出版流通対策協議会
1999年6月23日
私たちは中小90社の出版団体です。
今国会で審議されている通信傍受法、通称盗聴法に対して強く反対します。
私たち出版社にとって、自由な言論を確保するために、さまざまな立場の人への取材、執筆依頼は不可欠なことです。たとえそれが、警察・検察が組織犯罪と認定し捜査の対象にしていようと、出版社が取材し、事実関係を調べ、判断し、報道し、出版することは、出版社として社会的に与えられた仕事であり、出版にとっての大原則であります。今回上程されている法案が万一成立すれば、憲法で保証されているはずの「出版の自由」が大きく侵害されることは明らかです。
この法案にはいくつもの歯止めがあると言われています。警察・検察の盗聴の申請を裁判官が許可し、立ち会いをつけて傍受するとのことですが、これまで警察・検察の申請した令状の裁判官による却下はほとんどありません。また捜索差押令状での立ち会いも消防署員が形式的に立ち会うケースがあることからも明らかなように、盗聴しようとした対象には、なんの歯止めもなく盗聴やり放題になることは目に見えています。
このような法が通ってしまえば、出版は警察の監視下におかれ、出版の自由は完全に死滅してしまいます。
憲法二一条に「検閲はこれをしてはならない。通信の秘密はこれを侵してはならない」とあるように、憲法にすら違反しているこの法案はただちに廃案とすることを要求します。