アフガン・イラク戦争支援、インド洋給油再開のためだけの国会再延長強行採決に抗議する!
防衛省疑惑を徹底追及し、新テロ特措法を廃案に追い込もう!

 福田政権は12月14日、国会会期の1ヶ月再延長を衆院本会議で強行採決した。アフガン、イラクで侵略戦争を遂行する米軍へのインド洋給油を再開する新テロ特措法の採決のためだけの国会再延長である。私たちはこの暴挙に断固抗議する。福田は「60日規定」を使ってごり押し再議決も辞さない構えだ。福田には、悪化する人民生活も、ワーキングプアやネットカフェ難民の悲痛な叫びも、高齢者の医療・年金に対する不安、切り捨てに対する怒りも目に入らない。「消えた年金」に関する国民への公約は忘れるが、給油再開の対米公約は死んでも忘れない−−これが福田政権の基本スタンスである。
 福田は、大問題になっている防衛省疑惑と給油問題とを切り離し、新テロ特措法の審議膠着の責任を野党に押しつけている。だがそもそも参院選惨敗から安倍の辞任、総裁選という2ヶ月以上の政治空白を作ったのは自民党のお家事情ではないか。しかも問題はゴルフ接待問題でも、宴席問題でもない。この事件は、防衛省官僚と政界とりわけ久間、額賀ら防衛族閣僚、軍需産業と軍事関連商社、米軍需産業、米政府高官を巻き込む一大疑獄事件である。日本が侵略国家へと変貌するための新兵器購入、米軍再編と普天間移設利権、グアム移転利権、MD利権などという総額で3兆円とも5兆円とも言われる巨大軍事利権を巡る構造的な汚職事件である。さらに肝心の「80万ガロン」ねつ造問題とそれへの守屋と石破、福田の関与、給油燃料調達をめぐる米石油会社と日本の軍事商社との随意契約疑惑も、防衛省疑惑の一環なのだ。
 だが、福田政権にとって再延長は両刃の剣である。年金問題での公然たる公約破棄と開き直り、C型肝炎薬害問題での被害者線引き・切り捨てなど、最大の焦点であるテロ特措法にとどまらず、人民生活と生命を踏みにじる福田政権の基本姿勢と政策に対する人々の激しい怒りの前に、政権は再び守勢に立たされることになった。人民が生活悪化と困窮にあえいでいるなかで、官僚や政治家は接待を繰り返し、税金を湯水のように使っている、ブッシュが世界中で戦争を遂行し何十万、何百万という人々を殺戮するおかげで政治家や「死の商人」たちが懐を肥やす−−そのような古典的な戦争の矛盾が白日の下にさらされている。
 福田政権は盤石ではない。広範な反対の世論と運動が重要である。追及の手を緩めてはならない。延長国会で、防衛省疑惑、年金問題を徹底して追及することが、新テロ特措法を廃案に導くだろう。対米追随とブッシュの戦争政策への加担、軍国主義化と海外派兵の恒常化、消費税増税、年金切り捨て、医療・福祉切り捨て、大衆収奪、人民生活悪化に反対しよう。防衛汚職追及と給油新法反対、生活防衛を堅く結合し、対決していこう。

2007年12月14日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局