(2006.3.17 イラク開戦3周年抗議 大阪集会 配布ビラより)
イラク戦争3周年 これ以上、イラクの人たちを苦しめるな!
自衛隊撤退は即時・無条件・完全撤退を!◎ 日本をグローバル軍事介入の拠点にする米軍基地再編反対
◎ 憲法改悪のための国民投票法、教育基本法改悪反対
小泉政権の暴走にNOを突きつけた岩国住民投票
山口県岩国市の住民投票での艦載機移転反対派の圧勝は、小泉政権の暴走に対して大きな打撃を与えるものです。ブッシュの侵略戦争への協力・加担を最優先課題とし、アメリカとの協議で勝手に決めた基地移転を地元に押しつけようとする小泉首相の目論見が大きく崩れたのです。3月末の「最終報告」を前に決定的に重要な局面を迎えました。
神奈川県座間市でも、同じ日に、米陸軍第1軍団司令部移転に反対して2500人もの集会・デモが行われました。沖縄では辺野古で普天間基地移転に反対する闘いがねばり強く闘われ、3月5日には移設反対県民大会が3万5千人で開かれました。沖縄の反基地闘争を孤立させるのではなく、各地の闘争で日本政府に打撃を与え、押し戻さなければなりません。
日本を、米軍のグローバルな軍事介入の拠点、中国・朝鮮民主主義人民共和国を軍事挑発する拠点にするための米軍基地再編、米軍と自衛隊の一体化、日米の司令部一体化に私達は絶対に反対です。
米占領支配が生み出すイラク民衆のどん底生活。広がる反米世論
米のイラク占領は泥沼化の一途です。「議会選挙」から3ヶ月経っても政権成立の見通しさえ立っていません。イラク国内で反米世論が高まり、米軍を標的にした反米武装抵抗もますます激化しています。「内戦の危機」が煽られていますが、実態は少し違います。あくまでも米軍vsイラク民衆というのが対立の構図なのです。むしろ米軍こそが、イラク民衆による国家再建を何としても阻止し、宗派・民族の「分断支配」をしようとして、「内戦の危機」をあおっているのです。
医学誌ランセットが「イラク人死者最低10万人」を発表してから1年半が経ち、3年間で殺されたイラク市民は数十万人(ある研究に寄れば60万人)に達するとの見方が広がっています。イラクでは、電気、水道、医療機関などが崩壊したままで、仕事もなく、人々は不衛生で不自由な生活を強いられています。
米軍・多国籍軍を撤退させ、イラク人の主権を回復することなしに、イラクに真の復興、真の国家再建はあり得ない、ということがますます明らかになってきているのです。
不法な占領支配への加担をやめ、自衛隊は即時無条件全面撤退を!
自衛隊のイラク派兵と駐留には根拠も何もありません。「有志連合軍」として、アメリカの占領支配に協力するという理由だけで、サマワに居座り続けています。その中で、海外派兵の実績を積み上げ、派遣する自衛隊員に実際の市街戦訓練、戦闘訓練を施す絶好の機会と考えているのです。
侵略軍としてイラク市民と対峙し、極度の緊張下に置かれている自衛隊員の間で、帰還して深刻なPTSD様の症状が出ています。3月10日の朝日新聞は、イラクに派兵された自衛隊員の内3人が帰国後自殺したと伝えました。直接民間人を殺害するアメリカ兵の中には非常に高い精神疾患が報告されていますが、サマワに要塞を作って立て籠もるだけの自衛隊も例外では無いことを示しています。
イギリス軍、オーストラリア軍の削減にあわせて、自衛隊の撤退も日程に上ってきましたが、空自を残し米兵や武器などの物資の輸送を行うなど、あくまでも米軍のイラク戦争に加担し続ける道を探っています。しかも何と、一度撤退計画を米側に提案した際に、ブッシュ政権側から「撤退するな!」と恫喝を加えられたとたん、その撤退計画を先送りするという始末なのです。私達は、自衛隊の即時無条件全面撤退を求めます。
憲法改悪のための国民投票法、教育基本法反対!
野党第一党民主党の惨めな自滅によって、国会情勢は極めて危険な状況にあります。教育基本法改悪法案と憲法改悪のための国民投票法案、そして共謀罪も今国会上程が現実味を帯びてきました。
一方では、卒業式を巡って、日の丸・君が代の強制−−教職員への強制から生徒への強制へのエスカレーションと懲罰の強化−−が一段と強まっています。それと並行して、ほんの一握りのエリートと、国のために命を投げ出す大多数の「愚民」を作り出す差別選別システムに学校教育を再編する教育基本法の改悪が狙われ、憲法改悪をスムーズに行うために、反対の議論や運動をさせない国民投票法案が上程されようとしているのです。
しかし言うまでもなく、法案採択の帰趨は、国会内情勢や数の力だけで決まるものではありません。岩国で示された反基地の強い意志、全国の反戦平和運動や民主主義運動の力で跳ね返していかなければなりません。
イラク戦争開戦3周年を、イラクからの自衛隊の即時無条件完全撤退を要求し、基地強化に反対する闘いと、憲法改悪反対、教育基本法改悪反対の結合した闘いの新たな決意の場としていきましょう。
2006年3月17日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局
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