サマラ、ファルージャ、サドルシティ等で住民の死傷者が続出 |
米軍は「選挙」のための無差別攻撃、「選挙」のための住民虐殺をやめよ! |
◎銃口を突き付けた血の海の下での「民主選挙」などあり得ない。米占領下の総選挙に反対する。
◎日本政府は「選挙」支援をやめよ。
◎米英・多国籍軍、自衛隊のイラクからの撤退を求める。 |
−−−サマラ:証言者が告発。米軍の残虐行為の数々−−−−−
「埋葬することの出来ない多数の遺体があった。
遺体は彼らの家の庭先に埋められた」
「少なくとも80体の遺体と100人を越える負傷者が
施設に運び込まれた。
犠牲者がどれだけいるのか見当もつかない。」
「遺体や負傷者は街の至る所に転がっている。
われわれは彼らを運び出し手当しようとするが、
米兵はわれわれを銃撃する。そして米軍はわれわれに対して、
女性や子どもは運び出してもいいが、
男たちを運び出すことは許さないと命じている。」
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(1)これはファルージャ型の虐殺だ!−−イラク中部の都市サマラを包囲し一斉攻撃。病院や街頭におびただしい数の死体。
私たちは、何よりもまず米軍によるサマラ(バグダッドの北125km)での無差別大量虐殺を糾弾します。米軍は、9月30日夜から1日午前にかけ徹底的な空爆を加え、次に5000人もの大部隊を動員し、一軒一軒ドアを叩き割って住宅に侵入ししらみつぶしに急襲してます。モスクや市庁舎への攻撃も加えています。家々は破壊されあるいは崩壊し、下敷きになって死亡した遺体も多数あるといいます。APやロイター等の通信社の速報だけで、無抵抗非武装の一般市民ら109人が殺されました。米軍は今なお街を包囲し、無差別の大量殺りくを展開しています。
ロイター通信によれば地元の病院に47人の遺体が運ばれました。その大半が女性や子ども、老人です。また、別のサマラの病院の話では、10月1日、11人の女性、5人のこども、7人の老人をはじめ、おびただしい死体が運ばれてきました。街の通りにはその何倍もの死体と負傷者の山が積み上がっているといいます。
※「US forces pound Samarra and Falluja」(アルジャジーラ)
http://english.aljazeera.net/NR/exeres/CDECB884-8265-4BD6-B4ED-09F4C3EF7262.htm
5000人もの兵力による包囲下での虐殺、狙撃兵を動員しての皆殺しは、700人とも1000人ともいわれる住民虐殺を行った今年4月の“ファルージャの大虐殺”を彷彿とさせるものです。10月2日のAP通信はサマラの住民の声を、こう伝えています。「10月1日には米軍の狙撃兵が市の中心の建物の屋根に登り、通りで動く者すべてを狙い撃ちしていた。」
また、19歳の高校生は語っています。「埋葬することの出来ない多数の遺体があった。遺体は彼らの家の庭先に埋められた」と。
サマラ総合病院のカリド・アーメドは「少なくとも80体の遺体と100人を越える負傷者が施設に運び込まれた。犠牲者がどれだけいるのか見当もつかない。」「遺体や負傷者は街の至る所に転がっている。われわれは彼らを運び出し手当しようとするが、米兵はわれわれを銃撃する。そして米軍はわれわれに対して、女性や子どもは運び出してもいいが、男たちを運び出すことは許さないと命じている。」
米軍は遺体を散乱させることで見せしめにし、犠牲者に少しでも温情を示す住民には容赦なく銃撃し殺害しているのです。
※「U.S. Commander Claims Success in
Samarra」(AP通信)
http://abcnews.go.com/wire/World/ap20041002_1353.html
サマラでは断水が続いており電気の供給もストップしています。米軍が攻撃に際して予め道路を封鎖し電話線を切断し電線を断ち切ったのです。サマラの住民を完全に街に隔離し封じ込め、掃討作戦を展開しやすくするためです。これはもはや計画的な大虐殺、戦争犯罪だと言わなければなりません。米軍は、緒戦において100人のゲリラを殺害、37人を拘束し、「市の半分を掌握した」「開戦以来最大の軍事行動の一つだ」と戦果を誇示していますが、これは裏返せば、開戦以来最大の大虐殺だということなのです。
※「Aided by Iraqis, U.S. Seizes Part
of
Rebel Town」(ニューヨーク・タイムス)
http://www.nytimes.com/2004/10/02/international/middleeast/02iraq.html?oref=login&th
米軍は、サマラの住民の生活をズタズタにし、市民の死体の山を積み上げ、街全体を廃墟にしようとしています。これで「選挙」を強行して、しかもそれを「民主選挙」と強弁するつもりなのでしょうか。全くイラク民衆を愚弄するものです。
