イラクへの空爆を糾弾する!
アメリカは、イラク・北朝鮮への戦争挑発、戦争準備をやめろ!
小泉政権による「米イラク空爆支持」発言の撤回を求める!


■ なぜアメリカは11月27日イラクへ空爆を行ったのか?何が根拠なのか?ブッシュ大統領は世界に向かって説明をすべきだ。
 好き放題とはこういうことを言うのでしょう。ブッシュ米大統領は11月26日、イラクに対し、核や生物・化学兵器など大量破壊兵器開発に関する国際査察を受け入れるよう要求、特にイラクについてはフセイン大統領を名指しで批判し、査察を受け入れなかった場合は「(結果がどうなるかは)いずれ分かるだろう」「アフガンは始まりにすぎない」と恫喝しました。言うことを聞かなければ軍事行動に出る、と警告したのです。
 当然の如くイラクは何の正当な根拠もない、いちゃもんのような「国際査察」を拒否しました。そして翌27日、米国防総省は、米軍機がイラク南部にあるイラク軍指令施設に対して空爆を実施したと発表しました。単なる脅しではないぞ、と空爆を断行したのです。

参照: http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20011128-10060562-reu-int



■ 11月26日ブッシュ大統領のイラクへの戦争挑発発言。
 しかし今突然振って沸いたように米政府高官が口々に言い始めたイラク攻撃には何の根拠もありません。全く不当極まりない戦争挑発です。ロイター通信が伝えた国防総省の発表では「米英軍機に対するイラクの脅威が続いている」というのが唯一の「理由」です。しかしこんな本末転倒、言いがかりはありません。それも言うなら「脅威」を感じているのはイラクの方でしょう。なぜならイラクが湾岸戦争で敗北したことを口実にして、米英がイラク領土上空に勝手に「飛行禁止空域」を設定し「警戒する」と称して領空侵犯を繰り返してきたのです。自分が勝手に領空侵犯しておきながら、自分が勝手に「脅威」を感じるというのですから、こんなデタラメな話はないでしょう。アメリカやイギリスは領空侵犯を自由にさせているのでしょうか。答えて欲しいものです。
 実はイラクが米英の言うことを聞かない。刃向かう。−−これが本当の理由なのです。アフガニスタンで「勝利をほぼ手中に収めた」と考え、図に乗ったペンタゴンが、ついでにアメリカの中東支配の邪魔立てをするイラクをぶっつぶそうと動き始めたのです。パパ・ブッシュの念願でもあります。そもそも米本土から遠く離れた中東の地でアメリカの「脅威が続いている」ということ自体がおかしな話です。「自国の石油利権が危うくなる」、「中東石油を超低価格で強奪するにはアメリカに逆らう国を叩き潰さねばならない」と正直に言うべきです。

参照: http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20011127-00001029-mai-int
     http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20011127-00000102-yom-int

■ ブッシュ大統領は「第二次イラク戦争」と「テロとの戦い」の関係を全世界に明らかにすべきだ。
 ブッシュ政権が9.11事件をきっかけに「テロ国際包囲網」を作ってきた根拠は、ビンラディン氏=アルカイダの関係にあったはずです。しかしイラクと今回の米の同時多発テロとは如何なる関係にあったのか。ブッシュ大統領は因果関係と証拠を全世界に示すべきです。これまで幾度となく米のテロ事件とイラクとの関係が、ウォルフォウィッツ国防副長官等の国防筋からリークされてきましたが、結局は明確な証拠が示せず取り下げたはずです。それではなぜ今なのか。なぜイラクを攻撃すると事実上の宣戦布告のような戦争挑発を仕掛けるのか。責任を持って米政権は答えるべきです。

