イラク戦争劣化ウラン情報 No.7      2003年9月18日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局 吉田正弘

イラクのウラン汚染の被害を明らかにしよう−−−−
UMRCのイラク・ウラニウム被害調査カンパのお願い


アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局の吉田正弘です。
いよいよイラクの劣化ウラン/ウラニウム汚染被害調査のカンパキャンペーンを立ち上げました。ぜひ周りの方に働きかけてください。資料やチラシは置いてあります。ホームページ上からpdfファイルで全部取り出すことも可能です。

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転載大歓迎

 イラクのウラン汚染の被害を明らかにしよう−−−−−
UMRCのイラク・ウラニウム被害調査カンパのお願い

 ウラニウム医療研究センターUMRCのアフガニスタン劣化ウラン被害調査カンパキャンペーンにご協力頂いた皆さん、イラクでの劣化ウラン被害に心を痛めている皆さん、是非UMRCが開始しつつあるイラクでの劣化ウラン/ウラニウム被害調査の調査費用支援カンパにご協力ください。

 世界中の平和運動や市民の反対にもかかわらず、米英軍はイラクに戦争をしかけました。その結果、国土と水道・電気などインフラは徹底的に破壊され8000人もの市民、数万人の兵士の生命が奪われました。湾岸戦争で劣化ウラン弾の攻撃を受けた南部イラクの人々、特に子ども達の間でガン、白血病が急増しています。イラク人医師達はこの非人道的、残虐な戦争犯罪を繰り返し告発しています。しかし、今回の戦争で米英軍は何の反省もなく再び劣化ウラン弾、あるいはウラニウム爆弾を大量に使ったのです。その量は、湾岸戦争時に数倍する500トン、あるいは1000トン以上とも言われています。

 米軍の使用するウラニウム爆弾の被害はすでに明らかです。アフガニスタンでUMRCが行った環境と人体のウラニウム汚染調査は、カブールやトラボラ、ジャララバードなど米軍の爆撃を受けた各地で人間の尿から通常の200倍以上にも達する高濃度のウラニウムを検出し、汚染を明らかにしました。爆撃クレーターの土、周辺の水田などの水からもウラニウムが検出されました。バンカーバスターなど貫通型爆弾に米軍がウラニウムを使っていること、それによってアフガニスタンが重大な汚染に直面していることは明かです。

 米英軍のイラク戦争が与えた被害の全容調査が緊急に要請されています。何よりも劣化ウラン弾/ウラニウム爆弾使用による汚染の被害、特に人体のウラニウム汚染を調査し、住民の急性症状の有無などの調査が必要です。その上で劣化ウラン使用と多発するガン、白血病などを結びつける証拠を確認することが必要です。これらの被害を米英政府に突きつけなければなりません。

 イラクの被害調査は本来国際的で大規模な調査が必要です。しかし大量の劣化ウランが使われたことは明らかなのに国際機関の調査は何も行われていません。米軍は劣化ウランは健康に影響しないと居直り、米英占領軍が調査を認めないからです。米英の妨害をはねのけ、国連や国際機関にイラクに対する真剣な調査をさせるためには、平和運動や市民運動の国際的な力が必要です。何よりもまず無視できない被害の事実を突きつけることが必要です。すでにヒロシマの「NO DUEヒロシマプロジェクト」の人たちは独自に調査を開始しました。いくつものグループが調査し被害を告発することが重要です。とりわけもっとも経験豊かなUMRCの調査は重要だと思います。

 すでにUMRCはイラクでの調査を始めています。すでに行った予備調査では人体の組織の汚染調査に着手しました。現在イラクに現地調査チームを派遣し、住民からの尿サンプルの収集を行っています。その検査はヨーロッパで行う予定です。その他にも細胞レベル、遺伝子レベルでの分析も計画しています。これらの調査には多額の費用がかかります。UMRCという一NGO組織にとって非常に大きな負担です。UMRCは前回と同様に尿サンプル分析にかかる費用一サンプルあたり700ドル(8万4千円)の寄付で協力を呼びかけています。私たちはアフガニスタン調査と同様にできるだけ多くの皆さんに小口のカンパをお願いし、それを集めてUMRCに送金する形で協力したいと考えています。是非多くの皆さんのご協力をお願いします。

