[抗議声明]洞爺湖サミット直前の不当な弾圧と入国審査に抗議する

 7月7日からの洞爺湖サミットにあわせ、7月4日から9日まで札幌で「国際民衆連帯DAYS・連帯フォーラム」という企画が開催されている。これには日本の様々な市民団体、農業団体、女性団体、労働組合等に加え、スーザン・ジョージ、ウォールデン・ベローやビア・カンペシーナ、韓国民主労総、ジュビリー・サウス等の農業団体、労働組合、市民団体が参加した。
 ところが、この集会に参加しようとした韓国の農業団体「全国農民総連盟(全農)」に所属する19名および、「全国民主労働組合総連盟(韓国民主労総)」の5名のうち4名が入国を拒否され、1名が「公務執行妨害」で逮捕されるという前代未聞の事態が生じた。
 「全農」という団体に所属しているということをもって全員が入国を拒否されるということは、これまで前例のないことである。現韓国政府は、彼らの個人情報を日本政府に流した。市民運動、労働運動を弾圧することにおいては、日韓の政府が情報を共有しているのである。
 「全農」の19名は、日本の農民団体と女性団体が招待し、ビア・カンペシーナなど世界と日本の農民団体、市民団体との交流を目的にしており、日本での行動日程、宿泊場所等をすべて明らかにしたにもかかわらず、「入国目的が不明」として入国を拒否されたのである。
 「韓国民主労総」に対しても同様の対応がなされた。こうした人権侵害の場面を撮影しようとしてカメラを構えようとしたメンバーの一人に対し、入国管理局の職員7〜8人がいっせいにカメラを奪おうとしてきた。とっさにカメラを取り戻そうとしたら、いつの間にか職員の一人が頭を壁にぶつけていた。この正当な防衛行為が「公務執行妨害」とされ、逮捕されてしまったのである。
 これは、洞爺湖サミットが、いかになりふり構わぬ非民主的な対応、強権的な弾圧によって、世界の市民の声を圧殺しようとしているものであるかを如実に示している。
 彼らが入国できなかったことによって、「国際民衆連帯DAYS・連帯フォーラム」のいくつもの企画が内容の変更を余儀なくされた。特に5日の午前中に開かれた「労働組合のFTA戦略」という会議は、主催者もメインスピーカーもいないという非常な困難の中で、羽田経由で入国できた5人の「韓国民主労総」のメンバーと日本の市民団体の尽力によって、なんとか実施された。
「韓国民主労総」は、これらの事件について、日本政府に対して公式の謝罪を求めている。私たちは、これに賛同し、連帯の意志を込めて日本政府と入国管理局の対応に抗議する。

2008年7月7日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局