■ 私たち反戦平和運動はイラク攻撃反対で直ちに介入すべきだ。
 11月29日の日経新聞(夕刊)では、パウエル国務長官は「イラク攻撃に慎重」と報道されています。しかし「英は攻撃拡大に前向き」と一転してブレア首相は攻撃支持に回りました。トルコも慎重姿勢から一転して支持に豹変しました。しかしまだロシアやドイツ、フランスも、二面的で動揺してはいますが、攻撃支持ではありません。まだまだイラク攻撃に対しては世界各国は国内外の世論動向と様子を見ているのです。
 イラクへの戦線拡大を含めて、アメリカをどんどん歯止めのない戦争に押しやっているのは、他でもない「テロ包囲網」を作っているアメリカの西側同盟国、イギリス、フランス、ドイツ、そして日本であり、断固とした批判を避けている中東の親米諸国であり、この間急速にアメリカにすり寄っているロシアであり、中国なのです。そしてこれらの国々の政府と政治指導者だけではなく、野党だけでもなく、国民全体でもあります。私たちのような反戦平和運動そのものの真価が今まさに問われているのです。
 私たち反戦運動は、世界の仲間と一緒になって直ちに介入すべきです。黙って、これらの国々の政府に言いたい放題にさせておいてはなりません。イラク攻撃反対の国際世論をどこまで作り上げることが出来るかがカギを握っているのです。


■ 「戦争目的」を「テロ撲滅」から「大量破壊兵器の開発禁止」へなし崩し的に拡大することは許されない。
 私たちが心配していたことが始まろうとしています。なぜ「大量破壊兵器」なのか。なぜ「国際査察」なのか。ブッシュ大統領は、テロとは関係のない問題を突然持ち込み始めたのです。図に乗ったアメリカの侵略戦争のエスカレーションです。イラクへの戦争挑発と戦争準備は、対アフガン戦争からの更なる「戦争目的」のなし崩し的な拡大に他なりません。アメリカの「戦争マシーン」はまるでタガが外れたかのように、歯止めがかからなくなっています。
 米軍は、カンダハルで海兵隊を投入し地上戦にも直接加わり始めました。大規模な空爆を一段とエスカレートさせ、一般市民や建物を殺傷・破壊しています。もう十分でしょう。アフガン全土で、まるで血に飢えたハイエナのようにあちこちで殺しまくり破壊しまくっているのです。それでも物足りないのでしょうか。今度はイラクを挑発し新たな侵略戦争を始めようとしているのです。
 「国際査察」と言えば聞こえが良いですが、これは米の言いなりになれ、奴隷になれという口実なのです。過去に戦争寸前まで行くほどの緊張激化という危険を犯しながら繰り返しやってきた「査察」から何も出なかった経緯もあります。
 何よりも問題なのは、アメリカが自国の核や化学兵器や細菌兵器などの大量破壊兵器を世界の先頭を切って使用し開発しておきながら、他国には認めさせないという自分勝手で傲慢な姿勢です。CTBT、ABMなど現に軍縮交渉をぶっつぶしてきたのは共和党とブッシュ政権自身ではありませんか。そんなアメリカの言い分を、軍事力を背景に認めさせようとすること自体、許せないことです。西側のマス・メディアはこの素朴な疑問について、アメリカを全く不問に付しているのです。露骨な「二重基準」です。他国に「あそこを見せろ。こっちを見せろ」「開発するような国は潰してしまえ」と言うのなら、率先して自らがまず軍縮を実施し範を垂れるのが、道理というものでしょう。あきれてモノが言えません。

参照: http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20011128-00000043-mai-int
    http://www.kyodo.co.jp/kyodonews/2001/revenge/news/20011127-288.html


■ 小泉政権は「テロ特措法」でなぜ米のイラク攻撃に参戦できるのか、法的根拠を明らかにすべきだ。
 アメリカの軍事的暴走を歯止めなしにしている「国際翼賛体制」の一角がいつ、どこから崩れるのか。これがアメリカの侵略のエスカレーションを阻止する「突破口」になるのです。イラク攻撃が、ブッシュ大統領の思うように出来るのか否か。それがその試金石になりつつあります。私たちは、何とかして自国の小泉政権を揺さぶって、我が国の足元から「翼賛体制」を切り崩さねばなりません。
 しかし許せいないことに、福田官房長官はどの国にも先駆けて、11月29日、米がイラクなどアフガニスタン以外の国を攻撃した場合の対応に関し、「テロ対策特別措置法によるテロの脅威除去のために実施する措置の対象国は特段の限定をしていない。イラクも入っている」と述べ、自衛隊による対米軍支援を続行すると発言しました。杉浦外務副大臣も「テロ対策特措法に基づいて支援する米英軍の攻撃対象はアフガンに限っていない。イラクも除外されていない」と明言しました。
 しかし「テロ特措法」の文言のどこに「イラク攻撃への参戦が可能」と書いてあるのか。福田官房長官も、杉浦外務副大臣も明らかにすべきです。同法の「目的」第一条は、「平成十三年九月十一日に米国において発生したテロリストによる攻撃」を特定しているはずです。あるいは「国連の総会、安全保障理事会もしくは経済社会理事会が行う決議または国連、国連の総会によって設立された機関もしくは国連の専門機関もしくは国際移住機関が行う要請」が要件であるはずです。ブッシュ大統領が発言したイラク攻撃はそのどちらの要件も満たしていません。
 小泉政権の好戦的なハメ外しは、野党民主党の海外派兵賛成で増長しているとしか思えません。その民主党の翼賛姿勢を揺さぶれるのも、私たち国民と反戦平和の世論なのです。私たちはアフガン侵略を直ちに中止するよう要求すると同時に、イラクへの戦線拡大にも絶対反対です。

