ついにポリオとマラリアが再発
空爆と飢餓は衛生・医療体制を破壊している!



 アフガニスタンでは、ポリオワクチン接種のための3日間の空爆停止キャンペーンが進められてきたが、アメリカは一切無視して、空爆と攻撃を続けきた。ついに世界の他の地域ではほとんど見られなくなった致死率が高いポリオがアフガニスタンで再発している。WHO(世界保健機関)はラグマン州でポリオによる子供2人の死亡を確認した。今年に入って同国南部でポリオ患者9人が発見されたが、今回は南部以外では初めての症例のため特に警戒が必要とされている。患者はパクティア州とナングラハル州出身の女児2人。ナンガルハル州の症例はP3ポリオでアフガニスタンでは撲滅していたと考えられていたものだけに特に懸念されている。
 また、熱帯(脳性)マラリアによりラグマン州で子供20人を含む計24人が死亡した。病院への搬送が遅れたために治療できなかったものと考えられる。熱帯マラリアは、適切な治療や栄養が受けられないと、子供の場合5日で死亡する可能性がある。蚊によって媒介され、罹患すると発熱、体温が急上昇し意識不明に陥り通常は最終的に脳障害のために死亡する。10月初旬に流行の警告が発せられてから、WHOは予防措置をとり蚊帳1万張り以上と殺虫剤を配布していた。蚊の感染時期は過ぎたが、WHOは季節の初期に感染した患者が再発するだろうとしている。
 難民キャンプでは、急性呼吸器疾患、下痢、結核、栄養失調が拡大している。特に下痢は子供の場合危険である。基本的な衛生施設がないことが深刻な保健衛生上の脅威となっており、適切な水供給もなく、埃、風、寒さも避難民の健康に大きな影響を与える。(朝日新聞ほか)
 
 以下は、ペシャワール会のホームページの診療所の現地報告から引用。

 今日、PMS医師スタッフの所へ病人が数名来たのですが、悪性マラリアの疑いのある人が多かったそうです。彼の家族が住んでいるカマ地区でも悪性マラリアが多く発生しています。ジャララバードの公的な病院にも大勢患者が来ているそうですが薬剤がクロロキンしかなくて困っているそうです。私達の病院では数ヶ月前に、マラリアの流行を見越して抗マラリア薬を多量にアフガニスタン内にストックしてあるので、明日はPMS医師スタッフはニングラハルで移動診療が可能であるかどうかを調べてみるとの事です。明日の朝、ジア先生とイクラムラ事務長の方へ詳しく連絡が入る事になっています。カブールの進行状況も明日連絡が来る事になっています。(11/16PMS看護部長 藤田千代子)



 copyright © 2001 アメリカの「報復戦争」と日本の参戦に反対する署名運動 事務局