本日(8月3日)、服部純也さん(40歳:東京拘置所)松村恭造さん(30歳:大阪拘置所)に死刑が執行されたことに対し、強く抗議する。
滝実法務大臣は、就任後わずか2か月も経過していない段階で、死刑を執行した。十分な記録の検討もされないままの拙速を極めた執行であり、慎重のうえにも慎重でなければならないという法務大臣の職責を放棄するものであって、強く非難されなければならない。
服部さんは、一審の判決は無期懲役で、二審で死刑に逆転した。松村さんは自ら控訴を取り下げて死刑が確定した。フォーラム90が昨年行ったアンケートに、服部さんは、再審請求を行いたいが、外部交通が認められていた再審の支援者が亡くなった後、別の支援者との外部交通が許可されないので困っているという回答を寄せていた。また松村さんは、精神的に落ち込んでいてあきらめていたが、再審請求をしてみたいと書いていた。
死刑執行は当然回避されるべきケースであった。
死刑には犯罪抑止の効果はなく、また、被害者の救済や社会の平穏にも資するものではない。死刑は人道と民主主義に反する。
私たちは、死刑の廃止を願う多くの人たちとともに、また、滝法務大臣に処刑された服部さん、松村さんに代わり、そして、死刑執行という苦役を課せられている拘置所の職員に代わって、滝法務大臣に対し、強く、強く抗議する。
2012年8月3日
死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90