[翻訳資料:現地レポート]
麻酔薬の代わりに頭痛薬を使わざるを得ない外科医
Surgeons using headache pills instead of anaesthetic
By Cahal Milho and Andrew Buncombe
バグダットから(4月9日2003年)
Independent News Headline より
(http://news.independent.co.uk/world/middle_east/story.jsp?story=395413)


 バグダットにあるアル・キンディ病院における鎮痛剤は底をつきつつあり、昨日外科医は、患者の手術に麻酔ではなく頭痛薬を用いた。

 市医療総合病院は、650床規模の病院であるが、患者であふれかえる病棟の電気と水の供給は途絶えている。27ある市の医療機関における手術施設の中で6つが機能していた。それは72時間ノンストップで駆動していたバックアップ電源によるものであったが、まもなくそれも停止する。「バグダットの負傷者への手当は、医師と看護婦による最小限度の人員でやりくりされてきた。彼らは文字通り、戦闘のまっただ中においても働き続けていたのである」と援助機関は述べている。


アリ・イスマイル・アッバス君12歳。4/6 バグダッドの病院で。
彼は深夜の空爆で両親、兄弟と両腕を失った。(REUTERS/Faleh Kheiber)
 この間、次々と民間人被害者は、担ぎ込まれたり、あるいは家族に連れられて12の主要な病院に流れ込んできた。「今や地上戦が闘われ、さらに多くの人々が深刻な打撃を受けている。医師にとっては、さらにたいへんなことになろう」と国際赤十字のロナルド氏は語っている。「もし市街戦がさらに激化すれば、医療施設は完全に押しつぶされるであろう」。犠牲者が続々と増えようとも、民間人の服装をした兵士が闘っている戦闘において、またそこに敵がいるに違いないとして民間人の多くが撃たれたりする中、何を語っても無駄である。イラクに330人ものスタッフがいる国連の世界保健機構は、少なく見積もっても一日に「数百人」もの死者、負傷者がでているだろうと述べている。 WHOスポークスマンのイアン・シンプソンは、「誰もその数字について語れないが、莫大な民間人犠牲者が存在している」と述べている。ある地域では、チグリス川沿いにおける同盟軍の空爆と地上軍の破壊による兵士と民間人の犠牲はあまりにもすさまじく、一時間の間で100人の負傷者が病院に担ぎ込まれてきた。

 昨日のバグダット西部のアル・キンディでは、10人の重傷患者が戦闘がおさまった一時間の間に担ぎこまれた。昼頃までに75人市民が、銃撃、破片、爆風によって負傷したことが確認された。報道されている情報によると、イラク全土において1087人の民間人が死亡したとされている。しかし事情に精通している者にとっては、その真の数値ははるかに大きなものであると考えている。国際赤十字は、犠牲者をカウントすることを早々と止めてしまった。なぜならば、正確なカウントなど、もはや不可能な状況だったからである。またこれに加えイラク兵の犠牲もある。リポーターが接近できない病院に彼らは担ぎ込まれる。米国防総省が確認しただけでも、バグダット侵攻の最初の2日間で、2000−4000人が殺された。多くの死を生み出しているこの流れに対処してきた医師にとって、問題は多岐にわたり、また多すぎる負傷者にある。それは、にぶいドスン、ドスンと鳴り響く戦場の音がかってないほど接近していることの証明でもある。

 キンディの外科医であるモハマド・カミル医師は、「金属の破片による負傷に直面しているだけではない。ミサイルとロケット砲による負傷である。切断、切除しなければならないのである。負傷者には緊急手術が必要なのである」と述べている。まともな設備もない中での外科手術は増加している。キンディでは医師は、手術にたったイブプロフェン800mgだけしか投与できなかった。頭痛薬の錠剤2つと同程度の。消毒されたタオルはすでにない。緊急用発電器を使いすぎて役立たないのである。他の場所のヘルスワーカーは、特にモルヒネのような麻酔薬、イラクの猛暑における感染を防ぐ抗生物質のストックがつきつつあると語っている。戦闘に巻き込まれての負傷−爆風、頭部の負傷、脊椎損傷−これらの対応するための特別な治療のための備蓄は、ほとんどつきつつある。国際赤十字のスポークスマンのナダ・ドマニーは、「私たちは必要とされる所へは駆けつけたい。しかし戦闘があり、病院に行けないのである。バグダット以外の地域も同じである。バグダット市内の病院はすでに限界に達している。治療、手術の担当者は24時間、働きづめである。」

(*緊急翻訳につき、不正確な訳があるかもしれません。ご容赦ください。2003.04.09)