(2)「選挙」に向け巻き返しの“標的”にされたサマラ。米・傀儡政府が“弱い環”として“突破口”に選ぶ。
今回のサマラ攻撃の本質は、「選挙」のための虐殺という一語に尽きます。米軍=暫定政府の目下の最大の関心事は来年1月の「総選挙」です。それまでに武装抵抗勢力を壊滅させること、スンニ派三角地帯の幾つかの拠点を奪回することなのです。米軍は4月の激しい戦闘によって叩き出されたスンニ派三角地帯の一角ファルージャ、そしてシーア派の抵抗の強いバグダッドのサドル・シティに対して激しい攻撃を加えてきましたが、強い抵抗の前に後退を余儀なくされました。
しかし来年1月の選挙強行まで時間がありません。そこで今度は、外堀から埋めて行こうとしているのでしょう。相対的に“弱い環”として、ファルージャよりも人口が少なく、一定部族長らと対話のルートがあるサマラに焦点を絞り、ここをまず最初に切り崩し形勢を逆転することで、逆にファルージャへ攻めていこうというシナリオを描いているのです。米軍はイラク国内とメディア向けにご丁寧に“口実”も考えたようです。サマラがファルージャとバグダッドへの武器供給基地であると言うのです。
元々このサマラは、ファルージャと同様、相次ぐ米軍の攻撃と殺戮の繰り返しの中で、住民が業を煮やして米軍を追放し「住民自治」を形成してきたのです。スンニ派三角地帯の中では「半解放区」の位置にあると考えられます。
※「U.S. Plans Year-End Drive to Take
Iraqi
Rebel Areas」(ニューヨーク・タイムス)
http://www.nytimes.com/2004/09/19/international/middleeast/19strategy.html?th
※ファルージャとラマディ、あるいはナジャフと比較し、サマラは米軍が比較的関与出来る地域であった。7月の反米攻撃でサマラからの撤退を余儀なくされた米軍は、サマラに通じる橋を閉鎖し、その開放を条件に部族長らと交渉を進め、反米勢力の押さえ込みと米軍の再進入の合意を勝ちとり、9月9日に再進入を果たしていた。そして米軍への攻撃の頻発を口実に、合意から2週間後、再び橋を閉鎖し、一気に攻勢にでたのである。
「US lead new offensive on Samarra」(フィナンシャル・タイムズ)
http://news.ft.com/cms/s/ed54f00e-138a-11d9-aa94-00000e2511c8.html
※「Samarra no-go zone for US soldiers」The
New Nation By AP, Baghdad Sep 3, 2004
http://nation.ittefaq.com/artman/publish/article_12038.shtml
同時に、ラマディ、ファルージャの2大都市を制圧するために、イラク兵の戦闘訓練をサマラの実戦でおこなっているとも伝えられています。文字通り虐殺の訓練です。今回のサマラへの攻撃は、「NO−GO
ZONE」地域での奪回作戦を開始するテストケースであり、残る「解放区」への大規模侵攻への“突破口”となる危険性を持っています。何としてもこれを防がねばなりません。
(3)並行しファルージャ、サドルシティでも大虐殺を開始。
サマラだけではありません。米軍は、抵抗闘争の強いファルージャでも、先月末から連日激しい攻撃を加えており、多くの犠牲者が出ています。ファルージャ市民を恐怖に陥れるために、昼夜を問わぬ激しい空爆を繰り広げているのです。
−−米軍は10月3日未明、ファルージャ市内を空爆し、目撃者や病院当局者によると、2人が死亡、8人が負傷した。
−−米軍は2日夜、ファルージャ近郊の建物を攻撃し、AP通信によると、男性1人が死亡、男性の妻や子供ら4人が負傷した。
−−米軍は1日、ファルージャを夜間爆撃し、少なくとも子供や女性7人が殺され、13人負傷した。
−−米軍は9月28日未明、ファルージャを空爆し、地元病院によると少なくとも4人が殺され、10人が負傷した。−−
−−米軍は26日、3度の空爆を行った。現場付近の病院の医師によると、8人が殺され、17人が負傷した。
−−米軍は25日夜、ファルージャへの空爆を実施し、AFPによると、8人が殺され、22人が負傷した。同日未明にも米軍は空爆を行い、8人が殺され、15人が負傷した。等々。
※「US bombers return to Falluja」(イングリッシュ・アルジャジーラ)
http://english.aljazeera.net/NR/exeres/FCE0C4BC-7190-4F7A-B159-08E3B37D5EB5.htm
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english.aljazeera.netより。同サイトに
