ファルージャを救え! 米軍はファルージャへの侵攻=大虐殺をやめろ! ◎「成功させろ」は「住民を殺せ」と同じ。小泉首相の大虐殺支持を糾弾する!
◎サマワの自衛隊も虐殺加担で同罪。「非常事態宣言」で「非戦闘地域」の虚構も破綻。今すぐ撤退を!
■ファルージャの住民を救え! 一つの都市を住民もろとも抹殺する蛮行を許すな!
これは戦争犯罪である。人道に対する罪である。ジュネーブ条約違反であり国際法を蹂躙する残虐行為である。−−米軍がついにファルージャに対する大規模侵攻を開始した。米軍現地司令官は「ザカルウィ」「テロリスト」「悪魔」「ならず者」を皆殺しにせよと号令し、ラムズフェルドも「最後までやり抜け」「破壊し殺し尽くすまで攻撃をやめない」と宣言した。アラウィも「ファルージャはテロリストの巣窟。殺してもかまわない」と檄を飛ばしている。
私たちは、子ども、女性、老人ら多数の住民が住んでいるファルージャに対する無差別の空爆、砲撃、虐殺を徹底的に糾弾する!町をがれきの山に変える攻撃、一般市民を皆殺しにする残虐行為を直ちに中止するよう要求する!
米軍は11月8日、激しい空爆、砲撃によって住宅地を破壊した後、西部の橋と病院を制圧し、次いで大規模な地上部隊が北部からファルージャ市内に侵攻し殲滅作戦を始めた。ファルージャ周辺には4月を大きく上回る1万5千もの米兵と数千のイラク治安部隊が結集し、5千を超える部隊が市内に突入している。ブッシュは血塗られた大虐殺を再選後初めての仕事にしたのだ。
米軍の傀儡アラウィ首相はCIA要員としての本性をさらけ出した。彼は「非常事態宣言」を出し、米軍がやりたい放題できるよう絶対的権限を与えた。まさに米軍の軍事独裁である。それは、ファルージャ市民を「外出禁止」や「立ち入り禁止」命令で家の中に閉じこめ、外に出るものを無差別に「予防拘束」し、射殺することである。「非常事態宣言」にはもう一つの重要な意味がある。それはイラク市民が各地でファルージャ市民に連帯して反対のデモや抗議の闘争を行うことを封じ込めることだ。こんな軍事独裁下の「選挙」に正当性があるはずがない。民主主義に真っ向から対立するものだ。
■マスコミは虐殺・破壊を煽るな。米の情報操作を垂れ流すな。真実を伝えよ。
マスコミはあるがままの真実を伝えよ。テレビはNHKを筆頭に無視、軽視の扱い。新聞は扱いはするが「大本営発表」。米と傀儡政府の「選挙」「治安回復」のためなら皆殺しも仕方ない。「ザルカウィ」「テロリスト」殲滅のためなら当然だ、と米軍・傀儡の言い分をそのまま垂れ流すだけである。「ザルカウィ」も「大量破壊兵器」「フセイン」などと同様、米がでっち上げた“虚像”である。マスコミは何の反省もなく、またもやこの同じ米の情報操作に加担しようとしているのだ。
ファルージャで米軍の標的にされているのは武装闘争を戦う住民だけではない。それはごくわずかだ。人口30万の都市は避難で人口が減少したとはいえ、まだ多数の人々が残っている。侵略者と傀儡への屈服を拒否する誇り高き普通の住民がいる。身寄りがない、避難するところがない、動けないたくさんの人々が残っている。米軍は45才以下の男性をすべてテロリストと見なして避難を認めず、すべて逮捕・拘束している。男性の多くは避難できず、その家族も残っている。ファルージャに対する残酷で無慈悲な攻撃は、これらの人々を大量に殺すことになる。米軍の指揮官自身が「ベトナム戦争以来の凄惨な戦いになる」と語った。4月の犠牲者は700人とも1000人とも言われているが、今回の大侵攻の被害はそんなものでは済まない。
民衆を殺し、都市を丸ごと廃墟にして何が「民主選挙」か。米軍とアラウィは、自分に都合のいい「新しい傀儡政権」をでっち上げるため、軍事占領下の「押し付け選挙」を受け入れず、あくまでも服従しないスンニ派の住民の抵抗闘争を殲滅し、根絶やしにするために侵攻に踏み切ったのである。ファルージャで執拗に抵抗闘争を持続しているのは現地のスンニ派の住民自身である。自己防衛のため、家族・親族・友人を殺された復讐のためである。米軍の侵略・占領に抵抗するのは彼らの全く正当な権利である。
