[翻訳資料]
クラスター爆弾の主要な犠牲者は子どもたちだ |
アリ君(2歳)。クラスター爆弾の破片によって負傷した。今なお残されているこの兵器は、市街地における大きな脅威となっている。 |
ハラ・ハッサン君と彼の弟がどこにいるのか、正確には誰も知らない。アリ君が地面にあった茶色の筒に気がついた時、まさに遊んでいる最中だった。5歳と2歳の子供たちのショックはあまりに大きく、その時のことを話せない。両親はその時家の中にいた。
貧しい街の中でも最も貧しい階層に入る彼らにとって、身近なおもちゃはゴミからあさってきたプラスティック製の破片である。「彼らはボールの類と思っていたようだ」とハラ君の叔父は泣きながら言った。「彼らは遊びたかっただけだ」と。しかし二人の子供たちがつまみ上げた物体は、クラスター爆弾の不発小爆弾だった。庭からは離れていたが、コンクリートでできた壁には6インチ程度の穴ができた。小さな爆発物の破片がハラ君の脚とアリ君の顔面に突き刺さった。少なくともまだ一つの破片が、頬に深くめり込んだままである。泣き叫ぶ子供を、父親はすすり泣きながら静かに抱いた。
なんと言っても、彼らが生き残れたことはまさに幸運だった。その二日目前には、7〜14歳の子供3人が殺されたのである。500ヤード離れた2人が同じような悲劇によって負傷した。
四半世紀のにわたる独裁政権の後、12年におよぶ経済制裁と三週間の悲惨な戦争の後、解放されたナシリアの人々は、新たな苦難に直面している。それはクラスター爆弾の不発弾である。タディア・スラムはナシリアの中心に位置しているが、しかし過去半月間、そこは文字通りの地雷原になってしまった。昨日の朝、死んだ子供たちの家族を人々が見守っていた墓地のテントから半マイル先で少なくとも8つのクラスター爆弾が、2つの未使用の迫撃砲とともに発見された。泥の中に半分埋まった状態のものもある。3つが家に隣接するのゴミ置きに横たわっており、2つが近くの屋根にあった。それらは人を殺したり、目をつぶしたり、脚や腕を傷つける危険性を持っている。それらは発見されたものに過ぎない。
国防相ジョフ・フーンは英国議会にて、ある状況においてはクラスター爆弾は軍事的に有効であると発言した。たとえば隊列を組んで動く標的に対しては、ばらまかれる爆弾の効果は通常の砲撃よりも有効である。しかし今回のような市街地における使用においては、一般市民が被る被害は計算できない。散布される爆弾の数に応じて、−ある人は十分の一、またある人は四分の一と言っているが−、不発弾は落下した場所にそのままとどまる。常に爆発する危険な状態で。少なくとも海兵隊1人がクラスター爆弾の不発弾を誤って踏んで負傷した。米軍部隊はクラスター爆弾を好んでいない。彼らは子供たちは殺害し、傷つけている。なぜ彼らは使い続けるのか?
この地方の人々は、米軍を攻撃したイラク軍やフェダーイン部隊がこの辺りにいたと言っている。しかし狙いを定めることのできる砲撃やミサイルではなく、すべての兵器の中でも最も粗雑なクラスター爆弾を、なぜ彼らに対して使用したのか?巡回中の近くにいた海兵隊員はその回答を示唆した。ある伍長と軍曹がウム・カスルからの帰途において、戦闘を継続していた。彼らは平時にそっぽ向かれた。クラスター爆弾を使わなければならない事態に見舞われた。彼らはこの兵器の使用の背後にある状況を説明した−爆弾の束をまき散らす榴弾砲が砲塔から発射された。それは“電池の形”をしており、装甲を貫通させ、またその範囲にいる人間に対して飛散する破片によって殺傷する。「(巻き込まれた人は)悲惨な結果となる」と軍曹は言った。「それから逃れる唯一の方法は、それらを一つずつ爆発させることだ。私が耳にした話では、強力爆弾を使い果たしたためにクラスター爆弾を使用したということらしい」。その状況は容易に想像できる。取り乱した砲撃担当の士官。激しい砲撃。部隊の生命線のバリケードを守り抜かねばならない緊迫した状況。
通常の砲弾を使い尽くした緊迫した状況下で、クラスター爆弾を装填する決定が急遽なされた。そして今やその報い、−大量の爆発するおもちゃ、ハラ君とアリ君と同様に、自らを待ち受けている。
(*緊急翻訳につき、不正確な訳があるかもしれません。ご容赦ください。2003.04.20)
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