米軍のファルージャ空爆による
被害の写真が掲載されています。
左の写真をクリック |
バグダッドの貧民街サドル・シティでの攻撃も激しさを増しています。
−−イラクの首都バグダッドのサドルシティーでは、9月27日未明、米軍機による空爆があり、地元病院の医師によると、5人が死亡、46人が負傷した。米軍はサドルシティー空爆について、武装勢力の拠点数カ所を正確に狙って攻撃を行ったと発表したが、病院側は負傷者のうち9人が子供、15人が女性だとしている。
−−イラク駐留米軍は23日、サドルシティーを航空機で攻撃し、AP通信によると少なくとも1人が死亡し、12人が負傷した。負傷者の多くは子供だった。
※「Continued US Airstrikes in Baghdad
Draw
Criticism」(コモン・ドリームズ)
http://www.commondreams.org/headlines04/0929-24.htm
※「In Sadr City, Prowling the Danger
Zone」(ワシントン・ポスト)
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A2945-2004Oct2.html
バグダッドの自動車爆弾で35人もの子どもたちが犠牲になった埋葬式で、市民は次のように語ったといいます。「米兵こそが第一のテロリストだ」「どの党派を非難しても死んだ子どもは帰らない。この国に民主主義が出来るまでに2500万人の人々が死に絶えるだろう」と。
※「Iraqis Blame U.S. for Massacre
of Children」(AP)
http://news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/ap/20041002/ap_on_re_mi_ea/iraq_the_aftermath_2
(4)「総選挙」どころではないイラク情勢。8月に続き9月も反米武装抵抗が継続。完全に破綻したイラク占領支配。
私たちは9月13日、8月中旬の「ナジャフの戦い」を振り返り、「2004年8月:“ナジャフの戦い”の政治的・軍事的意味」という記事を掲載しました。その後も米軍に対するイラク民衆の抵抗と反撃はますます拡大しています。ニューヨーク・タイムズ9月29日号は、米軍への攻撃回数、攻撃地域、攻撃形態を詳細に記したイラクの地図を掲載しました。
※「2004年8月:“ナジャフの戦い”の政治的・軍事的意味」(署名事務局)
※「Iraq Study Sees Rebels' Attacks
as Widespread」By
JAMES GLANZ and THOM SHANKER September
29,
2004
http://www.nytimes.com/2004/09/29/international/middleeast/29attacks.html
9月の1ヶ月だけで米軍に対して2368回もの攻撃が加えられており、ナジャフで激しい攻防が繰り広げられた8月の2700件とほぼ同じ規模の攻撃が9月に入っても継続していることを示しています。実に一日80〜100件の攻撃が2ヶ月にわたって維持されているのです。
地図を見て下さい。バグダッドの街の地図は蜂の巣のように米軍への攻撃で覆われていることが分かります。サドル・シティの戦闘がクローズアップされていますが、それだけではありません。さらに州ごとの米兵への攻撃を数えた地図もあります。程度の差はあれ、イラク全18州で攻撃のない地域はない状況なのです。攻撃方法も多彩です。米軍は、反米攻撃の強い地域−−サマラ、ラマディ、ファルージャに対する一斉掃討作戦を開始しましたが、そのような地域は全体の一部に過ぎないことを示しています。
さらに、ここにきて、米にとって大きな問題が浮上してきました。バスラなど南部石油産出地域の3州が自治権を主張し始めたのです。泥沼化している北部の治安対策に手間取っている間に、最大の戦争目的である石油利権が米の手からころげ落ちようとしているのです。
※「Oil-rich Iraqi provinces push for
autonomy」(フィナンシャル・タイムズ)
http://news.ft.com/cms/s/3d40c9a2-1242-11d9-863e-00000e2511c8.html
※「Oil-rich southern Iraqi provinces
may
seek autonomous region in the south」
http://cnews.canoe.ca/CNEWS/World/Iraq/2004/10/01/652242-ap.html
※「イラク:軍事占領だけでなく経済占領でも破綻」(署名事務局)
(5)大虐殺と廃墟の下で「民主選挙」などあり得ない!米は銃口を突き付けての「選挙」を断念しイラクから撤退せよ!
