B52による無差別絨毯爆撃(ジュネーブ協定違反)に続いて
アメリカは戦術核に準じる大量殺戮兵器を使用した!
■  超大型の気化爆弾 BLU−82  ■
アメリカの戦争犯罪を許すな!



 
 戦局が行き詰まり、長期化と泥沼化の様相を呈し始めている中で、アメリカはついに戦術核に匹敵する、あるいはこれに準じるような大量殺戮兵器の使用を開始した。米メディアは国防総省高官の話として、11月4日、アフガン国内の2カ所に特殊大型爆弾BLU−82を投下したと報じた。ロイター通信によれば、7日の空爆でも「巨大爆弾」が投下されたという。
 BLU−82は、弾体に1万2,600ポンド(約5.7トン)のアルミニウムパウダーと硝酸アンモニウム、ポリスチレンの混合物を詰めた巨大な爆弾で、燃料気化爆弾(FAE)の一種である(※1)。C130輸送機から投下されるBLU−82は、地表すれすれで炸裂し、詰め込まれているアルミニウムパウダーを拡散、空気と混合して点火する(※2)。
 空気と混合された可燃性粉末あるいは可燃性の気体による爆発は、非常に速いスピードで伝播するため、1平方センチメートル当たり数十kg〜数百kgという、通常の高性能爆薬よりもはるかに高い圧力の衝撃波を作り出す(その爆発のメカニズムは炭坑での粉塵爆発と基本的に同じもの)。このような高い圧力の衝撃波は、核兵器以外では生み出すことができない。しかもその衝撃波は、通常の爆薬のように1点から広がる形で作り出されるのではなく、広い空間から生み出されるので、持続時間が長い。このような持続的な衝撃波も、核兵器以外では生み出すことはできない。気化爆弾、あるいは粉塵爆発を引き起こすこの種の爆弾は、爆発点近傍では、核兵器ときわめてよく似た破壊・殺傷効果を与えるのである。



 BLU−82はこの種の兵器の中でも、最大の破壊力を持つ。その衝撃波は、地上の構造物と比較的脆弱な地下施設をことごとく破壊し、地表に巨大なクレーターを作り出す。また遠くまで届く衝撃波は、肺胞の破壊、内蔵破裂といった致死的な効果を広い範囲に及ぼす。さらに広大な空間が一挙に1000度以上に加熱されるので、数百メートル四方が焼き尽くされ、激しい燃焼は周辺地域の酸素を奪う。激しい上昇気流は、大気上層に達するようなキノコ雲を作り出す。たとえ、地下壕に隠れ、衝撃波を免れたとしても、高温の炎と窒息効果によって、投下地点周辺に存在する人間は、ことごとく殺されるのである。
 通常兵器の範疇をはるかに超え、戦術核に準ずるような破壊力の大きさ、殺傷効果の無差別性、非人道性からして、BLU−82および燃料気化爆弾は、明らかな大量破壊兵器・非人道兵器である。国連人権小委員会は、1996年8月、「核・化学・生物兵器・気化爆弾・ナパーム弾・クラスター爆弾・劣化ウラン兵器の製造・使用の禁止を求める決議」を賛成15、反対1(もちろん反対はアメリカのみ)で採択している。
 アメリカはベトナム戦争時、森を消滅させ、ヘリコプターの発着場を作るために、このBLU−82を使用した。また湾岸戦争では燃料気化爆弾に加えて、11発のBLU−82を地雷原除去を名目に使用した。湾岸戦争で使用されたBLU−82の爆発を見たSASの兵士は、戦術核の使用かと誤認したとも言われている。



 今回アメリカがアフガニスタンに対してBLU−82を使用した目的は、まず第一に、一挙的なタリバンの地下施設の破壊と、兵士の殺害である。記者会見の場で国防総省は「人を殺すために使ったのだ」とコメントしている。また「心理作戦」の側面も強いと考えられる。湾岸戦争時アメリカは、BLU−82の爆発を撮した写真と共に「スカッドよりも強力」「次はお前だ」と大きく書いたリーフレットを作成し、ばらまいた。BLU−82の圧倒的な破壊・殺傷能力を見せつけ、イラク側の戦意を喪失させようとしたのである。
 今後、戦況がさらに厳しくなって行く下でアメリカは、B52による無差別絨毯爆撃(ジュネーブ協定T-第51条違反の戦争犯罪)をさらにエスカレートさせるだろう。そして、BLU−82や燃料気化爆弾のような大量殺戮兵器の使用を拡大させて行くに違いない。このようなアメリカの戦争犯罪を絶対に許してはならない。アメリカは、B52による無差別爆撃を即刻やめよ!BLU−82、気化爆弾、クラスター爆弾、劣化ウラン弾といった大量殺戮兵器・非人道兵器の使用を即刻中止せよ!アメリカの戦争犯罪に加担する日本の参戦反対!
 
※1:粉塵爆発を利用するBLU−82は、厳密な意味では、ガスを利用する燃料気化爆弾(FAE:Fuel Air Explosive)ではないが、その基本原理および破壊・殺傷効果は燃料気化爆弾とまったく同じである。
※2:BLU−82は1万5,000ポンド(約7トン)という超弩級の重量から、通常の爆撃機ではなく、C130輸送機のカーゴベイに積載され、運用される。

【関連リンク】

「米軍が大型特殊爆弾を投下 巨大クレーター残す破壊力」−11月06日 (共同通信)
http://www.kyodo.co.jp/kyodonews/2001/revenge/news/20011106-23.html

「アフガン空爆:通常兵器最大のBLU82爆弾を初投下」− 11月06日(毎日)
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20011107k0000m030020000c.html

"Deadly blast from the past" 2001年1月18日(英ガーディアン)
http://www.guardian.co.uk/science/story/0,3605,423528,00.html

"BLU-82 Commando Vault" − Federation of American Scientists
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/dumb/blu-82.htm

"U.S. Bombing: The Myth of Surgical Bombing in the Gulf War" by Paul Walker
http://www.deoxy.org/wc/wc-myth.htm

アメリカはクラスター爆弾をはじめとする非人道兵器の使用を止めよ!
−−−「地雷化」した不発弾で広がる子供たちの被害


アフガニスタンに対する米の非人道兵器使用に反対する



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