【PROPOSE】

埼玉県知事宛に「市民活動サポートセンターについての提案」を提出しました。

みなさんにお願いしたアンケートやこの間の勉強会を踏まえて、9月11日に「市民活動サポートセンター」設立を検討している埼玉県の知事宛に「市民活動サポートセンターについての提案」を提出しました。

 9月22日には、「サポートセンター検討委員会」(連絡会の浅井さん、二子石さん、山木さん、二子石さんのほか2月のフォーラムで講師をお願いした高木さんが委員になっています)が開かれましたが、事務局(県民生活課)から、この「提案」も各委員に配布されました。この提案にもりこんだ「貸し出し機能」や「サポートセンター独自の事業」などの案は、検討委員会の報告書に反映されることになりそうです。
問題は、どこがこのサポートセンターの運営を担うことになるかということ。埼玉NPO連絡会も組織体制を整えて委託を受けるべく手をあげようかという話がでています。


1998年9月11日

市民活動サポートセンターについての提案

埼玉NPO連絡会


本年3月の市民活動サポートセンター構想策定委員会の報告書を受けて、実施計画検討委員会の活動により、『市民活動サポートセンター』(仮称)が、いよいよ具体的なかたちに近づいてきたことは、県内で長く市民活動に携わってきたものとして喜びにたえません。全国の中でも早期かつ積極的な埼玉県の取組みに敬意を表します。


私たち埼玉NPO連絡会は、結成以来、サポートセンターに関するプロジェクトチームを組み、3回の勉強会を実施し、すでに活動を始めている公設、民設のサポートセンターの見学や調査、サポートセンターについての会員へのアンケートなどを行ってきました。


これらの活動のまとめとして、サポートセンターが県内の市民活動の基盤を強化し、活性化の中核として十分機能することをめざして、@機能 A施設内容 B運営の基本的な考え方について、以下のように提案いたします。

1.機能


『市民活動サポートセンター構想策定委員会の報告書』にある(1)交流・連携機能(2)活動推進機能(3)情報収集・提供機能(4)相談機能(5)コーディネイト機能(6)人材育成機能 (7)災害発生時のボランティアのコントロールタワーという機能については、賛成いたします。
ただし、実施計画検討委員会の資料には「サポートセンター自体が行うことの例」として、「県委託事業」のみがあげられていますが、サポートセンター運営主体は、「NPOを支援するNPO」として、下記のようなサポートセンター独自の事業を積極的に行うべきではないかと思います。
たとえば、@各市民団体が制作した書籍、パンフレット、ビデオなど情報に関する物品の委託販売、A有料のコンピュータ講座やNPO経営講座の開設 B福祉関連のグッズのフェアやバザーなど、 C貸出し機能として、ビデオカメラ、ポラロイドカメラ、ビデオプロジェクター、OHP、スライド映写機、16ミリ映写機などの撮影・映写機材、拡声器、マイク、トランシーバーなどの音響機材、長机、パネルなどの貸与 D各分野ごとの活動経験交流集会など
これらNPOサポートセンター自身が行う独自の事業の企画・実施がなければ、サポートセンターは、さまざまなNPOにとって、ぜひ参加したい魅力ある空間にはなりません。
ちなみに同趣旨の活動を長年続けている大阪ボランティア協会では、活動を推進する物品としてテントから腕章までさまざまな機器、機具を貸出しています。

2.施設内容


施設内容すなわちセンターの配置レイアウトや物品の具体的な形容や数量については、立地条件(県内のどの駅の近くに作られるのか)によって、その持つべき機能が大きく変わってきます。
たとえば、立地が繁華街のまん中で、通行量も多く、地域住民の市民活動が非常に活発な場所ならば、地域住民の利用率がその他の市町村からの利用者よりも高いと予想され、(1)交流・連携 (2)活動推進の機能が大きく望まれて、それに応じた施設内容が考えられなければなりません。その結果、フリースペースや、作業スぺース、ロッカーやレターケースのスペースをなるべく大きくとる必要が生じます。
他方、地域住民の市民活動もあまり活発ではなく、しかし、交通の要所であり、全県の各地から比較的短時間で来所が可能であり、通勤帰りの利用が見込まれ、昼間利用率は低いが、夜の利用率は高いことが予想される場所では、センターはむしろ(3)情報の収集・提供や (4)相談 (5)コーディネイト (6)人材育成、加えてサポートセンター独自の企画ができること などの機能にとくに力をいれることになるでしょう。アンテナショップ的色彩が強まり、展示スペースを十分とり、コンピュータを数多く設置する、複数の相談室を設けるなどの反面、作業スペースは小さくても、地元にはない高度な機能を持った印刷機器や器具の設置が求められます。


当会では専門家に400平方メートル(25メートル×16メートル)の面積でレイアウトを考えてもらいました。(添付資料q4ページ)この段階では、立地条件が不明で、どの機能を強化すべきか判断できませんでしたので、総花的になっているのは否めませんが、参考のために添付いたします。
それぞれのスペースの機能は以下の内容を想定しています。

<1>事務室(オープン)
  常時4〜5人在席。(滋賀県は200平方メートルにスタッフ7人です)。
  OAシステムスぺース、応対スペース(カウンター)あり。

<2>相談室&小会議室(クローズ)
  1つは職員の休憩室としても兼用。緊急時の指令室。

<3>フリースペース(オープン)
  待ち合わせ、懇談ができるロビー的機能を持たせ、資料閲覧のデスクにもなる。
  資料ラック、パソコンコーナー、掲示板がある。
  緊急時や多人数のイベント実施の際には、広い空間に変更できる構造とする。

<4>大・中会議室(クローズ)
 60人/20人、ビデオ上映が可能であること。

<5>作業室(オープン)
 印刷機、コピー機(A2版、両面、カラーなど特殊な機能を持つもの)、DTP用パソコン、カラーレーザープリンタ、紙折り機、製本機、作業台。

<6>ロッカー、レターケース、(オープン) 郵便物・FAX受付

<7>情報スペース(オープン)
 掲示板、資料閲覧棚・書棚・販売資料見本展示棚

<8>倉庫(クローズ) 販売資料、貸出用機器の保管

3.運営の基本的な考え方


市民活動サポートセンターの運営については、埼玉県にとっても市民にとっても初めての経験になります。このサポートセンターを県内のNPOの活動にとって有用なものとするためには、実践以前に取決めをするのではなく、実践の中から『構想』の精神を実現化するのがよいと考えます。これはかながわ県活動センター職員からのアドバイスでもあります。
また、このサポートセンターを県内唯一のものと考えず、やがて第2、第3のセンターを設置する、あるいは市町村段階でもサポートセンターが作られていくことを考え、そのモデルとなることを期待するとともに、それらの情報ネットワークの拠点となることを想定しておく必要を感じます。

1998年9月11日


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