=== 緊急行動提起 === 郭貴勲さん控訴審も、郭貴勲さんの勝訴! 今度こそ政府・厚生労働省、大阪府は上告をやめて、在外被爆者に援護法を適用せよ! |
12月5日、大阪高裁は、大阪地裁判決を不服として控訴した国・大阪府の控訴を棄却し、郭貴勲さんへの韓国帰国後の援護法適用=健康管理手当の支給を命じる判決を下しました。早速支援者は、政府と大阪府に上告をさせないための取り組みを行います。郭貴勲さんは来週にも上京し、政府や国会議員との交渉に入る予定です。私たちも、12月19日の上告期限までの約二週間、できる限りの働きかけをしたいと考えます。韓国の原爆被害者を救援する市民の会より、電話・ファックス・メール攻勢が提起されています。この提起に多くの方が応えて、政府・厚生労働省、大阪府に「上告するな」の声を集中していただきたいと思います。ご協力お願いします。
(阪南中央病院 郭貴勲さん・李在錫さんの裁判を支える会 衣川)
以下、市民の会よりの呼びかけと宛先です。
在韓被爆者・郭貴勲さんへの上告をやめて、即刻、在外被爆者に被爆者援護法を適用するよう求める電話・ファックス・メール攻勢のお願い
12月5日、大阪高裁(根本裁判長)は,在韓被爆者・郭貴勲さんの「日本政府が,いったん被爆者であると認定した被爆者は,どこに住もうとも被爆者であり,韓国帰国後も被爆者手当を継続支給せよ」との訴えを,認定しました。
昨年6月1日にも大阪地裁が郭責勲さんに同様の判決を下しましたが,日本政府はこれを不服として控訴しました。
昨年12月には,長崎地裁も,郭さんと同様の訴えを起こした李康寧さん勝訴の判決を下しましたが,日本政府は再び控訴しました。
その問にも在外被爆者の高齢化は加速度的に進行し,苦しみのなかでこの世を去る被爆者の数は,増加の一途をたどっています。
在外被爆者は,名乗りを上げているだけでも,韓国で2100名,北朝鮮で1000名,北米で1000名,中南米で160名もいます。
これらの被爆者は大阪高裁判決に大きな希望を見いだしています。
日本政府はこれ以上在外被爆者を苦しめてはなりません。
郭さん裁判の被告である日本政府(小泉総理大臣・坂口厚生労働大臣・森山法務大臣)と,大阪府の太田知事および医療対策課に対し,「上告するな!在外被爆者に被爆者援護法を適用せよ!」との,市民の声を届けてください。
このような一人一人の小さな力が,日本政府や大阪府を動かす力になることを信じて,できるだけたくさんの声を,下記の宛先に電話やファックスやメールで届けてください。
上告期間は2週間ですが,小泉総理・坂口大臣・森山大臣がハンセン病裁判で示したように,在外被爆者の苦しみを理解し,一刻も早く「上告しない」との英断を下すよう,みなさまのご協力をよろしくお願いいたします。
2002年12月5日 韓国の原爆被害者を救援する市民の会
《日本政府に対して》
●小泉総理大臣への「上告するな!」は
▼内閣広報室
電話 03−3581−0101
ファックス 03−3581−3883
▼首相官邸ホームページの「ご意見募集」サイト
http://www.kantei.go.jp/forms/goiken.htm/ に意見を書いて送信
● 坂口厚生労働大臣への「上告するな!」は
▼厚生労働省官房総務課
電話 03−3595−3037
ファックス 03−3595−2392
▼厚生労働省ホームページの「ご意見・ご感想」サイト
http://www.mhlw.go.jp/getmail/getmail.htm に意見を書いて送信
●森山法務大臣への「上告するな!」は
▼法務大臣秘書官室
電話 03−3581−0530
ファックス 03−3592−7008
▼法務省への「ご意見・ご感想」のメールアドレス
E-mail: webmaster@moj.go.jp にて送信
《大阪府に対して》
●太田府知事への「上告するな!」は
▼知事への提言
ファックス 06−6944−1010
▼「知事への提言広場」サイト
