ACLUニュース 2001/5/8
欧州議会、米国での公式調査を開始。エシュロン監視システムに危惧
ワシントン
欧州議会は、米国を中心とする電子盗聴ネットワークの調査のために、一週間
にわたって代表を派遣し調査を行った。ACLUの副理事、バリー・スタインハー
ドは、「国家安全保障の名のもとに政府がいった何をやっているのかを明らか
にする好機だ」「もしこのシステムが報道されているような機能をもっている
とすれば、米国の諜報機関は議会の観点からしてもプライバシー保護を無視し
てきたことになる」と語った。
EU議会によるこれまでの調査は、エシュロンとして知られている監視システム
の存在を詳細に論じた報告を公表してきた。エシュロンは、NSAの主導のもと
に、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの諜報機関と連携した
監視システムである。この報告によれば、エシュロンは、北米を含む世界中に
通信傍受基地をもち。すべての衛星、短波、携帯電話、光ファイバー通信を世
界規模で捕捉するするものである。そして、会話、ファックス、電子メールを
キーワードその他の手がかりをコンピュータを使って検索するものだ。
EU議会の代表は、諜報、国防関係者のほかに、プライバシー関係のメンバーと
も会見した。ACLUと電子プライバシー情報センター(EPIC)は、かれらの調査への
協力を求められ、水曜日にはさらにエシュロンについての詳細を米国政府が明
らかにすることを期待している。
スタインハードは、「NSAはきわめて大掛かりに監視システムと結び付いてい
ることが明らかだ。もし、EUの報告が真実ならば、エシュロンは、FBIやその
他の国内の法執行機関のよってすでに実施されているアメリカ人にたいする広
範囲な監視すら矮小なものにみせる規模をもっている」と語った。
EUはまた、その報告書で、エシュロンが内密にに、ヨーロッパの産業、市民、
非営利団体の情報を収集するために利用されているとして強い危惧を表明して
いる。これまでに公表された報告書では、エシュロンが、英国のアムネスティ・
インターナショナルやクリスチャン・エイドといった団体をスパイしていると
批判している。
「議会は政府がアメリカ人の会話を令状なしに傍受しないことを確認すべきだ。
アメリカの諜報機関が市民の私生活を覗くような違憲行為を行わないことを明確
にするよう議会に働きかけるになるだろう」とACLUのワシントン全国事務所の副
理事、グレゴリー・T・ノジェイムは語っている。