 参照: http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20011129-00000814-jij-int


■ ブッシュ政権は、北朝鮮に対しても戦争を挑発し朝鮮半島の緊張激化を強め始めた。
 ブッシュ政権は、朝鮮半島を再び緊張激化の最前線にしようと企み始めました。11月26日のイラクに対する警告とあわせて朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)にも国連査察受け入れを要求、同時に「大量破壊兵器の拡散」に警告を発したのです。これは米同時多発テロ事件とは全く無関係です。
 北朝鮮は11月29日、この米国からの大量破壊兵器の「査察要求」を「断固拒否する」「必要な対抗措置」をとると表明しました。「米国は、北朝鮮に対して理由もなく『査察』を受け入れるように求めてきた」と非難しましたが、当然のことです。
 それでなくても現在、「南北対話」は頓挫しかかっています。ブッシュ政権の誕生による対北朝鮮強硬政策と韓国野党の妨害で現政権の「太陽政策」が行き詰まり状態に陥っているのです。そこを韓国内の民衆の力で何とかかろうじて「南北の和解と平和」が維持されている微妙な状況なのです。こんな時に「南北対話」を叩き潰すようなアメリカの仕打ちを断じて許すわけにはいきません。

 参照: http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/nybomb/afghan/200111/27-16.html
     http://japanese.joins.com/php/article.php?sv=jnews&src=nk&cont=nk0&aid=20011126214231500



■ 朝鮮半島・東アジアの平和と安定を根底から掘り崩すブッシュ政権の北朝鮮への戦争挑発。朝鮮半島の再緊張は、日本軍国主義を一段と勢いづかせ、参戦体制をエスカレートさせる。
 朝鮮半島で緊張が再激化すれば、韓国の野党と右翼勢力だけではなく、我が国の軍国主義勢力、右翼勢力が勢いづくのは目に見えています。「テロ特措法」に基づく自衛隊の海外派兵が実施に移されたばかりですが、今度は「周辺事態法」の実施が問題になるのです。政府与党は有事立法の制定を仕掛けてくるでしょう。小泉首相は経済政策、「構造改革」で完全に行き詰まっていますから、「テロ特措法」の時のように、再び朝鮮半島への戦争動員問題が浮上すれば、待ってましたとばかりに好戦的な言辞を連発して調子に乗るはずです。我が国の周辺における戦争挑発と戦争準備に全面的に加担していくでしょう。
 11月29日、小泉政権の危険な火遊びがもう一つ動き始めました。破たんした在日朝鮮人系金融機関「朝銀東京信用組合」を舞台にしたいわゆる「資金流用」事件で、警視庁が朝鮮総連中央本部をはじめ、関連施設3か所を業務上横領容疑で捜索したのです。朝鮮総連中央本部に捜索が入ったのは初めてといいます。全世界でブッシュ政権が押しつけている「テロ資金の補足と差し押さえ」に沿った動きであることは明らかであり、上述した11月26日のブッシュ演説とぴったり符合しています。小泉政権がブッシュ政権の言いなりになって、北朝鮮敵視政策、封じ込め政策の先兵になることに反対しなければなりません。
 事が今後どう展開するか。全てはブッシュ政権の北朝鮮政策、これに反対する世論と運動の力にかかっているのです。私たちは、北朝鮮への戦争挑発に断固反対します。もうこれ以上の軍国主義強化に反対です。参戦体制のエスカレーション、憲法否定に反対し闘っていきたいと思います。

 参照: http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20011129-00000303-yom-soci

(2001年11月29日)



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