■「成功させよ」は「虐殺せよ」と同じ。小泉政権のイラク戦争支持政策は危険な段階に。
小泉首相は9日、ファルージャ総攻撃について「成功させなければならない。治安の改善がイラク復興の鍵だ」と全面的に支持した。大野防衛庁長官は「新しい国造りの第一歩を確実にする意味で評価する」、細田官房長官も「基本的に米政府の考えを支持している」と立て続けに、米軍の大虐殺作戦への支持を表明したのだ。確かに小泉首相はこれまでも米の戦争を支持し続けてきた。しかし、住民の大量虐殺を目的とした米軍の個々の軍事作戦に対して露骨に支持を表明したのは初めてである。これは香田さんが殺害された直後に「テロとの闘い」を声高に叫んだことを想起させる。首相らは「テロ撲滅」を口にすれば何をしてもいい、多数の市民を殺すのも必要だと言っているのだ。全く許し難い暴言である。
小泉首相と日本のイラク戦争支持は極めて危険な段階、新しい段階に入った。今やイラク全土が戦場である。「非戦闘地域」の虚構はすでに崩れている。「非常事態宣言」が出されていることで明らかだ。ファルージャ侵攻と首相の露骨な支持発言の下で自衛隊派遣の位置付けは更に鮮明になった。もはやアリバイ的な「復興支援」も陰を潜め、侵略と軍事占領への加担者としての姿がますます露骨になったのである。ファルージャの大虐殺を支持した政府の軍隊がサマワに駐留している。宿営地に引きこもっていても、それだけで南部の軍事的プレゼンスを引き受け占領軍の一員として事実上治安弾圧の役割を果たすことになる。私たちは改めて日本政府が米英軍の侵略と占領、残虐な市民虐殺に協力することに反対し、自衛隊を直ちに撤退させることを要求する。
■一人一人が声を上げよう。国際的な攻撃中止世論に合流しよう。
時間がない。直ちに行動しよう。FAX、電話、メールなど、一人一人でも可能な行動がある。一人一人の声が日本の世論を作る。すでに東京と全国各地で緊急行動が始まっている。米軍の侵攻と大虐殺糾弾の声をあらゆる場所から上げ、直ちに攻撃中止を要求しよう。国際的な攻撃中止世論に合流しよう。そして米軍の蛮行を何としても食い止めよう。
アナン国連事務総長は、米軍のファルージャ攻撃に反対の警告を発して反対した。極めて異例のことである。アナン氏は侵攻が住民の大虐殺につながり、それによって全国民参加の選挙ができなくなるから警告したのである。生ぬるい「国連下の選挙」など不要と言わんばかりに、アラウィはこの警告を鼻であしらった。反対・異論を唱える選挙民を皆殺しにして武力で決着をつけるのがブッシュとアラウィの「民主選挙」なのである。
軍事力に酔う者は必ずや軍事力で滅びる。−−今回の攻撃はイラク占領体制の行き詰まりと破綻の現れ、弱さの現れである。すでに崩れ始めた占領支配を武力でつなぎ止めようとするものだ。「邪魔者は殺してしまえ」という時代錯誤的なブッシュの野蛮なやり方は、イラク占領体制の危機を加速するだけだろう。大虐殺では何も解決しない。すでに開戦以来最低で10万人が殺されたと、英の権威ある医学誌が発表した。ファルージャの虐殺は米軍に対する新しい抵抗闘争、新しい憎悪、新しい復讐の炎をイラク全土、中東全域で呼び起こすだろう。現にファルージャ侵攻の最中にイラク各地で抵抗闘争、ゲリラ闘争が頻発している。武力を笠に着て殺したいだけ殺す、破壊したいだけ破壊する。図に乗って人間の尊厳、民族的な誇りを踏みにじり続ければ、必ずや堪忍袋の緒が切れたイラク民衆が本気で立ち上がり、米軍を自衛隊もろともイラクから叩き出すだろう。
2004年11月9日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局