォルニアにおける大気汚染への単独で最大の要因でした−17〜23パーセント。元ピラミッド・レイクの部族長(Tribal Chairman)であるノーマン・ハリーと、ネバダ上院議員ハリー・リードは、それを閉鎖するために他の人々と共に活動しました。1か月前に、ラッセン郡は、シエラ陸軍倉庫のための焼却許可を更新することを、最終的に拒絶しました。 合衆国は、湾岸戦争、コソボ、セルビア、ビエケス島および日本の沖縄の近くの鳥島で劣化ウラン兵器を使用しました;また少なくとも23ヶ国に劣化ウランを売り、大きな利益をあげました。先に述べたように、劣化ウランは米国と英国の軍隊がアフガニスタンに対して使用している兵器の一部です。 湾岸戦争以来、湾岸諸国を汚染している劣化ウランは、風が強い日にはギリシアとブルガリアでガンマー線測定器で検知されることができます。それは「生み続けられ」そして殺しつづける兵器なのです。 劣化ウランはまた、商用および軍用機でバランサーとして使用されています。 9月11日に、ハイジャックされた飛行機はペンタゴンに墜落しました。「放射線と公衆健康プロジェクト」の研究仲間であるジャネット・シャーマン博士は、9月6日のハンターズ・ポイントでの記者会見で、[9.11の]数日前に話していました。9月11日の攻撃の後、シャーマン博士は、ペンタゴンから7マイル離れた彼女の家の中で放射線の高いレベルを検知したと、原子力資料情報サービス(Nuclear Information Resource Service)に通知しました。シャーマン博士は、ハンターズ・ポイントを訪問すめために彼女が借りていたガンマ線測定器をまだ持っていました。環境保護局、FBI、危険物処理班(Hazardous Materials Response Units)を含む他の連邦機関、米陸軍予備役(USAR)チーム、地元の消防署およびヴァージニアHAZMATは、通知を受け、そしてペンタゴンで調査が始まりました。 衝突からのたくさんの瓦礫は放射能を持っていることが判明しました、しかし、地域Vの環境放射線モニタリング・オフィスの環境保護局職員ビル・ベリンガーは、原子力情報供給サービスのダイアンD'Arrigoから連絡を受けた時、関心を示しませんでした。ベリンガーは、それが恐らく劣化ウランであることを示唆し、そしてアメリシウム241もまた衝突現場に散乱しているだろうと言及しました。彼は、劣化ウランが放射線学的に有毒ではないと確信していましたが、エアロゾル状で散布された場合、それはより大きな危険があるとコメントしました。 消防士、ペンタゴンの職員および付近の地域の人々は、炎からの煙および灰を吸い込みました。私達を守っていると思われる機関は私達を守っていません。追加の調査はありませんでした。 またニューヨークの世界貿易センターについてはどうでしょう?放射線問題は、主要メディアではほとんど報道されませんでした。それはタブーにされた話題であり、静かな殺人者です、ハンターズ・ポイント居住者がよく知りすぎているように。 この国で真の愛国者は2人の女性です:既に戦争で混乱した国の不必要な一層の荒廃に「ノー」と言ったバーバラ・リーと、ドナ・スプリングです、彼女たちはバークレー市議会でその問題を取り上げました。バークレーは、アフガニスタンへの爆撃をやめるよう要求した決議を可決した、合衆国で唯一の市です。 私達がアフガニスタンでの軍事行動に賛成しても賛成しなくても、賛成あるいは反対を言う権利を私達に与えるために、私達の闘士たちは何百年もの間、闘ってきました。戦争はまた、私達の「指導者達」がどのように私達に血を流させるかでもあります。国外でと同じように国内においても、それは[戦争は]経済的に、放射線学的に、および化学的に国土を徹底的に破壊しています。 <ページの先頭に戻る>
政府・与党は7月4日、衆院本会議で「イラク特措法」を多くの市民の反対を押し切り可決しました。私たちはこの暴挙に強く抗議します。 国会審議の過程で驚くべき事が明らかになりました。「米国に対して、イラク戦争での劣化ウラン弾使用状況を明らかにさせるべきだ」との社民党議員の質問に対し、川口外相は「アメリカは使ったとは言っていない」「国際機関の調査でも人体に対する影響はほとんどない。調査の動向は注視する」との答弁をわざわざ何回も繰り返したのです。世界中が米英軍のイラクでの劣化ウラン弾使用を知り、抗議の声をあげ、その被害を心配しています。川口外相だけが米国を擁護するためだけに「使ったと言っていない」「米国に問い合わせない」と言い張っています。