参加報告[平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動] |
小泉首相の靖国神社参拝に反対し、8月11日から8月15日まで「平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動」が東京で行われました。私たち署名事務局も代表を派遣しました。参加した人の行動報告を順次掲載します。台湾原住民代表のチワス・アリさんは「小泉の靖国参拝を阻止できなかった。祖先の霊を返さなければ、さらに多くの人々を連れて来年も来ます。」と厳しく訴えました。私たちは、靖国参拝を阻止し、戦争責任を明らかにさせることは日本に住む私たちの責任であることを痛切に感じました。
−−8月15日靖国参拝反対行動に参加して−−
ハルモニや台湾原住民らの怒りの強さと私たちの責任を改めて痛感
(K.B./T.K)
[行動日程]
8月14日
PM14:00〜15:00 靖国神社・遊就館見学
PM16:00〜20:30 明治公園YASUKUNI NOキャンドル行動
8月15日
AM 5:00〜7:00 台湾原住民代表の小泉靖国参拝阻止行動
(千鳥ヶ淵から靖国神社へ向かって行進)に参加
AM8:30〜10:00 小泉首相の靖国参拝に反対する早朝デモ
日本橋茅場町の坂本町公園→東京駅→銀座→東京電力本社前→日比谷公園
AM 10:30〜12:00 靖国神社見学
PM14:00〜16:00 8.15ハルモニを囲む会
WAM「女たちの戦争と平和資料館」 (早稲田奉仕園)
8月14日 靖国神社 遊就館 見学
「新しくリニュウアルされていて、靖国神社の本質がより一層露骨に出ているな」というのが、私がまず思った率直な感想だ。私が最初に来た2000年頃建て替え中の遊就館は展示物を狭いスペースに展示していたものが、全く新しくなっていた。入り口からはいると中ホールがあり、「私たちは忘れない−感謝と祈りと誇り」という映画(企画・制作 日本会議、英霊にこたえる会)を50分間見せられるが、ナレーションには俳優の上村香子、浜畑賢吉が語り口調で、展開するというものだ。日清・日露の戦勝、「合法的な」(この映画では強調していた)「日韓併合」、「欧米列強からの解放」等々、どこにも、誰一人として、日本帝国主義・天皇制軍国主義の侵略の犠牲者が出てこない。一方で天皇は敗戦を決断した「御聖断」と「被害者」のように描いている。最後には日本軍と一緒に侵略させられた台湾原住民の人々に「日本の正しさ」を語らせていた。洗脳映画の一語に尽きると思った。展示物も多く、多くの若者が熱心に見入っていたのが大変気になった。
8月14日 YASUKUNI NO キャンドル行動
お昼から、韓国・台湾・日本のアーチストによるトーク・イベントが行われていた。私たちは午後4時から参加した。特に感動したのは、韓国の民族舞踊だった。初めて見たので、どういうのか詳しくはわからないが、先祖の霊を呼び起こし、慰霊するものであると思えたが、民族の情念というものがひしひしとつたわってくるものだった。キャンドル行動は午後7時頃から始まった。約1000人くらい集まり、関西からも50人くらい参加していた。私たちは「YASUKUNI」の‘に’の所のキャンドルを作った。意気あがるものだった。
翌日の朝刊をはじめマスコミの報道が小さかった。毎日、スポーツニッポン、JAPAN TIMESくらいしか、この取り組みを写真入りで載せなかった。朝日は無視だった。
8月15日 台湾原住民代表の小泉参拝阻止行動
早朝5時からということで、宿泊先のお茶の水から千鳥ヶ淵まで30分歩いて参加し、取材した。台湾原住民の代表約50人くらいが千鳥ヶ淵公園から靖国神社に向かうものだったが、警察が千鳥ヶ淵内で行進を妨害した。台湾原住民代表も押し返し、公園の先端で、もみ合い台湾原住民代表は座り込みで抗議した。警察の課長は「右翼から守ってやっているんだ。何かあったら日本側の主催者は責任とれよ」と言い放っていた。台湾原住民のチワス・アリさんは、「合祀を取り消して」と涙ながらに訴えていた。靖国神社に道路を隔てたところまで来ているのに、これ以上近づくことの出来ない悔しさ、しかしチワス・アリさんは「ここで祖先の霊と一緒になることが出来ました。合祀が取り消されないならば、来年もここに来ます」と力強く訴えられた。取り巻きには右翼もうろつき緊迫したものであった。
8月15日 小泉首相の靖国参拝に反対する早朝デモ
約700人参加。日本橋茅場町の坂本町公園から出発し、東京駅前、銀座では、沿道の注目を集めているように思えた。デモの終わりに、韓国の代表から「小泉参拝は憲法違反だ。世界が反対している参拝を強行したことは、戦争し、侵略することだ。力の論理は間違いだ。過去の秀吉も侵略した。間違ったことをしている。東アジアの連帯した力で頑張ろう」と訴えられた。台湾原住民代表のチアス・アリさんは「小泉の靖国参拝を阻止できなかった。まともにマスコミは報道してほしい。祖先の霊を返さなければ、さらに多くの人々を連れて来年も来ます。みんないっしょに反ヤスクニの闘いに参加しましょう」と力強く訴えられた。日本側の主催者の事務局長内田雅敏弁護士は「ヤスクニを解体しよう」と訴え、デモは締めくくられた。
8月15日 PM14:00〜17:00 ハルモニを囲む会
日本軍「慰安婦」問題行動ネットワーク主催。韓国のハルモニ達は来日してから3日目でとてもお疲れの様子だったが、イ・ヨンス ハルモニら3人がお話ししてくださった。その中で、VAWW-NETジャパンの共同代表で 「女たちの戦争と平和資料館」館長の西野瑠美子さんは、「埼玉県知事上田清司が『慰安婦』を引き連れて英霊は戦った、英霊を傷つけるものだから記述を消せと言っている(6/27)。靖国は『慰安婦』を隠すものだからハルモニ達はこの行動に参加した」とハルモニがキャンドル行動に参加する理由を話してくれた。イ・ヨンス ハルモニとカン・ジュヘ(韓国挺身隊問題対策協議会)さんが「去年が解放60年という事で、日本政府の対応に希望を持ったがそれは無惨にも年初でうち破られた。その年、ハルモニがたくさん亡くなった。日本に対してだけではどうにもならないので、韓国政府に対して、65年の韓日条約で日本政府が『慰安婦』問題は解決していると主張したときそんなうそを黙認したことをもって、7/5憲法裁判所に提訴した」と話された。日本に対してはどうしようもないということが、胸につきささった。
2006年8月19日