●共同呼びかけ人(2003年9月14日現在・五十音順)
○青木 茂(阪南中央病院東海臨界被曝事故被害者 を支援する会)
○安倍陽子
○新井理恵(高校生)
○石川逸子(詩人)
○浮田久子(平和の白いリボン行動・藤沢)
○大河内秀人(特定非営利活動法人「パレスチナ子どものキャンペーン」常務理事・僧侶)
○小川みさ子(鹿児島市議会議員・有事法制を許さない女たちの会かごしま)
○嘉指信雄(「劣化ウラン弾禁止を求めるグローバル・アソシエーション」共同代表)
○川嶋京子(「湾岸戦争の子どもたち」写真展〜米国実行委員会)
○きくちゆみ(グローバルピースキャンペーン)
○小林一朗(環境・サイエンスライター)
○小山英之(美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会代表)
○志葉 玲(フリーランスジャーナリスト)
○鈴木かずえ(さいたま市)
○アイリーン・美緒子・スミス(グリーン・アクション代表)
○ジャミーラ・高橋(アラブイスラームの子供たちを助ける会・代表)
○田中 優(日本国際ボランティアセンター理事)
○遠野ミドリ(国際井戸端会議)
○戸田 清(長崎大学環境科学部助教授)
○広河隆一(フォトジャーナリスト)
○深川博子(平和の白いリボン行動・藤沢)
○星川 淳(作家・翻訳家)
○細井明美(テロ特措法・海外派兵は違憲市民訴訟の会世話人)
○前田 朗(東京造形大学教授・アフガニスタン国際戦犯民衆法廷共同代表)
○松田卓也(ASIAN SPARK)
○森口 貢(長崎の証言の会、核兵器廃絶ナガサキ市民会議事務局)
○森 茂康(九州大学名誉教授)
○森瀧春子(核兵器廃絶をめざすヒロシマの会・共同代表)
○山崎久隆(劣化ウラン研究会代表)
○山田和尚(グローバル・ピース・キャンペーン日本事務局)
○吉岡祈子
○吉田正弘(アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局)
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 ●期 間 2003年9月から11月までの3ヶ月です
 ●一 口 1000円 (複数口のカンパも歓迎します)
 ●振り込み口座番号 00950−5−264696
           口座名 UMRCイラクウラン被害調査カンパ事務局
 ●「アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局」が、このキャン
ペーンの事務を引き受けています。カンパ運動の状況報告や今後参加される共同呼びかけ人の発表、新しい情報の提供などは「署名事務局」のホームページで行います。
 http://www.jca.apc.org/stopUSwar/をご覧ください。(アフガニスタン調査の報告を載せました)
 ●UMRCのWEBサイトはこちらです。 http://www.UMRC.net
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 ● 一緒に共同呼びかけ人に加わってください。
 一緒に呼びかけ人に加わって協力して頂ける方、大歓迎です。下記メールアドレスにお名前、肩書きや団体名(必要ならば)、住所をお知らせください。また、呼びかけのビラや振り込み用紙など必要な方も下記メールアドレスにお知らせください。ぜひよろしくお願いします。

「UMRCイラク・ウラン被害調査カンパキャンペーン」
連絡先:〒580-0023 大阪府松原市南新町3-3-28 阪南中央病院労働組合気付
 アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局
FAX 072-331-1919 HP: http://jca.apc.org/stopUSwar/ 
090-5016-3844(吉田正弘)e-mail masayo@silver.ocn.ne.jp

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<緊急アピール>
ウラニウム医療研究センターUMRC
イラクのウラニウム汚染
イラクの人々に代わっての緊急アピール
2003年9月

 これはイラクに対する現地調査を行い、2003年春の爆撃作戦の間にウラニウムの体内汚染に曝されたと思われるイラクの人たちと地域社会から人体や生物学的標本、地質学的サンプルを集めそれを研究室で分析するために至急の財政的支援を訴えるUMRCからのアピールです。

背景
 1991年の湾岸戦争から12年、そして世界のほとんどの人が初めて爆弾の中の劣化ウラン(DU)とそれが人体と環境に深刻な影響を及ぼすことを知ってから12年経って、イラクは、ふたたび劣化ウラン弾を使った大規模爆撃の目標にされました。2003年3月にアメリカ合衆国とイギリスは、国連が認めていない軍事行動を開始し、いくつかの民間人が密集して住んでいる地域を含むイラクの多くの地域を大規模に爆撃しました。
 この2回目の戦争の結果は、イラクの人々と自然環境にはるかに破滅的なものだったと思われます。兵器にはより多くの劣化ウランが含まれ、より多くの爆弾が投下され、そして、爆撃はより広範囲にわたりイラク全土に及びました。さらに問題を大きくしているのは、米国がどんなレベルででも劣化ウランのクリーンアップを拒否していることです。

イラクが直面している状況
 空中、水と土の中へ放出されたウラニウムのほこりと微粒子状のウラニウムは、これらの兵器で攻撃された環境を永久に汚染しました。被曝したすべての人々と今後生まれてくるすべての世代は危険にさらされています。
 1991年以降にイラクの人々と湾岸戦争帰還兵士の間で癌、白血病、先天的欠損症や他の病気の発生数が増加していることを今では世界中の人たちが知っています。
最近、イラクにいる米国兵士の中で致命的な肺疾患が報告されています。2003年9月の「国連オブザーバー」によると、数千人の米軍兵士が説明されない医学的理由のためにイラクから避難させられました。
 1991年のことについては、どんな兵器がどこでどれだけ使われ、その地域の健康への影響がどうであったのか正確に明らかにすることは拒否され、もみ消しが行われています。いま再びこれらの疑問に答えるための客観的で独立した研究が不足していることは明らかです。
 アフガニスタンでの状況のように、汚染の範囲を調査し、医学的な影響の正確な性質を確認し、イラクにおける公衆衛生を管理している地方自治体と地域社会を援助する迅速な活動が必要です。
 
