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リクルート過労死裁判を考える会(仮称)
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渥美京子


石井偉(いさむ)さんが29歳の若さで亡くなって3度目の夏を迎えます。

訃報を耳にした友人知人の誰もが才能あふれる彼の死を悼み、そして、当時の彼を知る多くの人が「過労死ではないか」という思いを胸に抱いたものでした。

あれから、もう3年です。

すでにマスコミの報道などを通してご存じの方が多いと思いますが、6月9日、北海道に住む石井さんのご両親が東京地裁に「息子の死は過度な勤務が原因の過労死」としてリクルート社に損害賠償を求める裁判を起こされました。

私は当時、彼が手がけていた『デジタル・ビーイング』の仕事を手伝っていました。彼はいつも前向きで、自分の責任をきちんと果たす優秀な編集企画マンでした。そして長時間の不規則労働・・・。

それゆえにご両親による過労死という訴えは、ストンと胸に落ちるものがあります。

おそらく提訴に踏み切るまでには、いろいろな逡巡があったことでしょう。苦労して育てた息子が一人前になったことを喜び、平穏に暮らしていた親の元に、ある日突然、「倒れた」と一報が届く。遠く旭川からかけつけたものの、言葉も交わすことなく彼は旅立ってしまった。親が子供に、このような形で先立たれる悲しみ・憤りはどれほどのものでしょう。

ふつうであれば、死という現実を受け止めることさえ大変なことなのに、「なぜ、死ななくてはならなかったのか」を裁判を通して解明していく姿勢は心を打つものがあります。同時に、ますますシビアになる労働現場で、彼の死は他人事ではないとも思うです。

だから、私たちはこの会を作りました。裁判を傍聴したり、ニュースレターをだしたり、それぞれができる形でリクルート過労死裁判を応援していきたいと思っています。

突然のニュースレターを手にされてとまどう方もいるかもしれません。住所はお母さんの石井淳子さんよりうかがいました。御迷惑であれば、遠慮なく「送らないでほしい」と言って下さい。

でも、できれば、あなたにもこの裁判を応援してもらいたいと願っています。感想や質問をいただければ嬉しいです。そして、彼について何か知っていることがあれば、どんな些細なことでもいいので教えてくれませんか。電話や手紙、電子メール、どんな方法でもOKです。それから、もし、よろしかったら、ぜひ第一回目の法廷に足を運んでみてください。


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