一体どこの国の外相なのでしょうか。広島・長崎の被爆地を持つ日本の外相が、放射能被害の危険がある兵器の使用を隠し、被害を押し付けることなど許せません。 「劣化ウラン弾は優れているから使う」と宣言した3月14日の米国国防総省のブリーフィング、「使っているものについては安全だと信じている」と言った3月26日中央軍・ブリックス准将のブリーフィング、4月30日には中央軍・空軍がA−10攻撃機が劣化ウラン弾31万発(78トン)を発射したという文書まで公表しています。米軍自身が認めているのです。 バグダッドを初めイラク各地には劣化ウラン弾の残骸がごろごろ転がっています。子どもがその周りで遊んでいるのです。そのことは藤田祐幸氏、豊田直巳氏、広河隆一氏、森住卓氏など専門家やジャーナリスト、内外のマスコミ、広島の森瀧春子氏など市民グループの調査活動で明らかです。こんな誰の目にも明らかなことを川口外相・政府はなぜごまかして米軍を擁護しようとするのでしょうか。91年の湾岸戦争で使用された劣化ウラン弾のために、イラクの人々、とりわけ多くの子供たちは深刻な健康被害に今も苦しんでいます。今回また、一層の被害が出ることは明らかです。 川口外相や小泉首相が引用する国際機関は、政府とは全く逆のことを言っています。実質的には危険性を認めています。例えばUNEPのボスニア・ヘルツェゴビナ調査団は「劣化ウラン弾を集めて処理すること」「汚染地点はアスファルトかきれいな土で覆う」「汚染地点の地図を作る」「健康被害を調査する」などを勧告しているのです。アメリカに劣化ウラン弾使用地点・使用量を明らかにさせることこそ必要なのです。 外相や日本政府の態度は、米国の戦争犯罪・非人道的な姿勢を擁護するための犯罪的なものです。現地入りするNGOの人々はおろか、肝心要のイラクの人々を危険にさらし続ける許し難い対応です。外相と政府の対応は、今回の劣化ウラン弾使用で生じるであろう多くの深刻な被害に頬被りするものです。私たちは川口外相と政府に要求します。米国を擁護するためだけの不真面目な答弁を直ちに撤回すること。アメリカ政府に、劣化ウラン弾の使用量、使用場所、使用兵器の種類などを明らかにするよう要求すること。アメリカ政府に自分の責任で劣化ウランの撤去を行わせること。イラクにおける劣化ウラン弾による健康被害をアメリカに全面的に補償させること。 これらの声を各地からあげ、米軍の劣化ウラン弾使用を認めない川口外相と日本政府を追及しましょう。
2003年7月5日
劣化ウランの危険性とアメリカでの反対運動 7/5ルーレン・モレさん講演会参加者一同 <ページの先頭に戻る> (講演会呼びかけ文)
アメリカはイラク戦争でまたも大量の劣化ウラン弾を使用しました。1991年の湾岸戦争で米軍が劣化ウラン弾を使用して以来、帰還兵やイラク、コソボ、ボスニア、アフガニスタンの人々の間で、多くの被害が出ています。とりわけイラクの子ども達は、白血病やガンに苦しみ、今回のイラク戦争によって、その被害は一層拡大しようとしています。 ルーレン・モレさんは、科学者として、イラクのバスラ地方で劣化ウランに被曝した住民の健康調査等を行い、劣化ウランの危険性を訴えています。また、アメリカ国内で、米軍の劣化ウラン除染責任者であったダグ・ロッキ氏達と共に、精力的な反対運動を続けられています。バークレー市在住のモレさんは、バーバラ・リー議員と共にイラク戦争反対を訴えてこられました。劣化ウランの危険性と共に、アメリカ国内での劣化ウラン反対運動の状況について紹介してもらい、連帯を深めましょう。 また、モレさんは原子力発電による放射線被曝にも反対されています。ランチョセコ原発等の閉鎖によって、風下地域の乳幼児死亡率が低下したという実態調査をもとに、原発の通常運転による低レベル放射線被曝の危険性についても紹介してもらいます。
ルーレン・モレさん紹介 主催: グリーン・アクション 京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 大阪市北区西天満4-3-3星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581 アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局 松原市南新町3-3-28 阪南中央病院労働組合気付 TEL 090-5094-9483 FAX 072-331-1919 |