自衛隊はどこまで人命を軽視したら気が済むのか
イージス護衛艦漁船衝突事故糾弾!

 またしても許し難い事件が起こった。2月19日未明最新鋭イージス護衛艦“あたご”が操業中の漁船に衝突した。直撃された漁船は真っ二つに折れて沈没した。乗組員の親子二人が冷たい海で行方不明になっている。2人の無事を心から祈りたい。
 私たちは、自衛隊の人命軽視に怒りを抑えることはできない。断固糾弾する。晴天であったこと、最新鋭のイージスシステムを搭載した護衛艦であること、あたごの右舷側に傷があること、漁船が操業中であり航行の優先権があったこと等々どれをとっても“あたご”に重大な過失があることは間違いない。いや過失ではなく犯罪である。現場はマグロ、カジキ、カツオ漁がさかんで漁船や貨物船の航行も多いという。そんな貴重な漁場を“あたご”は、1月中旬にハワイ沖で迎撃ミサイルSM2の発射実験を行い、わがもの顔で航行していたのだ。前方を横切る別の漁船を確認したにもかかわらず速度も落とさずそのまま航行を続けたことも明らかになっている。巨大イージス艦に比べれば豆粒ほどの小さな漁船は、目にも入らないのか。入っても無視するのか。漁協の組合長は「ミサイルを瞬時に撃ち落とす最新鋭の護衛艦がこんな小さな船を事故に遭わせて、自衛隊に文句を言いたい」と怒りをあらわにしている。
 福田首相や石破防衛相は、防衛省や首相官邸に報告が遅れたことをことさら問題にし、有事の危機管理に結びつけようとしている。だが的外れも甚だしい。通報の遅れそのものが人命軽視の表れではないか。今回の事件は、88年横須賀沖での潜水艦なだしお衝突事件、01年のえひめ丸への米潜水艦衝突事故と同じだ。いずれも多数の犠牲者が出ている。事故は繰り返される。ミサイル防衛、米軍基地再編、海外派兵など日米軍事同盟強化と軍国主義化がもたらした重大事故である。絶対に許してはならない。政府・防衛省の責任を断固追及する。
※<イージス艦事故>直前遭遇の船長「イージス艦は減速せず」(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080219-00000174-mai-soci

2008年2月19日 PM9:00
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局