2005年フォーラムシンポ第一回 死刑と無期の量刑基準に関する調査研究報告 死刑と無期のはざ間で・・検察量刑基準を斬る・・報告 村上満宏弁護士(愛知弁護士会)時:2005年1月15日(14時00〜 所:東京都文京区文京シビックセンター5階 交通:東京メトロ・後楽園:都営地下鉄・春日 参加費:500円+資料代 |
死刑執行停止法の制定、死刑制度に関する情報の公開 及び 死刑問題調査会の設置を求める決議 死刑が法定刑として規定されている罪に直面している者に対し、そうでない罪の事件で付与される保護に加えて、特別な保護が与えられるべきことは国連総会決議で強く要求されているところである。しかし、わが国の刑事司法制度は、捜査段階、公判段階、刑の確定後、執行段階のいずれにおいても、十分な弁護権、防禦権が保障されておらず、国際人権基準に大きく違反している状態にある。4つの死刑確定事件における再審無罪に見られるとおり、死刑判決の誤判が明らかとなっているが、死刑事件についての誤判防止のための制度改革も全くなされていない。死刑と無期の量刑についても、最高裁、高裁、地裁において判断の分かれる事例が相次ぎ、死刑判決への信頼が揺らいでいる。これらの重大な問題点について抜本的な改善がなされない限り、少なくとも死刑の執行は許されない状況にある。 死刑制度そのものについて見れば、死刑を廃止したヨーロッパ諸国をはじめ世界の6割の国と地域が死刑を法律上あるいは事実上廃止し、死刑廃止は国際的な潮流となっており、この流れは、アジアにも及んでいる。かかる状況下において、わが国においても死刑制度の存廃について、早急に広範な議論を行う必要がある。 よって、当連合会は、日本政府及び国会に対し、以下の施策を実行することを求める。 1 死刑確定者に対する死刑の執行を停止する旨の時限立法(死刑執行停止法)を制定すること。 2 死刑執行の基準、手続、方法など死刑制度に関する情報を広く公開すること。 3 死刑制度の問題点の改善と死刑制度の存廃について国民的な議論を行うため、検討機関として、衆参両院に死刑問題に関する調査会を設置すること。 当連合会は、国会議員、マスコミ、市民各層に働きかけ、死刑制度の存廃について広範な議論を行うことを提起する。また、当連合会は、過去の死刑確定事件についての実証的な検証を行い、死刑に直面している者が、手続のあらゆる段階において弁護士の適切にして十分な援助を受けることができるよう、死刑に直面する者の刑事弁護実務のあり方についての検討に直ちに取り組む決意である。 以上のとおり決議する。 2004(平成16)年10月8日 日本弁護士連合会 |