[報告]10/14テロ特措法反対学習会
テロ特措法による米艦船への給油活動は、集団的自衛権の行使で憲法違反

 10月14日、大阪のヒューマインドにおいて、アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局主催「『対テロ戦争』への加担反対、イラク・インド洋からの自衛隊撤退を求める学習会」を開催しました。学習会には、30名近くが参加し、活発な議論を行いました。
 政治学者岩本勲さんの講演「テロ特措法と集団的自衛権」は、戦争を禁止する国際法の流れをわかりやすく説明し、給油活動が憲法違反であることを明らかにしました。
 岩本さんはまず、国連が正義の基準ではない、湾岸戦争は安保理決議に基づくがあんなものは誰が何と言っても侵略戦争だ、ただ彼らが国連を持ち出してくる限りで我々も国際法を問題にしなければならないとして、国際法の原則は武力行使の禁止、戦争の禁止であることをまず確認しました。次に「集団的自衛権」という概念は、アメリカの侵略戦争を正当化するための道具として存在してきたものであること、国家に固有の権利であるというのは全くのデタラメであることを明らかにしました。そして、武力行使・戦争は戦闘行為と後方支援を一体化して初めて成り立つのであり、テロ特措法による米軍の軍事作戦への後方支援、給油活動は集団的自衛権の行使、完全な憲法違反だと結論づけました。それとの関係で、小沢民主党代表の、「国連決議があればISAFにも参加できる、何でもできる」という論理は全くの憲法違反で話にならないが、「油よりも自衛隊本体だ」というアメリカへのメッセージではないかとし、「政権政党」を目指す民主党への警戒の必要を指摘しました。
 参加者からは、「テロ特措法で言う‘テロ’とはそもそも何なのか」「9.11は陰謀ではないのか」など様々な質問が飛び、また、集団的自衛権の行使というのは国会でもほとんど議論されていないから問題にすべきだ、ねじれ国会というだけでなく与党内部にも「再可決」には異論があるから新テロ特措法を断念させる世論と運動の力が決定的だ、などの意見が出ました。
 署名事務局からは、国会では燃料のイラク転用が問題になっており、これは法律違反という意味で決定的に重要であること、さらに政府が再三口にする「テロとの闘い」の欺瞞を暴くこと、テロ特措法の本来の活動であるアフガニスタンに対する軍事作戦への協力、海上阻止行動の犯罪性そのものをトータルに研究・暴露・批判する必要が強調されました。
 続いて、10月6日7日に山口県岩国市で行われた「米軍再編・基地強化と闘う全国連絡会第二回総会」と岩国基地へのフィールドワークの参加報告がありました。
 最後に、日本軍「慰安婦」被害者・宋神道さんのドキュメンタリ映画 「オレの心は負けてない」
の映画会などの参加呼びかけがありました。
 次回学習会は12月9日(日)、「宋神道さん上映会とハルモニたちの証言を受け止め、深める会」(中央青年センター)[JR環状線 森ノ宮]の予定です。

2007年10月15日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局