有事法案衆院可決に、韓国の議員30名が反対

 衆議院通過を前に、韓国の「民族正義を建てる国会議員の会」の30名の議員が衆議院議員全員に法案通過に反対する「要請文」をFaxで送りました。以下に転載します。



有事法制 3法案に反対していただけることを訴えます

尊敬する議員各位

韓日両国の未来志向的な同伴者関係の強化を望む心から、大韓民国国会議員30名の文章をお送りいたします。

本日もしくは明日中に日本の国会で有事法制3法案に対する票決がなされると聞いております。日本の国内法に対し隣国の国会議員たちが意見を差し上げるのは適切でないという点はよく承知しておりますが、有事法制はその影響が日本国内に限定されるものでないがゆえに、本日やむを得ず要請文をお送りすることになりました。

我が議員たちと大韓民国の国民たちは、有事法制が過去のアジア諸国家と国民たちに大きな痛みを与えた不幸であった戦争の歴史を再演しうるということに対し、深刻な憂慮を持っております。有事法制の通過は直ちにアジアの軍事・安保環境を悪化させる充分な契機になるという点からも、極めて大きな憂慮を持っております。

有事法制に対しては、アジアの他の国々だけでなく、日本国内の弁護士団体や知識人たち、市民諸団体も反対の意を多くとなえていることを知っております。昨年の毎日新聞の世論調査でも、81%が否定的であり、賛成は6%に過ぎないという結果が示されました。戦争という悲痛な歴史を繰り返す道を進むまいということが、日本国民多数の意見だと考えます。

日本憲法9条は、軍隊を持ったり戦争をすることを禁止しています。それゆえ、日本の憲法は大韓民国でも「平和憲法」と呼ばれています。ところが、有事法制は平和憲法の精神に真っ向からはずれるものだと考えます。

切に要請いたします。今日の法案決議の場を前に、平和憲法の精神をもう一度考えて下さい。一瞬の誤った判断で世界の人々を戦争の苦痛に追いやった不幸であった歴史をもう一度考えてください。

そして特に、日本が国際社会のリーダー国家として認められる道は、軍事的位相の強化にあるのではなく、高い水準の道徳国家の面貌を見せるところにあり、世界各国がそのような基準によって日本の国際社会での位相と役割に関して考えているという点を充分に考慮し、今回の法案処理に御理解をいただけますよう、もう一度切に要請いたします。

ありがとうございました。


2003年 5月14日

大韓民國 國會議員
金希宣,金敬天,金富謙,金成鎬,金榮煥,金泰弘,金孝錫,南景弼,「基善,朴相熙,朴是均,徐相燮,薛松雄,薛勳,宋光浩,宋永吉,辛基南,沈載權,安泳根,元裕哲,李相洙,李在禎,李鍾杰,李昌馥,李浩雄,任鍾ル,全甲吉,鄭東泳,鄭長善,崔龍圭