http://www.pref.osaka.jp/j-message/teigen/tijifmt.htm/
●医療対策課への「上告するな!」は
▼ファックス 06−6944−6691
▼E-mail: imushigo@sboxpref.osaka.jp
郭貴勲さん勝訴裁判を傍聴して
2002年12月5日、大阪高裁で、歴史に残る画期的な判決が出ました。
在韓被爆者・郭貴勲さんは「被爆者はどこに住もうと被爆者だ。日本を出国したからといって被爆者手当を打ちきったのは不当である」と訴え、裁判を起こしていました。そして今回、大阪高裁は、「明文規定がないのに、国外に出ると被爆者の地位が失われるとした国の解釈は是認できない」として、郭貴勲さんの訴えを全面的に認めたのです。
今回の判決は、国の主張に全く耳を貸していません。被爆者援護法は「社会保障と国家補償の性格を併せ持つ特殊な法であり、国籍も資力も問わず一律に援護する人道目的の立法」なのだから、在外被爆者への「適用を排除する解釈を導くことは困難」だ。「適法に被爆者の地位を得た者が日本に居住しなくなったからといって地位を喪失するという解釈は合理的とは是認できない。『被爆者はどこにいても被爆者』を直視せざるを得ない」――郭貴勲さんが繰り返し主張してきた『被爆者はどこにいても被爆者』という言葉が、判決文の中でも認められたのです!
在韓被爆者をはじめとして、外国に住む被爆者は、長い間、被爆者である苦しみを理解されることなく、無権利状態に置かれてきました。渡日すれば被爆者手帳が交付され、医療と手当が受けられますが、帰国すればその権利は剥奪されました。これは在韓被爆者ら韓国・朝鮮人の問題だけではありません。ブラジルやアメリカに移民した日本人被爆者も、在韓被爆者を法の適用から排除するために、手当を打ちきられたのです。
ヒロシマ・ナガサキの被爆者の約一割が朝鮮人だったといわれ、終戦後、身寄りもなく生きる術も失った朝鮮人被爆者の多くは、朝鮮半島に帰国しました。「日本人」として被爆し、被爆者としての正当な権利を受けられないまま半世紀以上苦しんできたのです。この日判決に傍聴に来られていた東京在住の日本人被爆者は、こう仰有っていました。「当時から日本に苦しめられ、日本のせいで被爆し、本当に長い間苦しんでこられた朝鮮人被爆者。私は医療費もただで、手当も受けていますが、本来私なんかよりも先に援助を受けなければならないはずなのです」
在外被爆者は、名乗りを上げているだけでも、韓国で2100人、北朝鮮で1000人、北米で1000人、中南米で160人もいます。これらの方々はみな高齢で、援護を受けられず苦しみの中、今現在も亡くなっていっています。
一審も二審も、郭さんの全面勝訴でした。一審勝利後、国は「検討委員会」を設置し、様々な「改善策」を弄してきました。渡日治療のためにカネを出すとかナントカ……。しかし国の欺瞞もこれまでです。被爆者はどこにいても被爆者です。どこにいようと、被爆者としての当然の権利があるはずです。
坂口厚労相は、「今後の在外被爆者に対する施策は、高裁の判断を待ちたい」と発言してきました。そして今回、高裁は郭さんの主張を認めたのです。
在外被爆者の苦しみは、これで終わりになるはずだし、終わらなければなりません。現在郭貴勲さんの裁判の他にも各地で在外被爆者裁判が争われていますが、国は一切を止めなければなりません。決して国は被爆者の死を待っていてはいけません。今すぐ、在外被爆者に被爆者援護法が適用されるべきです。
皆さん、お願いです。国の上告期限は12月19日までです。それまでの間に被告である日本政府と大阪府に「上告するな! 在外被爆者に被爆者援護法を適用せよ!」の声を届けて下さい。ハンセン病のときがそうであったように、一人一人の声が、日本政府や大阪府を動かす力になると信じています。できるだけたくさんの声を、電話やファックスやメールで届けて下さい。
お願いいたします。(D)
(外部リンク)
阪南中央病院「郭貴勲さん・李在錫さんの裁判を支える会」アピール
(写真報告、FAX用要請文ダウンロード付)