サンプルの収集と科学的的分析のための資金援助が急務
 私たちの知る限り、検査のためにサンプルを収集するということが全く行われていません。そのために爆撃の真の広がりとそれによる汚染の強さを立証することができません(注)。UMRCは、イラクの医師達から、サンプルを収集しダメージの大きさを査定するのを支援してくれるようにと依頼を受け取りました。研究対象の地域はすでに確認され、現地調査を容易にするために地元との接触が行われました。残っているのは、現地調査(何よりもまず輸送)と、その後の研究所での水、土のサンプルと人体から得たサンプルの分析(ヨーロッパで行われる)に必要な基金を集めることだけです。
 UMRCは輸送費(10,000米ドル[12万円])と1サンプルあたり約700米ドル[8万4千円]が必要な研究所での分析費用を合わせて合計75,000米ドルが必要と見積もっています。
 研究所での分析費用は、特別の協定でできるだけ安く抑えられています。しかし、劣化ウランの検出と定量的測定には、熱イオン化質量分析法TIMSという専門化したとても費用のかかる手順が必要で、研究所のスタッフはサンプルの厳密で細かな事前の準備と測定をしなければなりません。私たちはまた、私たちの検査計画を、ヨーロッパのいくつかの独立の研究所と協力してナノレベルの病理学と遺伝的な研究を含むものへと拡大しました。
[注;この点についてはすでにNO DUヒロシマ・プロジェクトが最初の科学的調査を行っており、現在分析が行われています]

結果についてはどう処理されるのか?
 過去のUMRCの活動についてと同様に、調査結果はまとめられ、査読(peer-review)にかけられる医学雑誌や科学雑誌や会議で報告されます。調査結果はまた、この問題に対処する責任ある行動を引き出すためにしかるべき当局に報告されます。

あなたの資金援助が非常に重要です
 アフガニスタン研究は、西洋から東洋にいたる個人と組織からの支持と惜しみない寄付によって可能になりました。日本での私たちに対する支持には特に言及する必要があります。どうぞ私たちのウェブサイトwww.umrc.net/AfghanistanOEF.aspをご覧ください。そこで私たちのアフガニスタン調査の要約を見ることができます。
 イラクからの1つあるいは複数のサンプルについて1サンプルあたり700米ドルでスポンサーとなることを考慮ください。寄付は、直接あなたの銀行からUMRCの銀行口座へ送金することができます。
 口座番号はTD Canada Trust, CAD Account 0685-520-3413 // USD Account0685-730-2599; Swift Code TDOMACATTTOR; Transit No. 17562; Institution No.004.です。
 あなたは、小切手、為替または銀行為替手形をUMRCへ送ることができます。その時は、電話かe-mailで私たちにコンタクトを取って問い合わせてください。電話番号は
 
 カナダ001-416-465-1341、e-mailは<Info@UMRC.net>。
 すべての寄付は内密です。カナダとアメリカ合衆国で、UMRCは登録済の非営利的組織ですから税控除のための公式の領収書を提供出来ます。

UMRCについて
 アサフ・ドラコビッチ教授(医学博士)はUMRCの医療研究の責任者です。

 UMRCは、湾岸戦争、砂漠の嵐作戦に参加した米国、英国、カナダの帰還兵の劣化ウラン汚染の議論の余地がない証拠を科学的に確認した最初の組織です。UMRCの湾岸戦争研究は、査読にかけられる医学、科学雑誌で公表され、国際的な医学会議で発表され、そしてNATO諸政府に配布されています。
 UMRCは最近、アフガニスタンの人々と地質から収集した4回分のサンプルのテストを終え、調査結果を公表しました。それらは高いウラニウムの濃度を示しています。
UMRCの医療責任者、アサフ・ドラコビッチ博士はヨーロッパと日本、オーストラリア、中東のTVとドキュメンタリー、新聞にインタビューされました。そのプログラムには、BBC、アルジャジーラ、デモクラシー・ナウ、ARD and Canal+が含まれています。
 UMRCのe-mail配信リストに加入するには、Info@UMRC.net にe-mailをお送りください。
 UMRCは非営利の研究団体で環境と人体に対するウラニウムと他の放射性物質の影響について独立で、客観的、専門的科学的な医学的研究を提供しています。
参考文献;
http://www.eoslifework.co.uk/u231.htm
<http://seattlepi.nwsource.com/national/133581_du04.html> War's unintended
effects (8/03)
http://seattlepi.nwsource.com/national/133581_du04.html
http://www.csmonitor.com/2003/0515/p01s02a-woiq.htm
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/3118537.stm
UMRCのアフガン調査の翻訳はhttp://www.jca.apc.org/stopUSwar/をご覧ください。

アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局 吉田正弘
事務局ホームページ http://www.jca.apc.org/stopUSwar/
吉田eメールアドレス masayo@silver.ocn.ne.jp



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