■ 政府は16日有事法制関連3法案を閣議決定し17日衆院に提出しました。連休前26日にも本格審議入りしようとしています。 日米両政府は16日、日米安保最高事務レベル協議(SSC)を開きましたが、その席で米側が今回の閣議決定を「肯定的に評価する」と発言しました。なぜ「日本の防衛」のためであるはずの法律をアメリカが歓迎するのか?皆さん、おかしいとは思いませんか。ここに今回の有事法制の本質が端的に表れているのです。 私たちが、署名への呼びかけなどでも主張してきたように、有事法制は「日本の防衛」「日本有事」のためのものではないのです。だから法案名も全くデタラメです。「我が国の平和と独立」どころか、逆に日本とアジアの平和を危うくするものであり、「国民の安全」を守るためではなく、国民を危険に陥れるものなのです。だまされてはなりません。 ■ 政府は「なぜ今有事法制なのか?」という疑問に全く答えられません。「なぜこれまでなかったのか。その方がおかしい」と言い訳するのが精一杯なのです。なぜこれまでなかったのか。その答は簡単です。「平和憲法」と反戦平和運動、何よりも国民の平和の願いなどが、戦前のような侵略国家作りを許さなかったからです。 それではなぜ政府は本当のことを言えないのか。それは、軍産複合体と石油メジャーなど戦争屋からなるブッシュ政権の新たな侵略戦争に加担し、どこまでも付いていくための法案などと、国民に向かってまともに答えられないからです。あまりにも露骨だからです。 具体的には、今アメリカが進めているイラクへの戦争準備のために有事法制が必要不可欠なのです。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への攻撃や台湾海峡での中国との軍事的対峙など、東アジアでアメリカが大規模な侵略戦争や戦争挑発をやるための大前提になるのです。従って「平和憲法」を全面否定し、自衛隊を軍隊として法的に承認するだけではなく、米軍と一緒に侵略行動するという集団的自衛権と武力行使を認めるものなのです。 ■ 小泉首相は、16日の首相談話でテロや不審船などへの対応を改めて強調しました。武力攻撃事態法は、「武力攻撃事態」を武力攻撃が予測される事態と定義し、「周辺事態」など防衛出動が適用できない事態に拡張し、事実上の集団自衛権に道を開くものです。自衛隊法改正案は、自衛隊が防衛出動命令を受ける前から、民間の土地に陣地を築いたり、武器使用することを認めています。有事法制は、外からの武力攻撃に備えるものなどではありません。アメリカの一緒になって、他国へ侵略するために日本国内に人為的な「有事」「戦時体制」を作り出すものなのです。 それは不可避的に国内弾圧法となり、基本的人権やありとあらゆる人権を剥奪し抑圧するものになるでしょう。もちろん反戦の声などは真っ先に弾圧の対象にされるでしょう。また、有事法制と合わせて最優先課題にされているメディア規制3法による言論弾圧、言論統制も国内弾圧法として同じ性格を持つものです。 署名運動もいよいよ本番に入りました。署名を武器として有事法制の危険な本質を多くの人たちに知らせ、反対の声を広げていきましょう。
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