2000年、米国ワイヤータップ報告書要旨

米国の盗聴捜査報告書は、令状を発付した裁判官からの報告と盗聴捜査を行っ
た検察官からの報告にわけて公表される。
総括表は別紙を参照のこと

●裁判官からの報告

盗聴令状の件数は前年より減少している

・盗聴のロケーション

今回の報告から新たに携帯機器(携帯電話、ポケベル)を別途リストに加えた。
令状のうちの60パーセント(715件)が携帯に対する盗聴である。これに次いで
多かったのは個人宅の電話盗聴である。

・盗聴期間

盗聴捜査の延長請求から、最も長期の渡った盗聴捜査は、連邦警察で、カリフォ
ルニア州の308日、州警察でニューヨーク州の300日である。

●検察官からの報告

・盗聴頻度

平均日数は42日で15パーセントの低下。連邦警察による盗聴でもっとも頻度が
高かったのは、the Northern District fo Ohaioでの一日346通話の盗聴。州
警察ではニューヨーク州の一日713通話である。

・盗聴対象機器

実際に行われた盗聴対象の通信のうち、電話回線(固定、携帯、コードレスを
含む)への盗聴が全体の81パーセント(927件)。このうちの691件が携帯に対す
る盗聴を含んでいる。これに次いで多いのがポケベル、ファックス、電子メー
ルといった電子機器への盗聴。全体の8パーセント、89件を占める。

・暗号

盗聴された通信のうち22件で暗号が使用されていたが、平文を入手するうえで
障害にはならなかった。

・費用

盗聴捜査に要した平均費用は54829ドルで前年より低下。連邦警察による費用
は低下しているが、州警察の費用は上昇している。

・逮捕、起訴者

全部で3411名が盗聴捜査をもとに逮捕され、そのうちの22パーセント(736名)
が有罪を宣告された。連邦警察による逮捕者と有罪者はこのうちの約半数を占
める。(将来的に、逮捕者、有罪者は増える可能性がある)
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以上。

米国盗聴捜査報告書の2000年版
http://www.uscourts.gov/wiretap00/

電子プライバシー情報センターによる過去からの盗聴捜査の統計表
http://www.epic.org/privacy/wiretap/stats/wiretap_stats.html