死刑への道上映会へ

 昨年10月に、カナダ・モントリオールで開催された第2回死刑廃止世界大会では、全体集会の合間に死刑を扱った映画作品の上映が行われた。このドキュメンタリー映画もその中の1つ。
 免田栄さんが世界大会に招待されたことを聞いて、監督のHenri Quezさんが、免田さんにプレゼントするためにビデオを用意していた。そのビデオに日本語字幕をつけたものを、今回、上映する。
 免田さんと私たちが上映会場に入ってスクリーンをながめていると、なんとスクリーンに免田さん自身が写っているのでびっくり。免田さんに聞いてみると、確かに、以前、免田さんの住んでいる大牟田に外国の映画関係者が来て、数日間滞在して撮影していったとのこと。それがどんな作品になったのか知らなかったということだった。世界大会で上映されたあと、市内にある別の施設でも上映会が行われ、免田さんが挨拶した。映画を見終わったあと、会場をあとにする人たちが次から次に免田さんの手を握りしめ、1人の若い女性は、会場の外で泣きじゃくっていた。私は、見るに見かねて、その女性を抱きしめたが、死刑のない国の人たちの受け止め方と日本の違いを実感させられたような気がした。死刑のないカナダの人たちにとって、「処刑」の残酷さの伝わり方は、もっと強烈なのではないか。日本は死刑に慣らされているのではないか、という気がしたのだ。
 この映画は、1人のアメリカ人青年が処刑されるまでの2日間を、青年の両親を軸に展開されていく。並行して、34年5ヶ月を獄中で過ごし、死刑台からの生還を遂げた免田栄さんへのインタビューが、静かな映像で展開していく。
 今回の上映は、制作者のご厚意で実現した特別上映。ぜひ、多くの方々に見て欲しい。                               (島谷直子)

◎7月2日(土)午後2時から
◎会場・文京シビックセンター・ホール
◎ Ways of Death
【死刑への道--アメリカと日本】
2003年製作 上映時間50分 カナダ
・Macumba International プロダクション
・製作:Robert Cornellier, Patricio Henriquez, Raymonde Provencher
・監督・脚本:Patrico Henriquez
・2004年スペインCadiz国際ドキュメンタリー映画祭人権賞受賞
2004年モルドバCRONOGRAF映画祭監督特別賞受賞

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