[署名事務局声明]
日の丸・君が代強制は憲法違反 東京地裁で画期的判決!
−−安倍政権の教育基本法改悪と闘う武器にしよう−−
◎日の丸・君が代は、「皇国思想や軍国主義の精神的支柱」と認定
◎憲法第19条思想・良心の自由を侵害すると明記
◎教育基本法10条1項『不当な支配』に該当し違法」と指摘

(1) 東京地裁は9月21日、卒業式や入学式などにおける日の丸掲揚時の起立と君が代斉唱を教職員に義務づけた東京都教委の10.23通達は、憲法違反との判決を言い渡しました。原告401人全員に3万円の賠償を都と都教委に命じる、原告全面勝訴の画期的判決です。私たちは、職や生活を賭してこの先駆的な予防訴訟裁判を闘ってきた原告や支援者の方々に深く敬意を表したいと思います。


(2) 判決はまず、日の丸・君が代が「第二次大戦までの間、皇国思想や軍国主義の精神的支柱」であったという事実を明確に認定し、現在も反対の声が存在することを指摘しました。
 その上で、そのような日の丸・君が代を強制する「通達は不当な強制に当たり、憲法が認める思想・良心の自由を侵している」と指摘し、通達が、思想・良心の自由を定めた憲法19条に違反しているとことを確認しました。

 また、通達や都教委の指導、校長の職務命令は、「教職員に一方的な一定の理論や観念を生徒に教え込むことを強制するに等しい」として、教育基本法10条1項で定めた「不当な支配」に該当し違法と判断しています。
 すなわち、この判決は、憲法19条と教育基本法第10条を根拠とした、明確な違憲・違法判決です。そして、判決は、「教職員は、国歌斉唱の際に起立するなどの義務はなく、むしろ思想良心の自由に基づきこれらの行為を拒否する自由を有している」と明確に述べています。

 さらに、原告らの「精神的損害」への3万円の慰謝料を認めたことは、通達を根拠とした処分の異常さ、すさまじさを認定したことを意味します。判決は、都教委による「懲戒処分」や「再発防止研修の受講」、「再雇用の拒否」などを指弾しました。そして教職員へのなりふり構わぬ弾圧の不当性を「裁量権の乱用に当たる」と批判し、その人権侵害への賠償を認めたのです。


(3) この判決は、日の丸・君が代攻撃と闘う全国の教職員を勇気づけるものです。全国各地で、孤立し繰り返し処分を受けながら抵抗してきた良心的な教職員は、さらに確信をもってその信念を貫くでしょう。
 またこの判決は、改めて、日本国憲法の意義、教育基本法の意義を確認するものとなりました。その意味で、この判決は、客観的に、憲法改悪と教基法改悪を最大の目標とする安倍新政権誕生に対する先制パンチになりました。

 安倍自民党総裁は、憲法改悪に向けた最初のステップとして、臨時国会での教育基本法改悪を最重要課題として位置づけています。私たちは、これを絶対に阻止しなければなりません。安倍氏とその周囲に巣くう右翼勢力・反動勢力は、再度巻き返しを図るでしょう。否が応でも教育基本法改悪を巡る対決機運が高まっていくでしょう。その時、この判決は、臨時国会での闘いの大きな武器となるでしょう。
 私たち反戦平和運動も、教基法改悪阻止、憲法改悪阻止を前面に掲げて、予防訴訟の原告や支援者の皆さん、全国で日の丸・君が代今強制反対に取り組む教職員の皆さんとともに、闘う決意です。

2006年9月21日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局



※「日の丸・君が代」強制反対予防訴訟をすすめる会のホームページ
http://homepage3.nifty.com/yobousoshou/
※「声明」
http://homepage3.nifty.com/yobousoshou/sakusaku/1_1.htm