さいたまNPO連続セミナー vol.4 NPO法人を創ろう!


実り多かった「分野を超えた集い」の中の分野別の交流


埼玉NPO連絡会は、前号で報告した「さいたまNPO連続セミナー」の第1〜第3回に続き、第4回めの「セミナー」を、日本NPOセンターの山岡義典さんを講師に招いて、7月12日埼玉県労働会館で開き、約70人の方々が参加しました。

●あらためて確認された理念・使命の大切さ●

講師の山岡さんは、NPO法の成立の経過とその意義をわかりやすく解説し、とくに「法人格を取得することに過剰な期待をしないこと」を強調されました。
山岡さんのお話を受けたかたちで、6つの活動分野ごとに情報交換・相談の場を設け、それぞれにチューターから報告を受けました。
さまざまな活動にとりくむ市民団体にとって、NPO法の成立が、それぞれをとりまく環境を多少なりとも変えていくことについての認識は共通していたようです。
「まちづくり」のチュータをお願いした山岡さんからは、「ネットワーク型の組織は法人格取得にこだわらないほうがいいのでは」というアドバイスと「理念をはっきりさせること、ミッションを見えるかたちにすること」の大切さが強調されました。
「福祉」分野の堀越さんからは、「共通の関心は、法人格をとることは財政が安定することにつながるかというテーマ」だったこと、「行政の動きをきちんと知りたい、法人格を取得したらいいかどうかの相談機関がほしい」という意向が強かったことが報告されました。「環境」分野の恵さんは「環境問題にとりくむところは成果が見えにくいだけに、趣味のレベルを超えた説得力が求められる」こと、「行政からの委託を受けて事業を展開する団体には法人格は必要な面があるが、事業をこなすことにかかりきりになり、本来の活動がおろそかになる危険性もある」こと。また、「文化・社会教育」の尾池さんからは、「NPOについて家族に説明してわかってもらうぐらいに把握する必要があること」「メリット、デメリットだけでなく、ミッションを見つめなおすいい機会にし、理念を大事にしていきたい」という報告がありました。「反戦・平和」の東は、「NPOに関心が薄く、反権力の色彩の強い反戦市民運動と、行政とのパートナーシップをという市民グループが市民団体どうしで反感を持ちあうことがないよう働きかけていきたい」と強調し、「国際交流」の小出さんからは「海外協力のグループには法人格が必要だが、在日外国人の問題に取り組むグループにとっては、また事情が違う」という話がありました。
各分野の報告に共通していたのは、NPO法人になるならないにかかわりなく、自分たちの活動の「理念・使命」を確認し、把握することが、ますます大切になるという認識でした。
この日のセミナーの論議から、「埼玉NPO連絡会」にとっては、「NPO法人を取得したほうがいいかどうか」というたぐいの相談にのる「民間の相談機関」に「連絡会」がなっていくのか、また「サポートセンター」をそうした機能を持つ場にしていけるのかという点が今後の大きな課題であると思いました。

(文責:東)


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