ファルージャに続くナジャフでの敗北、イラク全土での反米武装攻撃の拡大の下で、あくまでも米は米軍=傀儡・暫定政府主導の1月総選挙というシナリオに沿って事を進めています。ところがこのシナリオはすでに完全に破綻しています。このスケジュールでは11月には選挙民登録を始めなければならず、そのずっと前から実務的な選挙体制が進んでいなければならないからです。もちろん今はそんな状況ではありません。全土で戦闘が繰り広げられ、スンニ派三角地帯や南部のシーア派地域をはじめイラク各地で米軍とイラク政府が四苦八苦し、あるいはコントロールを失っている中で、選挙など不可能であることは目に見えて明らかです。
今回のサマラ攻撃は、これまで米=暫定政府に一部協力的であった部分まで敵に回し、ますます反米武装抵抗の怒りと憎しみを拡大するだけでしょう。いつまでも数千人もの米軍を駐留させることなど不可能です。どれだけ実際にいるか分かりませんが、仮にイラク軍部隊に引き継ぐとしても、彼らは間違いなく同胞を虐殺した裏切り者として断罪されるに違いありません。
本来、イラク人の、イラク人による、イラク人のための、真に民主的な選挙は、米軍のやりたい放題の武力制圧と武力による威嚇の下ではあり得ないのです。民主選挙を言うなら米政府と米軍の介入は断固排除すべきです。米英軍、多国籍軍、自衛隊など侵略軍全ての撤退の後、傀儡政権ではない、真のイラク人による「国民的合意」の下での選挙をやるべきです。
米のいう「民主主義」「選挙」は新たな親米傀儡政権の押し付けでしかありません。米軍の言うことを聞かず抵抗する者を殺しまくり、銃口を突き付けた「選挙」、爆弾と武力による威嚇の下での「民主主義」など、断じて認めることは出来ません。
9月半ばに米政権内部で総選挙実施について対立が表面化しました。ラムズフェルド国防長官が全州実施を悲観したのに対して、アーミテージ国務副長官がこれを修正し、あくまでも全州実施にこだわったのです。どこまでの対立か明らかではありませんが、ブッシュ政権のイラク政策が迷走している事を示すものです。武力と傲慢、迷走と動揺、米政府は、イラク民衆を確実に敵に回しながら、そして死体の山、血の海、憎悪と復讐の怨念を拡大し続けながら、イラク占領支配にしがみついているのです。
※<米国務副長官>「イラク選挙は全土で」と国防長官発言修正(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040925-00000033-mai-int
※<イラク>全土での選挙実施できない可能性 米国防長官(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040924-00000050-mai-int
(6)日本政府は銃口下での「選挙」支援をやめよ!自衛隊即時撤退!
こんな中、日本政府は10月3日、イラク復興信託基金に拠出した約5億ドルのうち、数千万ドルを来年1月に予定されるイラク国民議会選挙の実施費用に充てる方針を固めました。13日に東京で開幕する予定の信託基金の拠出国会合で、町村外相が表明するといいます。
とんでもありません。これは「選挙」のための虐殺を正面から支持支援することに他なりません。米軍は「選挙」を口実に大量殺戮をやっているのです。こんな血塗られた「選挙」など、到底「民主選挙」、「自由選挙」と言えるものではないのです。小泉政権がやるべきことは、米軍加担をやめ自衛隊を今すぐ撤退させることです。
※イラク選挙支援、政府「基金」から数千万ドル拠出(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041004-00000101-yom-pol
私たちは米政府と米軍に再度要求します。
◎「民主選挙」に名をかりた住民大虐殺を直ちに止めよ!
◎銃口の下での「選挙」をやめよ!
◎イラクから即時撤退せよ!
私たちは日本政府に要求します。
◎銃口下での「選挙」の支援をやめよ!
◎自衛隊を即時無条件に撤退指せよ!
2004年10月4日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局
※山本史郎 さんが「イラク情勢ニュース」で、サマラの虐殺についての情報を提供されています。
http://www.geocities.jp/urknews/latest.html
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